下蒜山



 標高 1105m 難易度 ☆☆     登り103分 下り45分 岡山県
倉敷からの距離   119Km        登頂日 2005/02/14  ガイドブック  F写真

犬挟峠11:09−11:20尾根−11:35三合目−11:58雲居平−12:09七合目辺り12:16−12:30八合目−12:45九合目−12:59山頂13:20−13:27九合目−13:35八合目−13:43雲居平−13:53三合目−13:59尾根−14:05犬挟峠

登山
 今日は雪の下蒜山(しもひるぜん1105m)を楽しむ

 登山支度をして進むと小動物が雪面を走っている15cm程度だろうかこちらを見て動きをとめていたので急いでカメラを向けたのだがすぐに雪面に小さな足跡を残して消えてしまった

 登山口の休憩小屋の屋根には10cm程度だろうか雪が積もっている ルートには輪カンジキの跡も追えるのでここから輪カンジキを履く 輪カンジキを履くのはこの冬初めてだ そしていよいよ出発

 10歩程進むとしっかりしたルートが出来ている 踏み固められており雪に埋もれる事は無い この3連休に沢山の方が登ったのだろうか この様子だと輪カンジキを履かないでも良さそうだ そうは思ったがわざわざ脱ぐには及ぶまいとルートを登って行く 足元は良い 雪景色は太陽光線を受けまばゆいほど こんな登山が出来るとは実にラッキーである

 樹林帯を抜けると尾根道にかかる 標識を見て左に90度曲がり尾根を登って行く 何度も登っているルートである 右手に台風で倒れた樹林帯が見えてくる痛々しい 三合目の標識を確認時刻を記入する 雪道の登山とは言え汗がぽたぽたと落ちてくる

 やがて樹林帯を抜け視界が広がってくる ここからが素晴らしい 真っ白な雪原が拡がりその先にピークが見えてくる 白く衣替えし実に美しい姿だ 尾根道を眼で追うとずっとルートが付いている 八合目から九合目の急斜面にもルートがついているのが見える この様子なら輪カンジキは無くても良さそうだ 急斜面ではむしろアイゼンの方が良さそう 適当な所で履き替えよう

 この辺りは五合目なのだが五合目の標識は雪の中なのか見つけられないまま雪面のルートを追って行く ここまではルートが相当踏み固められていたが雪面上では自由に歩けるその分雪が柔らかく時々膝頭の半分程度まで埋もれる でもこの程度は特に歩くのに支障は無い

 雲居平に出る 標識が雪面から顔を出してはいるもののいつも撮っている写真のアングルとはかなり違う これも面白い

 雪面の周辺を見るとところどころ雪崩と言おうか雪肌がずれ斜面が見えている所がある 積雪量は50cm程度だろうか 日本海側は薄ぼんやりした景観 海岸線もぼんやりしている 上空は薄雲が広がっている この時期はどんよりとして厚い雲に覆われているケースが多いのだが今日はいい天気だ

 雲居平を過ぎ七合目付近に出る ここも標識は埋まっている 平らな斜面の所で輪カンジキを脱ぎ6本爪の軽アイゼンに履き替え急登に備える こちらのアイゼンを履くのもこの冬初めてだ

 さてこれからいよいよ急登に挑む ルートは直登する形でついている ここを冬場直登するのは初めてだ これまでは樹林帯に向けて迂回するルートがついていたのでそれを追ったが今日は迂回ルートは無い、真っ直ぐ登ってみよう

 八合目の標識が見えている そこまでも結構傾斜はあるが雪質は柔らかく足元を捉えてくれる 所々ズボーと抜けている所がある かなり深い 足元が抜けたら大変だ 抜けている所を避けるようにして登ってゆき無事八合目に着く

 ここから更に斜度が急になる 足元を確保しながら一歩一歩登って行く 四つん這い状態になり1点に力がかからないように進む 急な斜面は10m程度だろうかなんとか登る そこを過ぎると傾斜は少し緩くなり立つ事が出来るようになる そして九合目に出る

 九合目の標識も頭を出しており九の字を認識出来た ルートの右手はブナの樹林 八合目からも右手に樹林はあるのだが景観を楽しむ余裕は無い ここに来て樹林の美しさを愛でながら登って行く 樹林は樹氷を形成しているが気温が上がっている為どんどん融けてきており残念ながら氷のキラメキが無い これほどの天気は滅多に無い、これ以上の事を望むのは欲が深い それでも高度を稼いでくると樹氷も美しさを増してくる

 山頂ピークのポールが見え山頂に立つ 大山の山並みが大きくクッキリと目に飛び込んで来る 山頂に出ると突然見えてくるのだから何度訪ねても感動を新たにする 中蒜山や上蒜山もその前景としてその美しさをみせてくれるが 大山の山肌の白さや岩峰の鋭さは格別である

 山頂のベンチは雪の中 下蒜山山頂を示す標識と大山をバックに記念撮影をする 風は無く 陽射しが優しい 昼食休憩を取りながら周辺の景観を楽しむ こんなに優しい山頂もあるのだと感謝する

 休憩を終え下山の準備にかかる 脱いだ手袋はさすが冷たくなっており新しいものに交換する いくら天気が良いといってもやはり冬だ カメラは転倒するといけないのでリュックに入れる 下山は登ってきたルートを降りて行く 足を取られる事もなく順調に九合目に降りる

 急坂の降りにかかる どのようにして降りようかと思っている途端足元が崩れ滑り出す そのまま滑ってもいいとは思ったがブッシュを掴み滑りを止める 自分で滑り出す事は出来なかったが期せずして難所をクリアーする事が出来た

 その後順調に降りて行く 前方に二人連れの方が降りて行く姿が見える 足跡から判断すると雲居平辺りまで登られたようだ 五合目を過ぎ樹林帯に入ったところで追いつく 女性の二人連れだった ルートを開け譲ってくれたのでお先にと挨拶する 随分お早いですね 何時から登られたと聞かれ 11時頃と返事をしてお先に失礼する 少し降りてから そうだ写真は撮られたのかなと思い 写真撮られました? と声をかける ありがとうございます 沢山撮りました そうそれは良かった と話し下山する



 帰路湯原の露天風呂を楽しむ 丁度バレンタインデーだったので露天風呂の入口にハートの形をしたローソクの受け台が設置されていた その夜は露天風呂の廻りに沢山のローソクが灯され 多くのカップルが入浴している様子が放映されていた


アプローチ
 県北の天気と私の都合の良い日とがなかなか一致しない 今日を逃すと天候が崩れるとの予報で急遽飛び出す 雪道ナビで雪の状況を調べておかなかったので雪の状態で櫃ヶ山か蒜山を登ると言って家を出る

 青空の倉敷を出発する この青空はどこまで続くのだろうか? 雪の状態はどうだろうか? と心配と期待を抱きながら429を走る いつもガスが出てくる道の駅加茂川に入っても青空が続く こんな事もあるのだな今日はついているぞ

 ラジオの天気予報では全国的に晴れ 県北は勿論鳥取県の雪または雨の確率は10%程度 但し、夕方から九州から雨が降り出すとの事 これまた滅多に無いチャンス これなら蒜山を狙っても降られる心配はまず無い 車窓からは雪に関して、そのかけらも見えない

 旭川ダムに出る 水を満々と湛え 青空に水面が映える もう春が来たのではと思われるような景観 旭町から県道30を走り 落合に向う 旭川にかかる橋を右にカーブして進むと右手前方に三坂山が見えてくる 谷筋が少し白く雪を確認出来るが少ない 車の角度に従って右手方向の視野が広がって行く そして真っ白な富栄山が見えてくる 雪景色に出会えほっとする 青空のもと 真っ白な雪肌はまばゆい程だ あの真っ白な雪肌の辺りは牧草地帯なのだろう

 落合・久世・勝山と313を走って行く 勝山に入って道路脇にわずか残っている雪を見つける 勝山の気温は5℃ 太陽が出ており気温はもっとあがっているかと思ったが外は冷えている 片側交互通行の個所を抜けて行く 真賀温泉そして足温泉を過ぎると櫃ヶ山が顔を出す 白さが少ない 道脇にも雪の気配は無い 蒜山に向おう

 湯原インターの気温は7℃ 湯原温泉街への入口を左手に見て坂道を登って行く この辺りに来ると道路脇に雪が所々に残っている トンネルを抜けるとその都度雪の状態が増えてくる 左手にちらっと真っ白に冠雪した山が見える 山の形からして下蒜山と中蒜山と思われる

 最後のトンネルを抜けると中和村 路面には雪は全く無いが周辺は雪景色 青空はまだ続き白さが映える 冠雪した仏ヶ仙が顔を出し 蒜山が見えてくる 313と分かれ482に直進する 蒜山の気温は12℃ どんどんと気温はあがってくる

 下蒜山登山口の標識を右折する 犬挟峠から先は雪の為通行止めと記載されていた雪景色を楽しみながら峠に向う 除雪車の回転する用地の端に駐車させて戴く 平日でもあり誰も駐車していない