毛無山



標高 1218m    難易度 ☆☆     登り96分 下り104分(白馬山経由)  岡山県
倉敷からの距離   113Km        登頂日 2004/02/19   ガイドブック  F写真 音訳日記削除

駐車位置10:50−11:04登山道入口−12:15九合目−12:26山頂12:45−12:51九合目−13:02俣野分岐−13:24ピーク13:26−13:35白馬山13:37−14:23林道外れ−14:28林道−14:33駐車場所

登山
 2月に毛無山(けなしがせん1218m)を訪ねるのは初めてだ このところ好天が続きひょっとしたら登山口まで車で行けるかも知れないと考え出かけた

 山の家に向う道路は雪道になっている いずれ輪カンジキは履くのだからとそこで履き 出発する ここから山頂が見える 山頂近くの急斜面は雪崩現象が起きたのか割れ目のようなものが見える 気温が上がっているので注意しないといけないようだ
 山の家を右に見ながら雪道を歩き 林道に入って行く ルートは良く踏まれておりしっかりと受けてくれ、歩きやすい すぐに白馬山登山ルートの分岐に出る そちらにはルートがついていない 登りは踏み固められたルートを行くに限る 雪の様子を見て白馬山経由で降りてこよう と 考え 分岐を直進する

 林道を行き 大きな標識のある登山道入口から林道と分かれ山道となる 踏み固められたルートをそのまま追い先に進む 旭川源流の標識があった筈と少しは注意しながら進んで行ったが標識は見落とし、次第にルートの登りがきつくなる

 このあたりは杉林だ いたる所に杉の小枝が落ちており 雪面はまだら模様 雪は何日も降っていないようだ お世辞にも美しい雪面とは言えない

 高度をあげてくるとブナなどの落葉樹の樹林帯になる 傾斜もきつくなってくる 足跡を追いながら登って行くのだが これまでとは違いルートは比較的容易に好きなルートがとれる その為踏み固められる頻度が減り雪質は随分と柔らかくなる 柔らかくなると登る負担が増える 踏み込んだ足に力をかけるとズズズズと沈む 足元が落ち着いてから次のステップとなる でもそうした部分はそう多くなく三ヶ上のような苦闘はせずにすんだ

 足元に穴が開いている 覗くとつららが下がっている 踏み抜いたら大変だなと思った矢先ドボーと身体ごと腰まで埋もれる まさに落とし穴だ なんとか這い出し ルートを少し迂回するがどこまで柔らかくなっているか下の状態がわからない 恐々なんとかクリアーする その後そうした個所は無かったがあれは何故そうなっていたのだろう 湧き水のような地表に暖かいものがあるのだろうか?

 高度を上げてくるとブナの樹林帯になる 青空が広がり 雪の白さがまばゆい 見事なブナ樹林が顔を見せ 景観の主役になってくれる 少し登っては振り返り きれいだと思うとパチリと写真を撮りながら登って行く

 途中の合目を示す標識は毛無山のものは背丈が低く三合目ですら見つける事が出来なかった 何度も登っているとは言え何合目付近なのかの判断もあいまい 兎に角この斜面を登りきらないといけない 右手の樹間に冠雪した山並みが見える 山の形からして蒜山三座のようだ

 急な斜面を登り切るとなだらかな登りとなる 見覚えのあるブナ樹林だ 八合目から九合目の一番楽しいところだ 登山口で見えていた雪の割れ目が見えてくるが驚くようなものでは無い 割れた部分がかなり溶けてしまって迫力が無かった そう心配する状態ではない 左手には西毛無山が姿を見せてくれる そして九合目の休憩所に着く

 休憩所の屋根の雪は殆ど無くなっているもののブナ樹林と雪に囲まれた風情はなかなかのもの

 さていよいよ最後の登りだ 足跡を追いながら登ってゆく 前に登った時はかなり急な登りであった覚えがするが今日は雪質が柔らかく足元をしっかり捉えてくれていた為か急登という感じもせずに登ってゆく

 この登りは素晴らしい まず右手に蒜山三座が見えてくる 登って行くと 皆ヶ仙そして擬宝珠山・象山が見え 烏ヶ山が見え 大山が見えてきて山頂に立つ 展望が開け全景が見えてくる バンザイと声を出したい程感動的だ

 真っ青な青空 冠雪した山並み 手前には金ヶ谷山・朝鍋鷲ヶ山に連なる尾根 左にはこれまた美しい西毛無山が見える 西毛無山への尾根道には足跡がついている 
風も無い 暖かな陽射しを受け実に気持ちが良い

 昼食休憩をとり下山する 下山は白馬山ルートを選ぶ ルートには足跡は無いがこれまで何回も歩いたルートである

 雪質は良く歩きやすい 山頂を境に景観が変り これまでどちらかと言うと穏やかな風情を見せていたが こちらの斜面になるとおどろおどろした引き締まった感じを受ける 折角山頂まで登って来られたのだからせめて九合目ぐらいまで足を伸ばされるとこの景観を楽しむ事が出来るのにと思いながら降りてゆく ここでも何枚も写真を撮る 山頂の方角が逆光になるが偏光フィルターというものを教わり装着しているどのような写真になるか楽しみだ

 俣野分岐まで素晴らしい景観が続く 俣野分岐を右にとり尾根道を行く 雪質も良く軽快に歩いて行ける 1ヶ所短い距離だが右も左も切り立った場所がある 夏山では気が付かないのだがこのシーズンになると斜面が雪で覆われ潅木が隠されてしまうのでそのように見える そこを越えて行く 後は尾根を追って行けばよい

 そろそろ白馬山かなと思いながら少し小高いピークに立つ 白馬山からは右手の尾根を降りてゆくのだが白馬山の標識も無いし大山の見え方も違う 尾根を真っ直ぐ行くとかなりのくだりでこちらでは無さそうだ 右の尾根に進めば間違いないだろうとそちらに進む 白馬山の尾根分岐であれば土用ダムが見えてもいいのだが少し様子が変だなと思いながら進むとなんの事はない白馬山の標識に出た ピークを一つ間違えていた

 これで一安心 見慣れたブナの樹林を楽しみ 大山の見収めをして分岐を降りて行く 土用ダムも確認出来た そして尾根をどんどんと降りて行く

 山頂から白馬山の尾根道はステップも軽く 大山の山並みを左手に見ながら美しい雪景色を存分に楽しめたのだが いいことは続かない 雪が次第に柔らかくなってきた 所々足跡らしいものが見えるが踏み固められていない 案の定ズボーと足を取られる 膝頭位い埋もれる 足をとられるとつんのめってしまう 一度は埋もれた足を抜き出す事が出来ない 雪面に手をつくとそこが埋もれてしまう 力をかける所が無い 仕方がない ストックで埋もれている足の周りの雪を崩す どの位の時間がかかったかわからないが結構時間をとられなんとか抜け出す

 それからは一歩一歩慎重に降りて行く それでもズボーと埋もれる事が何度あったか知れない だが足を抜けなくなるような事はなくどうにか降りて行く こんなに柔らいのでは登りのルートに選んでいたら途中でGiveUpしていたに違いない 下りに選んで良かったと思いながら降りてゆく

 この尾根のどこかで右手方向に降りて行く必要があるのだが 降りる位置がわからない 何箇所も尾根分岐がある 大部真っ直ぐ降りた もうこの位で右手に降りようとえいやと右手に降りて行く 降りて渓流のところに出る だが出た所の様子が違う 渓流の右手にルートは無い いつもの所ではない 左手前方を見ると林道のような感じがする はてどこだろう? 渓流の流れに沿って下って行けばいいだろう と流れに沿って降りて行く 途中流れを横断するが そのまま進む そして出た所が なんと白馬山登山道の分岐だった そこで登ってきた林道に合流する 尾根の降り口を大部先まで行ってしまったようだ 雪山はルートが自在にとれて面白い



アプローチ
 今日は中国地方を高気圧が覆い山陰地方も晴れの予報 気温もあがり3月下旬から4月上旬との予報 倉敷では薄雲が広がっていたが車を走らせてゆくにつれ青空が増えてくる いつものように429を走り 旭町から県道30に進む 旭川ダムは今日も満々と水を蓄えている

 落合で313に乗る 右手前方に大空山が見えてくる この前より白さが減っている この所気温の高い日が続いており雪解けが進んでいるようだ 道路脇にも雪は全く見えない

 勝山で313から181に乗る この辺りに来ると雪があった名残が散見する 美甘村まで来ると 畑や山裾の日陰部分に雪が残っている 国道の温度表示は7℃ 随分と気温があがってきた 新庄村に向うと雪は増えて来る 県境積雪有りチェーン必要の表示がある

 毛無山登山口の標識を見て国道を右折する 川沿いを走り毛無山の標識に従い左折する 道路脇には雪 路面には雪が無いので安心して車を走らせる だが 日陰部分に来ると圧雪された状態の路面となる 平坦な道なので速度を落とし乗り切る 何箇所かそうした場所があり女滝につく

 これから急坂になる 気温もあがっているし このところ好天が続いている 兎に角行ってみようと車を進める やはり圧雪された路面になっている でもその区間は短くそのすぐ先には乾いた路面が見える ゆっくりと車を走らせる スリップする事なくクリアーする これで登山口までの4Kmを歩かなくて済む

 急坂の部分を抜けると路面は乾いており安心して車を走らせる事が出来た 道路脇の畑は真っ白に雪に覆われている そして毛無山が見えてくる

 毛無山山の家に向う分岐を過ぎた先に除雪された空地がありそこに駐車させて戴く