毛無山



標高 1218m    難易度 ☆☆     登り99分 下り114分(白馬山経由)  岡山県
倉敷からの距離   115Km        登頂日 2008/03/11   ガイドブック  F写真 山の音

駐車場10:49−10:51カンジキ10:57−11:10登山道入口11:11−11:25四合目−12:21九合目−12:35山頂12:50−12:58九合目−13:12俣野分岐−13:47白馬山−14:39林道−14:44駐車場

登山
 ここ数日気温が上昇している この状態なら毛無山登山口の駐車場まで車で走れるだろうと思い、毛無山(けなしがせん1218m)を選ぶ

 登山口から雪 輪カンジキはすぐ必要になるだろうからと手に持ったまま出発する 駐車場入口の渓流の両脇に雪の層が出来ている 5,60cmはありそうだ ここですらかなりの雪が残っている 園地に入って行く 雪面に足跡が出来ているが結構埋もれている 歩いた跡を追って行くがそれでも雪に埋もれる この状態なら少しでも早く輪カンジキを履こうと山の家の手前で輪カンジキを履く

 輪カンジキを履くと受圧面積も増え 埋もれる事も少なくなり歩きやすくなる ルートはしっかり踏まれており、この様子ならラッセルする心配は無さそうだ 白馬山へのルートにはトレースが見られない 登りは少なくとも白馬山ルートは避けて直登ルートを行き 山頂の雪の状態を見て判断しようと 踏まれたルートを追って行く

 大型バスだとかなりの人数だと思われるのだがそれらしい足跡とは判別出来ない 他のルートから登り 降りてくるのを待っているのだろうか と いぶかりながらルートを追って行く 雪の中から頭を出している毛無山登山道の標識を左に見てルートに入る

 右手に渓流を見ながら 旭川源流の碑はこの辺りだっただろうか? 三合目はこの辺りだろうかと思いながらルートを行く あれ? 夏山ルートと違う 夏山ルートだと渓流を右に見て登り、それから尾根に取り付くのだが 渓流は雪の中 トレースは渓流に沿う事無く真っ直ぐ尾根に向けて登っている なるほど、夏山ルートとは違うがこの方が登り易い この方はこの山の事を良く知っておられるようだ この足跡を追って行こうと、足跡を忠実に追って行く

 四合大岩の手前に標識が頭だけ出していた しかし、その先になると目印がなく判別が困難になってくる 杉の樹林からブナ樹林になり、目を楽しませてくれる 六合目付近になると登りは急になる 夏山ルートだと右手方向に巻いて行くのだが 私が追っている足跡はここを直登している 右手方向に巻いているトレースもあるが 前回の登山では巻いて登ったので今日は直登ルートを登ってみようと そのまま足跡を追って行く どのルートを選んでも上を目指して登って行けば山頂に立てるという安心感もある 足元を確認しながら一歩一歩登って行く 足跡を外すと結構足を取られる 時々 前につんのめったりしながら登って行く

 ブナの大樹が何本も並んでおり実に迫力がある その都度足を止め カメラに収める 何度登ってもこの景観はいい 時々遠くの方から小鳥の鳴き声が聞こえる 小鳥達もそろそろ山に戻って来ることだろう 左手に八合目の大きな岩と思われるものが見えてくる 一筋違う尾根を登っているようだ 樹間から白馬山に連なる尾根道や西毛無山が顔を見せるようになり 毛無山山頂も見えて来る 山頂には数名人がいるようだ そしてついに九合目の休憩小屋が見えて来る 屋根には押しつぶされそうな程の雪を載せている 1mを越えているのでは無かろうか

 人声が聞こえて来る 山頂にいた人たちが下山してくるようだ 先頭の人がシリセードで降りてきて それに続いて何名もの方が次々と楽しそうに滑り降りて来る しばし、その様子に見とれ 何枚か写真を撮った 下りはこうして滑ってくるといい 早いですよと声がかかる 何名かは滑らずに歩いておられた すれ違う時 お話を伺うと 倉敷・岡山からで25名 登ってきたルートを下るとの事だった それにしては足跡がこんなに多勢とはわからなかったと話すと 前の足跡を忠実に踏んで登ってきた と話しておられた 道理でしっかり踏み固められていたのかと納得する

 山頂にもうお1人おられます お近くの方のようです と 伺い別れる 登って行くと 男性お1人が降りて来られ 挨拶を交わす 山頂に出た時はどなたもおられなかった この山は山頂に向かう時 視界がどんどん広がって 蒜山から大山の山並みがどんどん現れて来るのがいい 霞がかかりぼんやりはしていたが冠雪した山並みが現れ ピークに立つとその先に大山が見えて来るという仕掛けが実に嬉しい 大山はどんな顔を見せてくれるか最後の最後まで期待を持たせてくれる

 今日の大山は一味違った顔を見せてくれた 裾野は春霞によるものか大気の色に溶け込んでおり 山頂の白い部分が空中に浮いているような景観 山頂部分がガスに覆われて見えないというケースが多いというのに、今日は山頂がくっきりと見える 大山に連なる烏ヶ山や蒜山は山容はなんとか判別出来るがぼんやり 三平山は白く輝いていた 風もなく 暖かな陽射しを受け 景観を楽しみながら昼食をとる

 下山ルートだが 白馬山への尾根筋を見ると 今日のものでは無いがトレースが読める 尾根筋へ少し歩いて見たが 雪の状態はいい これなら大丈夫だろうと白馬山ルートを降りる事とする 俣野まで降りて場合によっては戻っても良い

 気温が上昇していて樹氷は形成されていなかったが 尾根筋の景観はまた一味違う 鳥取側から雪庇が出来 美しい雪景色を見せてくれる ブナ樹林もいい 山頂方向にカメラを向けると逆光気味となり ブナ樹林の輪郭が強調される 写真撮影を楽しみながら降りて行く

 あれ? 前方に人影が 二人連れだ 白馬山経由で登られたのかな それにしてはすごい 近づいて挨拶を交わす お話を伺うとルートを迷い 毛無山直登のつもりが白馬山に出てしまいここまで3時間以上もかかってしまいましたと話しておられた 輪カンジキやスノーシューを履いておられなかったのを拝見して 随分足を取られたでしょう ここまで来られたら大丈夫ですよ 山頂はすぐそこだし 下山ルートは団体さんが踏み固めてくれていますからと話す 六合目辺りでいくつもルートが別れており ルートを追っていったらわからなくなりどんどん登っていったら白馬山だったとの事 方向を間違えると大変な事になる

 私にとっては明確なトレースが出来た トレースをどこまで追うかは状況を見て判断しようと お二人と別れ ルートを降りて行く 俣野分岐に出る カタクリの説明板や分岐を示す標識がやっと頭を出している 分岐を右に進み お二人の足跡を追って行く 足跡を見ると足をとられた所があちらこちらに見られ苦労された様子が手に取るようにわかる

 ブナの樹林と雪景色を楽しみながらルートを降りて行く 大きな支障もなく白馬山分岐に出る ここまで降りると 分岐の標識はしっかり雪の上に出ており 俣野分岐から見ると4,50cmは積雪量は少ないようだ 分岐を降りると大山は見えなくなるので もう一度山容を確認し分岐を降りて行く

 お二人の足跡はまだ続く だが気温が上昇してきている為か足跡は大分怪しくなってきている 下りの斜面で時々 失ったりする 足跡を追うのは危ないと判断し いつもの下山ルートを降りて行くこととする 尾根筋が別れている所があったのでお二人は右手の尾根から登ってきたものと思われる いつもの下山ルートと言ってもこれまで最後までルートを失わず降りれた事が無い 大抵どこかで間違い 違う所に出て修正してきた 今日こそはと注意をして降りる

 良く見ると 要所要所にテープナビがある 今まで気がつかなかった テープナビを確認しながら降りて行く 時折スノーシューの跡のようなものが確認出来 スノーシューの方も着実にルートを降りて来られたのだと頼もしく思う そうして降りていると 突然ズボーと太ももまで埋もれる 気温上昇で緩くなってきている 特に太陽の陽射しを受けている斜面はズブズブ 下りだからまだ進めるものの登りは無理だなと思いながら日陰のルートを選びながら、なんとか降りて行く そして、最後までルートを失う事なく登山口に出る事が出来た 今日は一日中、太陽が顔を見せ 雲で遮られる事は無く 雪山を楽しませてくれた



アプローチ
 前線が遠ざかり朝から青空が広がる 気温が上昇しており春霞がかかったような状態 吉備路の菜の花は太陽の陽射しを受けいい色を見せてくれる いつものように429を走る 足守 加茂川と走り 旭町で県道30に左折する 旭川の水量はかなり多い 雪解け水だろうか 落合入口の気温は7℃ 落合で313に乗る 旭川の先に富栄山の白い姿が望めるかと期待していたが 霞がかかり山影すら判別出来ない 久世で181と合流し 勝山で181へ直進する 勝山では早11℃と気温はぐんぐん上昇する 今日は4月中旬から下旬の気温になると予報している

 勝山まで全く雪の姿は見えない 美甘村に入ると除雪した雪が残っていたりする 新庄村に入ると山肌や畑に雪が見えてきて 181から県道58に右折し、少し走って県道から左折し毛無山登山口に向けて進んで行くと 道路脇の雪がどんどん増えて来る 雄滝に向かう登りを無事抜けると そこは白銀の世界 田畑はまだ雪に覆われ 冠雪した山々が前面に現れてくる 国道から数Km入っただけでこんなに違うのかと驚きを新たにする 駐車場に入る手前で大型バスが1台待機していた 駐車場には2台駐車していた 大型バスが待機しているならかなりの人が山に入っていそうだ