泉山



標高 1209m    難易度 ☆☆    登り147分(Cコース)GiveUp 下り45分 林道92分 岡山県
倉敷からの距離   99Km        登頂日 2003/01/25  ガイドブック  F写真 音訳日記削除

道の駅10:35−11;21登山口11:28−12:22休憩所−13:55小ピーク少し手前14:17−14:40休憩所−15:02登山口15:07−15:43道の駅

登山 この所天候が悪くなかなかチャンスが無い なんとか天候が安定したようなので泉山(いずみがせん1209m)のCコース(大神宮原)に足を伸ばす 劇的な出会いが待っているとは思いも及ばなかった

 登山の支度をして道の駅から広域林道を登って行く 林道は案の定アイスバン状態車の轍の部分は滑るので避けながら登ってゆく やがて左手に三ケ上が見え 前方に泉山が見えてくる 林道のカーブに従い山の景観が面白いように変わる 振り返ると三ケ上の左手に湯岳が聳えているのが見えてくる この景観は初めて目にするように思う 何度もこの道を走っているのだが気が付いていない こうした発見も歩いて登るからだと思う

 今度は道路脇に軽トラックを停めている方と出会う 私を追い抜き途中で何度か停まり対向車の方や後から来た車の方と話されているので 林道の点検かなと思い何か点検されているのですか?と問うと いや猟師で猪を狙っているとの話 話を伺うと5〜15人程がグループで猪がいそうな場所を囲み 二人で猪が寝ている所を起こし逃げて来る所を仕留めるとの事 猟期は2/15までなのだが 3月頃までは農作物を荒らすので有害動物駆逐の目的で日にちを決めて狩猟すると伺う 何頭ほど一冬で捕るのかと伺うと一昨年が一番多く100頭を超える数だったが今年はまだ30頭ほどとの事 狩猟した後は大いに盛り上がり大変でしょう と話すと そりゃ大変だいつまでも何回も同じ思い出話が出る と嬉しそうに話しておられた

 では失礼と挨拶すると 夏山は登った事があるの?と問われ ええ 冬山も何回か登りましたと返答 それなら大丈夫だ と気配りを戴いた こうした話が聞けるとはなかなか幸先良い

 登山口に着く ここまで20〜30分程度かなと思っていたが話しをしていた事もあろうが50分近くかかってしまった ここで輪カンジキを履き雪道に入ってゆく 雪道には足跡がついている、だが輪カンジキは履いていない この跡を追って行けば良さそうだ その足跡に踏み込んで驚いた 雪が柔らかく輪カンジキを履いていても膝頭近くまで埋もれる 森林公園を訪ねた時の雪よりもっといやらしい これは時間がかかりそうだ それにしてもこの足跡を付けて登って行った方のパワーは凄いな でもこれだけ深いと追いつく可能性もあるかな? 足跡は登りしかついていない 今日のものとは思うがとあれこれと推測しながら追ってゆく こうした場合は山頂に何時到達出来るかわからない 今日は2時まで登り 届きそうもなかったらGiveUpしよう と心に決め登る

 雪道はそれは美しい 太陽の日が射し まばゆいばかり 周辺の木々は雪を抱きクリスマスツリーのようだ 枝が雪の重みでたわみ道を塞いでいる 潜るときにリュックにつけているストックがからみもろに雪の洗礼を受ける 足は重く一歩一歩に時間がかかるがこんな素晴らしい雪景色を堪能させて貰えば充分だと喜びながら進む

 登山道の案内に従って幅広の林道から左に入ってゆく 夏道ではなんでもない階段の道だが結構急勾配 足跡が階段状についているのでそれを追う その足跡を見ても凄いなと思い ルートをつけて戴いた事を感謝しながら登ってゆく 少し景観が開け 山頂が見えたり 反対側の山並みが見える そしていよいよ山道に入る 休憩小屋は間近である

 男性がお一人降りて来られた 雪が深く 休憩小屋まで2時間かかった 輪カンジキはいらないだろうと甘く見たのが失敗 小屋から少し行ったが雪の状態を見てGiveUpして戻ってきた との話 ここまでルートを開いて来られた方だ お若くそのパワーは流石だなと感服した 時間は12時過ぎ 私もここまで1時間かかった 私のリミットまでまだ1時間半はある この先雪が締まってくれば歩き易くなり 尾根まで登れる可能性はある

 そこで お陰で大変お世話になりました 2時まではもう少し雪道を登って行こうと思っています と お話すると それなら交替でラッセルしながら登りましょうか二人なら心強いから とその方が話され 私のペースで良ければご一緒させて戴ければ心強いですね と 話が一致しご一緒に登る事に 休憩小屋の少し手前のロープがあるその近くであった

 私は倉敷から その方は岡山からとあれこれと山の話をしながら登る どのような話の流れか忘れてしまったがインターネットの話になり 色々な情報をインターネットで取り出せガイドブックより便利だと話を伺い 私もホームページを出していまして 岡山の山で・・・と話した所 エ! すると山本さん! 私Kです(Kさんとはメール交換をしており最初にメールを戴いたのが2000/6ですのでかれこれ3年のお付き合いを戴いています)と伺い 今度は私の方が エ! Kさん! とここで劇的な出会い 山登りで出会ったりいやホームページを見てメールを戴いた方は30名を越える方となったがKさんは時々登山情報を送って戴いたり 定年退職のお祝いのメールを戴いたりで格別のお付き合いをさせて戴いている 実に嬉しい出会いである

 すぐに休憩小屋に出る 屋根の上には1m程雪が積もっているKさんはここで昼食を食べたのですがちょっと恐ろしくてこの下には入りませんでした と 言わせる程屋根に積もっている 屋根の雪をストックでつつこうとしたら 刺激を与えない方がいいですよと注意を戴いた

 小屋の脇を抜け 山道に入って行く ルートには木々が幾重にも覆い被さりルートを塞いでいる この状況が延々と続くのであればもうこの先を行く勇気は無いが その先は樹林帯が待っており ほんの少しの辛抱なので そこに突っ込む 雪を落とせるものは落し 雪を被る被害を少なくしながら進む あっちこっちに雪がかかる カメラもその被害を受けるが なんとか通り抜ける

 その先は比較的歩き易くなる 私が先行しその後をKさんがつく 輪カンジキの後でも結構埋まっている それでも随分違いますと喜んで戴く この分ならひょっとしたら尾根まで行けるかも知れませんねと希望的観測を述べるがそうは甘くない 傾斜がきつくなると途端にスピードは落ちる 雪は重い それでも一歩一歩高度を稼ぐ 途中で見かねたのかKさんが先に行く 猛烈なパワーで登って行く 一人だと心細いが二人だと随分違いますねとお互い励ましあって登って行く

 高度を稼ぐにつれ木々についている雪の状態が変わってくる 気温は随分と下がってきているようだ 所々で山並が見えて来るようになった 大分登ってきた 時間を見ると何時の間にか2時に近い やはり相当時間がかかっている まだ最後の急登にはとりついていない 小ピークの直前だろう 夏山であればここから尾根まで10分程で登れるだろうがこの分では1時間かかっても登れないかも知れない 今ですら雪の上に足を出すのが大変な状態 雪は柔らかく輪カンジキを履いていても結構もぐる Kさんが先行した跡でももぐるので足場の確保が大変だ 急登の斜面では足を雪の上に上げられないかも知れない

 そう思い 先行するKさんにもう2時は近い とても尾根に出られそうもないので私はここでGiveUpします 折角ですから、ここでご一緒に記念写真を撮らせてください と声をかける Kさんもそうですね この先の急斜面は登れないかも知れませんね 私もここで戻りますと二人してここでGiveUpする事にした

 とりあえず汗に濡れた下着を着替えてとシャツを脱ごうとしたが 冷たい 手袋を脱いだ手が言う事をきかない ボタンになっているのでそれを外すのに四苦八苦して外しなんとか着替える カメラを三脚にセットするのも指が思うようにきかないので大変 やっとの思いでセットする 慌てて撮った写真がファインダーを覗かなかったのでとんでもないフレーミング もう一度やり直しという有様 バナナを持ってきたのでKさんと1本ずつ食べる Kさん曰く これで釘が打てるかもねと冗談が出る程 冷凍バナナのように冷えきっている でも 甘い味が心地よかった

 ここでは、なんでもない事に随分時間がかかってしまいKさんには寒い思いをさせてしまい済みませんでした

 写真をとり下山する 下山は快適 こんな中を登ってきたんだねと共に感慨を味わいながら降りてゆく 痛い! 小枝に目の下をぶつけた 注意! 注意! 下りながら 何度こんな奇跡的な出会いがあるかと話した事だろうか 話をしているとKさんも車を道の駅に置いて来られたとの事 山本さんがそう書いてあったから と私の登山日記を参考にされた由 その内 本当にお互い物好きですね と 納得しあった 今日、物好きな二人が出会うべくして出合ったのかも知れない

 帰宅し、しばらくしたら Kさんから私の写真を添付したメールが届いた そのメールの少し前に別の方からお願いしていた事に対する嬉しい回答のメールを戴いた どちらの方にも今日は実に嬉しい事が重なった日だったと感謝のメールを送らせて戴いた 新しい出会いと新しい出発こうもドラマチックな展開があるとは思わなかった 人間(ジンカン)至るところ青山ありという晴れ晴れした感じがする



アプローチ
 いつものとおり429を走る 1/8に見た旭川ダムでの霧氷は今日も見られない 青空が時折顔を出し、日差の中を走ると小春日和の気分 旭町から休み乢トンネルを抜ける 泉山はかなり雪を抱いているように見える トンネルを抜けた最初の点滅信号を左折し県道159への近道を走り県道に出181に乗り院庄に向う 時折泉山が顔を見せるこのような所からも見えるのかと認識を新たにする

 院庄から179に乗る 正面に堂々とした泉山が見えてくる 随分と白くなっているあの尾根に立つ事が出来れば真っ白な雪面の景観を存分に楽しめる事が出来ると期待に胸をふくらませる

 国道には県北積雪有り タイヤチェーン必要との警告板の表示がある 奥津中学のところに来ると道路脇に雪が見えて来る 奥津渓谷は雪景色 奥津渓谷の駐車スペースには雪が積もっており私の車ではそこに入るのは遠慮した方が良さそうだ 路面は雪が所々あるがなんとか行けそう 奥津温泉ふるさと物産店の駐車場になんとか入る事が出来た 駐車場は除雪してあるがそれでも雪が残っており 慎重に駐車スペースに入れる この状態では広域林道を行けそうもないのでここに駐車させて戴く 邪魔にならないよう隅の方に車を置く

 駐車場はチェーンを履いている車 雪を楽しんでいる子供達 団体のバスなどで結構大賑わい