つ る ぎ だ け  と ざ ん
平成22年9月4日
     〜9月7日
剱 岳 登 山 剱 岳 2998.6m
(富山県:立山町・上市町)


Map



工  程
1日目   9月4日 (土)

自宅〜倉敷IC〜山陽道〜中国道〜名神道〜米原JCT〜北陸道〜富山IC〜立山ケーブル駐車場
                                                     (車中泊)

2日目   9月5日 (日)

立山ケーブル駐車場〜立山ケーブル〜美女平〜高原バス〜室堂〜雷鳥平キャンプ場 〜別山乗越〜剱沢キャンプ場
                                          (テント泊) 剱沢野営管理所 (テント泊 500円)


3日目   9月6日 (月) (別山尾根ルート)

剱沢キャンプ場〜剣山荘〜一服剱〜前剱〜剱岳〜前剱〜一服剱〜剣山荘(昼食)〜剱沢キャンプ場
                                                     (テント泊) 剱澤小屋 (買出し)

4日目   9月7日(火)

剱沢キャンプ場〜別山乗越〜雷鳥平キャンプ場〜室堂〜高原バス〜美女平〜立山ケーブル〜立山ケーブル駐車場
                                 (車中泊) グリンビュー立山 (温泉入浴:600円)


5日目   9月8日(水) (白山登山に向けて移動)

以前から計画を立て、車にルーフキャリアを付け荷物を載せ、車内にアウトドアー用のマットを敷き、寝袋や炊事道具や食料(お酒も)着替え揃え、着々と準備をして来た「剱岳」登山が会社から沢山の休暇を戴き決行の時が来た。

屋根に荷物を乗せて走る 高速道を走り富山市内に到着 人もまばらな「立山ケーブル駅」
早朝(5時前)倉敷を出発し、山陽自動車道から中国道、名神道、北陸道と高速道路を休憩しながら走り、13時30分富山市内に到着した。富山から県道43号から6号を経由し、14時過ぎ560kmを走り、季節外れで人もまばらな「立山ケーブル駅」に到着する。土曜日出発なので高速道路休日ETC割引を利用し2,100円で走る事が出来た。
立山ケーブル駐車場で車中泊 立山ケーブルで美女平へ登る 室堂(みくりが池温泉)に到着
アルペンルート富山側の「立山ケーブル駅」周辺には無料駐車場が沢山有るが、トイレ(24時間OK)に近い場所を選び車を止める。駐車場は満車の状態で「車中泊」に良い場所を探していると帰り支度をしている人が居るので声を掛けてみると、バッテリィー揚がりで困っている「気ままな山登り」さんと出合、少し助勢したがエンジンは掛からなかった。(JAFが1時間後に来た)持参したビールを戴き、夕食を食べ早々に眠りに付く。

一夜明け、立山ケーブルの始発便(6時40分発)の切符購入の列に並び、室堂往復切符(4,100円:5日間有効)を購入しケーブルカーで「美女平」に登り、美女平から「高原バス」(10kg以上の手荷物は片道300円必要)に乗車し約1時間で8時「室堂」(2,450m)に到着した。
雷鳥荘から別山乗越を望む 大きな荷物を担いで 「難行苦行」 剱御前小屋(別山乗越)に登る
「室堂ターミナル」で登山届けを出し、多くの観光客と登山者の中を「みくりが池」に向けて歩き始める。「みくりが池温泉」「地獄谷」を眺めながら休憩を取り「雷鳥荘」から「雷鳥平テント場」を抜け、別山ルートを「別山乗越」に向け急坂をテント食料等約20kgのリュックを担ぎ登り始める。晴れた青空の抜けるように澄み切った空気の中、周囲の山々を眺めながら約2時間で「別山乗越」の「剱御前小屋」に到着しビール(350ml:500円)を飲みながら休憩を取り、昼食にカレーライス(800円)を戴く。
剱沢テント場に到着 (設営場所を探す) 剱岳の勇壮な景色に浸る マイ・ハウスを設営しティータイム
剱御前小屋から40分下り「剱沢テント場」に13時に到着し野営管理所で手続き(一人1泊:500円)を済ませ「水場」「トイレ」(チップ制)に近い剱岳を正面に眺められる場所を選びマイ・ハウスを建てる。夕暮れまで刻々と遷り行く剱岳の山と雲と空をまるでハイビジョン放送の映像を特大スクリーンで眺める様な、今、自分がその場に居るのが不思議な様な気持ちを感じながら、何もしないで唯景色を眺めるだけの時を過ごし、「剱沢小屋」まで降りて買って来たビールを「雪渓」の残雪で冷やし美味しく戴く。
剱沢に残る雪渓 剣山荘から「剱岳」に向かう クサリ場が始まる (1番)
夜中に目が覚め、空を仰ぐと天井のスクリーンには満天の宝石を散りばめた様な星空が広がり寝ぼけた気分の中しばらく眺め、「剱岳」アタックの天候を思い浮かべ又床に就く。

一夜明け、昨夜準備したアタック装備を背負い5時30分テント場を出発、剱沢に残る雪渓を渡り6時「剣山荘」に到着し休憩を取った後、「剱岳」に向かう。歩き始めて10分位で一番のくさり場に付き、ここから「くさり」を使った岩登りが始まる。
「ホシガラス」 が飛来する 前剱」から剱沢を見る 「前剱山頂」 (2,813m)
「剣山荘」から浮石の多い急斜面を40分登り「一服剱」に到着、次第に高度が上がり周りの山々が低く感じられる様を眺めながら休憩をとる。「一服剱」から少し下り、「武蔵谷のコル」(コルとは・・・山頂と山頂を結ぶ稜線上で最も標高が低くなっている場所の事=鞍部(あんぶ)とも言う)から少し登った「ハイマツ」の林の上を松の実を集める「ホシガラス」が度々飛来する様子を立ち止まり乍眺め、見上げる先の巨大な岩の塊「前剱」(2,813m)を目指し更に登る。

7時40分(剣山荘から1時間40分)で「前剱」まで登り、剱沢方向を振返って見ると、遥か彼方に大きなお椀の様な窪みの「剱沢カール」(カール:氷河の浸食作用によって出来た広い椀状の谷)が見渡せ、色鮮やかなテントがマッチ棒の頭より更に小さく見える。
クサリ場(5番)を渡るギャル (ちひさん) 「平蔵の頭」からカニのタエバイを見る 「カニのタテバイ」 下 (クリック→拡大)
「前剱」から少し登り5番のクサリ場を渡る(テント場で親しく成った立山在住の「桜木千尋」さん)の勇姿に元気付けられクサリを伝いながら「カニのタテバイ」下まで登る。カニのタテバイでは、登山ガイドにリードされザイル&ハーネス(スリング・ダブルカラビナ)装備の年配の集団が一歩いっぽ時間を掛けて登っており、渋滞が解消されるまで壁の下で休憩しながら「クサリ」が空くまで待つ。
カニのタテバイ (登りのルート) 丈夫なクサリを使い三点支持 三等三角点 「剱岳」 標石にタッチ
「カニのタテバイ」を雑誌の写真等で見て、その険しさから普段仕事の関係で高所に登る事も有り一段の緊張感が増す思いを想像していたが丈夫なクサリを足場となる岩棚に張り巡らして有り、心配する事無く登る事が出来た。(悪天候等で岩やクサリが濡れた時は注意が必要)カニのタテバイの上で携帯電話を取り出し、通信状況を見るとアンテナが3本立っており、剱岳登山を心配してくれた山登り仲間と無事登山中を交信し9時20分(剣山荘から3時間20分)念願の「剱岳山頂」に立つ事が出来た。
平成20年に新しくなった祠で記念撮影 剱岳山頂」から剱沢を見る 「アミノバリュー」を手に大塚製薬の社員
山頂では新しく成った祠をバックに登山者が代わる代わる交代で登頂記念の写真に納まっているので仲間に入れて戴き記念の一枚を残す事が出来た。次から次に登山者が登って来た中に、テント場で知り合った「桜木千尋」さんと友人の「吉田竜弥」くんやポカリスエット&アミノバリューカラーのティーシャツ(背中に大きなロゴ入り)を着込んだ「大塚製薬」の若者が手に自社製品(ポカリスエット&アミノバリュー)を持って写真に納まっていた。(中央=ちひさん)
カニのヨコバイ (下山のルート) 横割れの岩に足を掛けクサリをつかみ渡る 平蔵の頭(下山のルート)を登る
頂上で1時間位、周りの景色を眺めながら簡単な食事を食べ写真を撮り「剱岳」山頂から見る雄大な自然を目に焼きつけ下山を開始する。下山最初のクサリ場で有名な「カニのヨコバイ」を慎重に渡り、下の梯子で下山渋滞(年配のザイルを使ったガイド付きパーティー)を待ち、簡易トイレ(屋根と囲いがあるだけ)有る登りの合流点まで降りる。10時50分「平蔵の頭」を越え、前剱を通過、一服剱まで下山すると山頂方向は深いガスに覆われ雲の中となっていた。
剣山荘上から剱沢(白い帯は雪渓) 無事 剱沢テント場に帰る 悪天候の為 計画を変更し「室堂」に下山
剣山荘に12時30分下山し無事登頂を祝し「美味しい生ビール」(800円)で乾杯し、持参した「マルタイの棒ラーメン」(登山の常備食)を炊き昼食を取る。記念に剱岳のピンバッチを購入し13時30分剱沢のテント場に戻り、次々とガスが流れ行く剱岳山頂を岩の上で只呆然と眺め時を過ごす。

何もする事も無く、テント場の周囲をぶらぶら散歩した後、夕食を食べ(西尾食品のフリーズドライの赤飯にマルコメ味噌のフリーズドライの味噌汁)夕暮れと共に明日の立山縦走を夢にみて床に就く。夜半テントを揺るがす猛烈な突風と風の音で目を覚まし、外に出てロープを3度も張り直し(外に出て居る間にテントが50cm位動く)恐怖さえ感じる様な夜を朝が来るのをひたすら待って5時から突風の吹く中をテントをたたむ。昨日の天気予報では台風9号が日本海(対馬海峡付近)を北上中との事であり、この影響で猛烈な風が吹いたものだ。テント場から見る「別山」はガスに覆われとても縦走を楽しめる気配は無いので縦走を諦め「剱御前小屋」に向けて登る。

「剱御前小屋」から「別山」を見上げ縦走を検討するがとてもガスは晴れそうにないので「室堂」に下山する事に決定し「雷鳥平キャンプ場」で遅い朝食(朝方お湯で作った「山菜おこわ」)を食べ「室堂ターミナル」向け急坂を登り、9時「室堂ターミナル」に到着する。

「室堂」で立山登山(雄山)を考えるが依然としてガスは晴れそうに無いので立ち食いの「立山そば」を食べ「高原バス」で美女平に降りケーブルカーで「立山ケーブル駅」に下山した。

出発時の計画では、もう一日「剱沢」でキャンプをする予定で有ったが、計画を変更した為、次に目指す「白山」登山まで天候回復を待つ時間潰しに、「立山駅」で車中泊する事にした。

  「白山登山」に続く