毛無山



標高 1218m    難易度 ☆☆     登り94分 下り90分(白馬山経由)  岡山県
倉敷からの距離   114Km        登頂日 2024/04/15  ガイドブック  F写真 動画

駐車場7:39−7:56登山道入口−7:59三合目−8:09四合目−8:15五合目−8:21六合目−8:33七合目−8:47八合目−9:03九合目−9:13山頂_1218m9:14−9:21九合目−9:32俣野分岐−10:04白馬山_1060m10:12−10:46林道−10:52駐車場

登山
 今日は毛無山(けなしがせん1218m)を訪ねる

 登山支度をして出発する カタクリを期待して訪ねたが駐車場にどなたもいないので早かったのかと心配になる 咲いていなければいないで早春の山を楽しんでこよう 渓流の両脇にフキノトウが一杯顔を見せている 「ツキノワグマ生息地域」*1)の標識続いて 毛無山(大山隠岐国立公園)*2) 毛無山−朝鍋鷲ケ山登山道*3)の大きな案内板の脇を行く ルート脇にムラサキサギゴケを見つける ルートを行くとルート上に白いものが一杯 タムシバの落花だ 見上げると残っている花も見られたがもう色褪せていた 前方には毛無山 山の家がある 標高680mと書いた標識を見て舗装道路を行く
 
 道路左手の路端の側溝工事が終わったようで、人工の側溝を水が流れている 堰堤には花の気配はなくかつて楽しませてくれたサンインシロカネソウは期待出来そうもない 反対側の渓流沿いにアセビ カンスゲ コチャルメルソウ キクザキイチゲ ヤマエンゴサク ミヤマカタバミを見つける キクザキイチゲとそしてミヤマカタバミはまだお休み中だった そして樹林帯に入る
 
 樹林帯を行く お休み中のミヤマカタバミがあちらこちらに顔を見せてくれる 白い色が結構目立つ 舗装道路から未舗装の道路になってしばらく行くと 毛無山の自然を大切に*4)と 毛無山*5)と 書いた標識があったが *4)と記載した標識は朽ちたのか無くなっていた また少し歩いたところに毛無山は22世紀に残す自然の博物館*6) 毛無山(ケナシガセン)*7)と書いた案内標識があり ここから道幅が狭くなる この間キブシを見つける ミヤマカタバミは随所に顔を見せてくれる

 登山道を行く ここでもミヤマカタバミがあちらこちらで顔を見せる 旭川源流の碑が右手にある その反対側の斜面はエンレイソウの群生地 目立たない花だが幾つも顔を出している ボタンネコノメソウも顔を見せてくれた 三合目の標識を見て 渓流に沿ってゆるやかな登りを行く ハシリドコロ エンレイソウ コチャルメルソウ ツクバネソウを見つける
 
 渓流を跨ぐようにして抜け傾斜を登って行く こにはモミジハグマが顔を見せてくれる場所 可愛い葉が頭を出していた ここで、渓流と別れ ブナ樹林の中のルートとなる
 
 幅広のルートをジグザグに登って行く ツクバネソウを見つけた 花芽だろうか中央にちょこんとしたものが見られる 周辺はガスが漂う 四合目の標識 続いて 毛無大岩の脇を登って行く ハシリドコロ エンレイソウが顔を見せる オオカメノキと思われる花が咲いていた(下から見上げる状態で推測) 五合目の標識を過ぎた辺りから コチャルメルソウ ハシリドコロ キンシベボタンネコノメソウが顔を見せてくれる 六合目のところから細流があり花が顔を見せてくれる そして六合目に出る ここにはミヤマキケマン キクザキイチゲが咲いていた
 
 六合目の標識を過ぎると六合大杉がある その手前にハシリドコロが固まって顔を見せていた 六合大杉を過ぎると スギは少なくなりブナ樹林の斜面が広がる ルートは右にカーブして斜面をトラバースするように過ぎ そしてまた左に折れ 斜面を登って行く 七合目の標識を見て、更に登りが続く ここの登りが結構つらい 周辺を見回すと所々に白い固まりがある タムシバだ ズームでカメラに収める 足元にツルアリドオシ*(*は実を意味する)の赤い実を一つ見つける 左にカーブして傾斜が緩くなるとほっと一息入れられる そして八合目に出る
  
 八合目を過ぎた地点に傾斜のきつい場所があるがそう長くない そこを過ぎると傾斜は緩くなり 見事なブナ樹林を楽しめる オオカメノキがあるのだがまだ芽も出ていなかった ブナ樹林の中を登って行く ここでもタムシバを楽しむ事が出来た ツルシキミが蕾のようなものをつけていた 小屋が見えてきて九合目に出る
 
 九合目の標識を後にルートをジグザグに登って行く ショウジョウバカマが顔を出すところに出る 葉は確認出来たが花芽もまだだ オオカメノキもまだでショウジョウバカマもまだ これではカタクリもまだかと心配になる 樹林を抜ける直前にカタクリが顔を見せてくれた まだ花を開いておらず一つだけ それでも出会えて良かった
 
 樹林を抜けると急にすごい風 振り返るようにして見下ろすと登ってきた尾根を俯瞰できる 強い風でカメラが支障をきたさないか心配になる ここからは強い風を受けながら笹原のルートを登って行く 花が見つかっても写真に撮れそうもなかったが花をみつけられないまま山頂に出る
 
 山頂はどなたもいない 大山ならびにそれに繋がる山並み また山頂から白馬山 金ケ谷山に繋がる山並みを伺う事が出来る 山頂標識が新しくなっていた 標識には2019mと記載されていた(この記録では従来通り2018mと記載する) 白馬山への縦走路の案内標識も新しくなっていた 山頂に設置されている温度計は?と探す 縦走路の案内標識の傍の枝に括りつけられていた 位置が低く確認しにくい 写真に撮ったものを見ると10.5℃を示していた 風が強くとても三脚をセット出来る状態ではない 景観をカメラに収め縦走路へ向かう
 
 カタクリはどうかと降りてゆく シーズンであればすぐ顔を見せてくれるのだがまだだ オオカメノキもまだ花芽も伺えない オオカメノキが咲いていた時を思い浮かべながら降りてゆく 数分降りたところにカタクリが顔を見せてくれる 薄日は射しているもののまだ寝起きか反り返っていない まさに開こうとしているところ 幾つも顔を出しており楽しませてくれた
 
 縦走路を行く 次々にカタクリが顔を出している 反り返った花にも出会う事が出来た 笹で日照が十分でないのだろう 開いていない状態でいくつも顔を出しているのも見られた 九合目を過ぎたところでオオカメノキの花芽を見つけた オオカメノキはこれからだ
 
 俣野分岐に出る カタクリ広場があり 広場全体を保護しており、ロープで囲われている 昨年の記録には笹が占領していると書いているが その笹は刈り取られたのか無くなっており カタクリの葉が広場を埋めていた 花を咲かせているものもわずかながらあった これからのようだ こうして整備されているのでここも楽しみな場所となろう
 
 俣野分岐から白馬山へ向かう この縦走路にもカタクリがあちらこちらで顔を見せてくれる 少し早いのか花の数は少なめだ 尾根ではカタクリの他 タムシバ ミヤマカタバミ ツルアリドオシ*を見つけた また、大山を伺う事が出来 白馬山で大山を背に記念写真を撮った
 
 白馬山から下山する 足元がしっかりしており下りのテンポを楽しむ また、ここでもタムシバが楽しませてくれる 土用ダムを見下ろす山肌に幾つもの白い固まり 下山ルート脇にもあちらこちらに白い固まりが見られ 降りて行くと今度はルート上に白い絨毯 タムシバの落花でこの強風で落とされたようで花弁の色も良い そして 常緑樹林の中に白い固まり と随分楽しませてくれた
 
 渓流を渡り 登りのルートと合流する 登りでは眠っていたミヤマカタバミが起き出し 樹林を出たところでは大きく花を広げていた キクザキイチゲも同様花を開いていた 大山隠岐国立公園(田浪園地)総合案内板*10)の脇を抜けて駐車場に 駐車場は5台程駐車しており、登山支度をしておられる方もおられた 車載温度は17℃を示していた
 
 凱旋桜付近では駐車場が賑わっており、道の駅は満車で他へ誘導していた 181を勝山に向かって帰るのだが 滅多にすれ違わないのに今日は対向車が次々と走っていった 凱旋桜を訪ねるのだろうか?
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*1)「ツキノワグマ生息地域」
 ・音の出るものを持参しましょう
 ・明け方・夕暮れの入山には特に注意しましょう
 ・爪痕や足跡を発見したら引き返しましょう
岡山県 美作県民局
 

*2)毛無山(大山隠岐国立公園)
 概要
 毛無山一帯の森林は、自然度の高さ及びその規模において岡山県でも一級のものです。
 平殴14年3月には、この地域一帯が大山隠岐国立公園に編入され、中でも毛無山の南斜面は自然環境を厳正に保全しなければならない「特別保護地区」に指定されました。
 また、毛無山は標高1,218mで、頂上からは360度の展望が開け、北は大山や日本海、南は吉備高原の山並みをのぞむことができます。
 自然
 毛無山の森林の特徴は、県下でも最大規模を誇るブナ林です。この森に生育・生息する動植物の多<が、岡山県版レッドデータブックの選定種になっています。健全で極めて豊かな動植物層が認められ、ブナを主体とした広葉樹と天然スギが混交する独特の自然環境を呈しています。
 日本のブナ林は日本海型と大平洋型の2つに大き<分けられますが、この地域のブナ林はチシマザサやヒメモチが生育する日本海型の特徴とクロモジやチマキザサが生育する太平洋型の両方の特徴を併せ持っています。
 主な動植物(※は「岡山県版レッドデータブック」選定種)
 植物
・カタクリの花
 4月下旬−5月上旬にかけて白馬山への縦走路沿いに見られる。
 動物:両生類
・ハコネサンショウウオ(幼生)※
 日本にすんでいるサンショウウオで、ただ1種肺を持たないサンショウウォ目の仲間。尾の長さが体長の半分以上あるのが特徴。
 タゴガエル※
 伏流水の湧き出る場所などに産卵する。ふ化したオタマジャクシは、餌を食べないで蓄えられた卵黄の栄養のみで成長し、変態します。
 鳥類
・アカショウビン※
 くちぱしが大きく鮮やかな赤色をしています。
・アカゲラ
 「ケツ」と一声づつ区切って鳴きます。
 昆虫類
・フジミドリシジミ※
 幼虫はプナの葉のみを良べるブナ林固有の蝶です。
・ウスイロヒョウモンモドキ※
 幼虫は、カノコソウやオミナエシを食べ成長します。生息地は限られ、絶滅の危惧に瀕しています。
 
 斜面上部に生育するブナは樹齢130年で、大きいものは幹周り3m、樹高30mになります。
 
 毛無山のブナ林は、「水源の森百選」(平成7年7月林野庁)、毛無山のブナとカタクリの花は「かおり風景森百選」(平成13年10月環境省)に選ぱれています
 

*3)毛無山−朝鍋鷲ケ山登山道
 ここから先は大山隠岐国立公園及び毛無山鳥獣保護区の「特別保護地区」に指定されており、許可なく動植物を採取捕獲又は、損傷することは、法律で禁止されています。また、野生動植物の捕獲、盗堀防止などのため所持品の点検などにご協力をお願いすることもあります。
違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑に処せられます。

登山者へのお願い!
・トイレは必ず入山前に済ませて下さい。  ゛
・入山届けを行って下さい。
・マウンテンバイクの乗り入れはしないで下さい。
・焚き火など火気は使用しないで下さい。
・自分のゴミは自分で持ち帰って下さい。
・歩きながらのくわえタバコや投げ捨ては行わないで下さい。
・登山道以外の山や川には立ち入らないで下さい。
・ペットを連れての登山はしないで下さい。
★4合目からは携帯電話が使用出来ます。

四季の花々
3−5月 マンサク・キクザキイチゲ・タムシバ・トキワイカリソウ・ダイセンキスミレ・ヤマシャクヤク・カタクリ・ササユリ
6−8月 アカモノ・ツクバネソウ・ユキザサ・ナツツバキ・ホソバヤマハハコ・オオバギボウシ・サラシナショウマ・ホソバシュロソウ・マルバタケブキ
9−10月 ホツツジ・マツムシソウ・オタカラコウ・ウメバチソウ・ヤマラッキョウ・ツルニンジン

今ある自然を大切に!残して良いのは足跡だけ!とって良いのは写真だけ!
お互いマナーを守って楽しい登山をしましょう。
環境省・岡山県
 

*4)毛無山の自然を大切に 岡山県:<2024/4/15撤去されていた>
 毛無山は県下でも最大規模のプナ林を中心とする珍しい林相、植生がみられ、また貴重な動物の生息地ですので1994年3月に岡山県有地として保護することにしました。この優れた自然をいつまでも大切に伝えていくため動植物の採取はすべて禁止されています。
 また火災の防止はもとより、ゴミは持ち帰ってくださいますようご協力お願いします。(問合せ先 岡山県 新庄村)
 

*5)毛無山
 毛無山(1218m)は、1300年昔、修験者の役行者小角によって開かれたとされている。
 霊峰の戴には役行者神変大菩薩を祭り、後山と並ぶ修験道の行場として女人禁制の山岳信仰の聖地であったが、戦後より自由に参拝している。
 
 
*6)毛無山は22世紀に残す自然の博物館
毛無山自然保存林利用にあたっての心得
毛無山の貴重な自然を守るため、次のことに気をつけましょう。
・登山道・散策路以外の山や川には立ち入らない。
・野生動植物の採取禁止。傷つけたり持ち帰ったりしない。
・案内板や標識は大切に。
・たき火など、火の使用禁止。
・ペットを連れての立入禁止。
・トイレは山の家のトイレを使用する。
・ゴミ一切持ち帰り。
・ラジオなど大きな物音を立てない。
今ある自然を大切に。残してよいのは足跡だけ、とってよいのは写真だけ。
岡山県
 

*7)毛無山(ケナシガセン)
 標高1218mで、中国山地の主峰の一つである。
 登山道に沿って約150種の植物が見られ、頂上付近には、アカモノ、ダイセンヤナギ、イワカガミなど高山性植物があり9合目までは、ブナの原生林で天然スギも多い。     
 頂上からは、大山や日本海が望め中国連山や兵庫県から四国にかけての雄大な眺望は、中国地方屈指の景観である。
 山頂まで約1時間、毛無山から朝鍋鷲ケ山にかけて、縦走できる、(約5時間) 新庄村
 

*8)毛無山−朝鍋鷲ケ山縦走案内
毛無山−朝鍋鷲ケ山縦走時間
毛無山−40分→白馬山−140分→金ケ谷山−40分→朝鍋鷲ケ山−40分→登山口

貴重な自然を守るため、次のことに気をつけましょう。
・登山道・散策路以外の山や川には立ち入らない。
・野生動植物の採取禁止。
・火の使用禁止。
・ゴミ一切持ち帰り。
・案内板や標識は大切に。
 

*9)カタクリ
 ユリ科 カタクリ属
 落葉樹の下に生息する多年草。
 寿命は長く、7−8年の栄養成長期を経て15−20年の間、開花結実を繰り返す。
 花の見頃は4月下旬−5月上旬で、紅紫色の花を咲かせ長さ5−6cmで反り返るのが特徴。
 地下茎には澱粉を貯え、片栗粉の原料になることでも知られる。
●柵の中には入らないで下さい。
●株・種の採取は禁じられています。
 

*10)大山隠岐国立公園(田浪園地)総合案内板
〇利用者の方々へお願い
・たき火など火気は使用しないで下さい。
・歩きながらくわえタバコや投げ捨ては行わないで下さい。
・自分のゴミは自分で持ち帰って下さい。
・登山途中にはトイレがないので、必ず入山の前に済ませて下さい。
・登山をされる方は山の家に設置しているポストに入山届を出して下さい。
・登山道以外の山や川には立ち入らないで下さい。
・ペットを連れての登山はしないで下さい。
・登山道には私有地もあります。
毛無山は、大山隠岐国立公園及び毛無山鳥獣保護区の「特別保護区」に指定されており、許可なく動植物を採取捕獲又は損傷することは、法律で禁止されています。



アプローチ
 まだ暗い時間に倉敷を出発 車載温度15℃ 吉備路429を走り180を横断して県道271(工事個所をバイパスして)を経由 足守の手前で再度429に合流 足守 加茂川と抜けて行く 加茂川道の駅で小休憩車載温度10℃ 小森温泉 旭川ダムと抜けて行く ダムは相変わらず水位を上げている 旭町から県道30へと左折し、旭川に沿って落合へ 落合入口の温度14(車載温度10)℃を見て313に乗る 久世で旭川(久世大橋)を渡って181と合流し勝山へ 勝山大橋を渡ってすぐの三叉路で313と別れ 181を直進する 新庄川に沿って美甘 新庄と走って行く 勝山10℃ 美甘10℃ 新庄10℃を確認 新庄の凱旋桜がまだ咲いているようだ 道の駅を過ぎて 毛無山登山口の案内に従い県道58へ右折 毛無山登山口の標識を左折し登山口へ向かう 駐車場はどなたもいない 車載温度12℃