三平山



標高 1010m    難易度 ☆     登り72分(穴ケ乢から) 下り39分(公園) 林道35分   岡山県
倉敷からの距離   119Km        登頂日 2023/05/25   ガイドブック   F写真  動画

穴ケ乢登山口7:27−7:35穴ケ乢−8:39三平山山頂8:52−9:06土塁−9:31登山口−10:06穴ケ乢登山口

登山
 今日は三平山(みひらやま1010m)を訪ねる

 登山支度をして出発する カエンダケ注意の標識*0)を見て、薄暗い樹林の中に入って行く 早速クルマバソウ タチシオデ チゴユリのお出迎え 2週間前にこのルートを降りた時には顔を見せていなかったクルマバソウ タチシオデを見る事が出来 いろいろと変化している事が伺われる 樹林に入ったすぐは下草があり花も顔を見せてくれるのだが、同じ樹林でも斜面を違えると下草の緑の部分がなくなり 随分と異なる ルートを追って登って行くと前方が明るくなり、穴ケ乢と書いた標識が見えてくる 標識の右手にある石の地蔵を見て、三平山に向けて登って行く
 
 樹林の中のルートを登って行く 進むに従って傾斜がきつくなる 木の枝や笹の葉を掴み身体を引き上げる おや何だろう 丸太が幾つも斜面に 近づいて見ると丸太で作った階段だ 倒木を利用したものののようだ 少しの雨でも流されてしまいそうだが大丈夫だろうか その右にも登っている足跡が伺えるので、折角作って頂いた階段だが失礼して足跡を追う 掴み易い枝があり、腐葉土のクッションが足を支えてくれる そして樹林の中の急斜面を抜ける
 
 抜けるといくらか傾斜は緩くなり草原の中のルートとなる 登りはまだ続くが花が顔を見せてくれる 早速黄色い花の蕾 キンランのようだ キンランには出会った記憶が無く キンランではと期待しながらカメラに収める 調べたところそのようだとわかり大変嬉しい 花は開いていなかったが 調べると 全開はせずに半開き状態のままだ という記述があった その後登りでもう一か所 下りでは4ケ所ほどで出会う事が出来た いずれも花は開いていなかった
 
 ここから振り返る景観は素晴らしい 足場を見つけて振り返り景観を楽しむ 谷に落ちていく斜面は見えず その先に朝鍋鷲ケ山に続く尾根道がドンと顔を見せてくれる ここを下る時は足を滑らさないよう留意が必要だ
 
 草原のルートを行く ハナニガナが顔を見せるがまだお休みの時間 ノアザモ タニウツギ タンナサワフタギの花芽 ヤマツツジ 再度キンランが顔を見せてくれる ミズナラやカシワも特徴ある花をつけている 傾斜が緩くなり前方に三平山の山容が見えてくる レンゲツツジが鮮やかなオレンジ色の花を咲かせている 今度は、三平山の右手に蒜山三座と蒜山の街並みが見えて来る ここから暫くは花を楽しむルート ヤマツツジ レンゲツツジ タニウツギ ハナニガナ ヒメハギ アラゲナツハゼの花芽 ミヤマガマズミの花芽 チゴユリ ヤマナシなどを見つけながらルートを行く ゆっくりと右や左 足元や目の高さ とキョロキョロしながらルートを行く
 
 googleの画像検索に触れておこう 今回も随分とお世話になった アラゲナツハゼの花芽をヒットしてくれるかやってみた 候補の一つにあった もう一つ ヤマナシと書いた花 ズームで撮ったのではっきりしないところがあるがアズキナシと判定 葉で違う事は私でもわかるが 花と葉の情報を含めての判断はまだのようだ
  
 ルートは緩やかに下ってゆく 少しムードが変わり、草原のルートに出る ここからは山頂まで草原が続きルートを一望出来る ルート脇の花を楽しみながら登る またルートから見える景観もなかなかいい イワカガミ タニウツギ ヤマツツジ ミヤマガマズミの花芽 ショウジョウバカマ*(*は実を意味する) ウツギの花芽 ヤマヤナギ* サワフタギの花芽 コマユミ ヒメハギ アカモノ ノアザミ シロバナニガナ ウマノアシガタ アキグミなどを見つける 2020/5/28にここを訪ねた記録には ”レンゲツツジが多い ルートに沿ってオレンジ色の帯が伺える” という記載があるが 今年は花が早かったのかレンゲツツジは終わってしまったようだ アカモノ アキグミはその記録になかった 今年はどの花も早いようだ
 
 景観は山頂に至る草原ルートそのものがいい 目の前に続くルートを撮った写真を見ると 心が弾む 周辺の景観も楽しめる ルートはやがて右にカーブし山頂が見えてくる 山頂には山頂標識と豊歳様の石祠が設置されている また、豊年様(とよとしさま)*1)と書いた説明があり、右にカーブした地点からも存在がわかる 緩やかなアプローチを楽しみ山頂に立つ
 
 ここからは360度の景観が得られる 目前に大山がくっきりと見え 烏ケ山 象山 擬宝珠山 皆ケ山 蒜山三座と繋がる 櫃ケ山などの山々 そして朝鍋鷲ケ山 金ケ谷山 毛無山と一巡する 大山を背景に記念写真を撮り、下山する
 
 下山は正面登山道を降りる 草原の中のルート、正面に大山や蒜山三座の山並みが見える 少し降りたところで男性の方 しゃがんで何か写真を撮っておられる様子 近づいて今日はと声をかける 姫路から来られた方で近くにいい山は?と聞かれた この山がいいと聞きやってきた 全国あちらこちらを回っているとの事 話ながら一緒に下山 私が花を見つけて写真を撮ると それは何と聞かれる アカモノの時は これがアカモノですかと大変喜ばれておられた 花を活けておられるとの事で花には関心をお持ちのようでしたが 小さい花はそうご存知ないようだった いい人と出会えたと喜んでおられた
 
 下山ルートではアセビの花芽 アカモノ クルマバソウ ヤブデマリ ミヤマガマズミの花芽 アカモノがあちらこちらで咲いていた 土塁*2)を過ぎてからは ハナニガナ キンラン ナナカマド カキドオシ ムラサキサギゴケ クサイチゴ マムシグサ ミツバツチグリなどを見つける そして林道の登山口まで降り そこでお別れする 登山口にはカエンダケ注意*0)の標識があった
 
 キンランを見つけた時も聞かれた 名前は自信がなかったので珍しい花でラン科の花だと思いますと説明したら タブレットで写真をとり キンランと教えてくれた やはりキンランだったのだと思うとと同時に タブレットを持ってくればすぐ花の名前もわかるのかという便利さと半面、やっと探してわかったという時に感ずる喜びが失われた事にも気づいた 
 
 登山口には駐車場やトイレがある 駐車場の方に行けば 蒜山三座等の山並みを見る事が出来る 私は、それとは反対の穴ケ乢登山口を目指す 花を見ながら林道を行くコウゾリナ イワニガナ ノゲシの綿毛と実 タニウツギ コナスビ ウシハコベ ハルザキヤマガラシ クルマバソウ セイヨウタンポポ ノアザミ タンナサワフタギの花芽 ハナニガナ アズキナシ ヤマヤナギ* ミツバツチグリ マムシグサ クマイチゴ ムラサキサギゴケ ミズキ ヤマボウシ キケマン イヌガラシ* キブシ* ヤマフジ ナナカマドなどが次から次と顔を見せてくれた 車載温度は13℃を示していた 
 
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*0)絶対にさわらないで! 猛毒
 毒性の強いきのこ「カエンタケ」が登山道付近で発生しています。
◆さわるだけでも皮膚に炎症を起こし、大変危険です。
◆写真のように赤いきのこを見つけた場合は、絶対にさわらないよう注意してください。
◆コナラやミズナラの根元ちかくで発生しています。
カエンタケの特徴
色:赤やオレンジ(古いのは薄い色をしている)
形:細い筒状や棒状(土から指が生えたようなかたち)
真庭市

*1)豊年様(とよとしさま)
 明治5年(1872年)4月に建立され、豊受大神(食産霊神)を祀って豊年祈願をしてきた。古くは6月11日を祭日としていたが、今は5月11日に、ふもとの白髪部落の人たちによって祭られている。
 
 
*2)土塁
 この土塁は、明治31年(1898年)蒜山の原野2,300haが陸軍の軍馬育成場として接収された時に放牧された軍馬が外に出ないように建設されたので、実に総延長56kmに及ぶ大工事であった。現在残存している4kmの土塁には往時をしのばせる幾多の史実が秘められている。


アプローチ
 薄っすらと明るくなる頃倉敷を出発車載温度16℃ 吉備路429を行き 県道271を経由して足守の手前で再度429に乗り 足守 吉備中央町 加茂川と走る 道の駅11℃を確認 小森温泉 旭川ダムと走る ダムの水位はかなり下がっていた 旭町で県道30へ左折 旭川に沿って落合へ 落合入口14℃ 313に乗り久世 勝山と走る 勝山で313と別れ181を直進する 勝山12℃ 美甘10℃ 新庄9℃と気温は下がってくる 新庄道の駅を過ぎてすぐのT字路を右折し県道58に乗り蒜山へ向かう 野土呂トンネルを抜けてすぐ、左に曲がり 100m程走り 林道川上2号線へ右折する 朝鍋鷲ケ山登山口を過ぎ穴ケ乢登山口まで車を進め 穴ケ乢入口と書いた標識の近くの道路脇に停めさせて頂く 車載温度11℃