草の根ハシラ

過去の雑草モノローグ

2002年7月

この月の最初のモノローグへ


2002年8月のモノローグへ

2002年6月のモノローグへ

7.22.mon 

 「マツダ復活の道」というドキュメンタリーを観た。マツダとはもちろん自動車メーカーのマツダだ。バブル崩壊後に経営が破綻し、フォードの傘下に入ったマツダが黒字転換を果たすまでの6年間を追ったドキュメンタリーなのだけど、実際の内容は「ロータリーエンジン復活の道」と呼べるものだった。
 思いがけずテレビに映し出されたこのドキュメンタリーに、眠りかけていたぼくの目はブラウン管に釘づけとなり、番組が終了する頃には激しく感動していた。日曜の深夜(正しくは月曜の午前0時24分〜午前1時25分)に、ぼくはテレビの前で感動にうち震えていたのだ。
 熱い! なんて熱いんだ! 熱すぎるよあなたたち!
 マツダの没落と再生の過程で、ロータリーエンジンが存続の危機にあったのは知っていた。それがRX-7の事実上の後継車、RX-8のユニットとして搭載されるのも知っていた。しかしその背後に、かくも熱きドラマがあったとは知らなかった。
 消滅寸前だったロータリーエンジンの再生に全身全霊を投げうった、マツダの技術者集団。その苦難に満ちた道のりを追ったこの番組、内容的はプロジェクトXそのもので、ナレーションや構成もそれを意識した作りではあった。番組終了間際、おだやかなフィナーレを迎える頃には「ヘッドラ〜イト テ〜ルラ〜イト」というフレーズが自然と脳裏をよぎったものだ。しかしそんなことよりも、ぼくはブラウン管に映し出される男たちの生き様に、熱く激しく胸を打たれてしまったのだ。
 多くの困難に立ち向かい、不可能とも思える目標に向かい、我を忘れて打ち込む日々。その先に待っていたのは全身を満たす充足感と、大きな足跡。「なにかを成し遂げた」という達成感を胸に、彼らはきっと誇り高き人になれたのだなと思うと、なにやらとてもうらやましく感じられてきた。「うー、おれもなにかを成し遂げたいぞ!」と真夜中にひとりジタバタあがきつつ、大きなパワーをその番組からもらったような気がした。ありがとう、広島ホームテレビ。
 ご覧になっていない方のために、番組のあらすじを書いてみました。あくまでダイジェストではありますが、男たちの熱いドラマの片鱗を感じとっていただければ幸いです。


 1996年──。フォード傘下に入ったマツダは、破綻した経営と組織の再生に乗り出していた。1980年代後期から90年代初頭、いわゆるバブル経済期において、マツダはユーノス、アンフィニ、オートザム、オートラマと販売ブランドをいくつも立ち上げ、車種を大幅に拡大するなど、まさにバブルの波頭で浮き足立っていた。そのツケはあまりに大きく、車種縮小、工場閉鎖、人員削減、コスト見直しなど課題は山積していた。
 そんななか、マツダの技術の象徴であるロータリーエンジンもまた、吹き荒れるリストラに風前の灯火だった。
 太平洋戦争後、焼け野原の広島で小さな三輪車メーカーとして再出発したマツダ。その発展の糧となったのは、ロータリーエンジンだった(この経緯はNHKのプロジェクトX「ロータリー四十七士」で紹介された)。一時期はマツダの象徴であった“夢のエンジン”ロータリー。しかし開発の難しさ、大衆車への普及の遅れなど諸問題を解決できないまま時は過ぎ、搭載車は次々と姿を消し、いまではスポーツカーRX-7に搭載されるのみとなってしまった。そこへ下された「次期RX-7の開発はない」という首脳陣の決定。「現在のマツダはスポーツカーという限定された市場に力を入れるべきではない」との考えからだった。
 RX-7の消滅。それはすなわちロータリーエンジンの消滅をも意味していた。「ロータリーエンジンはマツダの魂。絶対に消してはいけない」と考えたマツダ/ロータリーエンジン実験棟の技術者たちは、ある試作車をガレージの片隅で秘かに造りはじめた。予算はない。会社からの支援もない。ベース車は、スクラップ寸前だったロードスターだった。本来積まれていたレシプロエンジンは降ろされ、代わりに搭載されたのは研究途上の次期ロータリーエンジンだった。

 幾度かの試験走行の結果、ひとつの手応えを感じた技術者たちは、試作車をマツダのテストコースに持ち込んだ。市販予定の試作車たちが次々とテスト走行をおこなったその最後に、ロータリー試作車はひっそりとコースインした。ガムテープやパテでなんとか形だけ保ったオンボロのロードスター。唯一にして最後のチャンス。ここで結果が出なければ、ロータリーエンジンの未来は消える。
 試作車の運転席に収まったのは、かつてレーシングドライバーであり、当時マツダの商品開発部門で本部長を務めていたマーティン・リーチ氏。三次のテストコースで、マーティン・リーチ氏はロータリーエンジンを積んだロードスターをドライブした。気に入らなければ1周で車を降りてしまうマーティン・リーチ氏が、3周走った。手応えはあった。ロータリーエンジンは、かろうじてその命をつないだ。

 しかし依然として未来は闇の中だった。すでに経営権と商品計画決定権をフォードに譲渡したマツダ。フォードの重鎮たちの頭に、ロータリーエンジンを搭載する新しい市販車の計画はなかった。ロータリーエンジンを積んだ市販車を世に出すためには、首脳陣にロータリーエンジンの存在意義を認めさせなくてはいけない。
 ロータリーエンジンはレシプロエンジンに比べ軽量小型でハイパワーを得られるという利点がある一方、燃費が極端に悪いという致命的欠点を抱えていた。この欠点を克服しなければ、とてもではないが首脳陣を納得させることはできなかった。
 目標は決まった。技術者たちの、プライドをかけての研究開発がはじまった。
 しかし情熱とはうらはらに、開発は遅々として進まなかった。燃費を向上させるきっかけすら見つけられずにいた。会社が提示したタイムリミットまで1週間。もはや道は閉ざされたも同然だった。
 そんなとき、試験後にエンジンを洗浄していたメカニックが、ふとしたアイディアを思いつく。チーム全員がそのアイディアを推した。チームは広島県北の小さな工場へ飛んだ。ロータリーエンジン開発の部品請負をする町工場だった。
「この部品を造ってくれ。納期は20時間後。遅れるとテストに間に合わない。ロータリーは死滅する」
 図面すらない。手渡されたのは、ノートの端に殴り書きされたメモとイラスト図。与えられた時間もほとんどない。普通に考えれば無理な注文だった。しかし工場長もまた、誇り高き技術屋だった。
 部品は納期通りに完成した。さっそくエンジンに組み込まれた。チーム全員が見守るなか、試作ロータリーエンジンに火が入った。思わず歓声が上がった。燃焼効率が一気に40%も向上した。新生ロータリーエンジン誕生の瞬間だった。

 しかし壁はまだ残っていた。生まれ変わったロータリーエンジンに対して、首脳陣は依然として懐疑的だった。次期市販車を討議、決定する年に一度の会議。ロータリーエンジン搭載車のプランは却下された。ロータリーエンジンが生き残る道は、再び閉ざされた。
 そのとき、ひとりの男が動いた。数年前、三次のテストコースでオンボロの試作車を試乗したマーティン・リーチ氏だった。リーチ氏は、いまや欧州フォード社長という地位にあった。見すぼらしいが、すばらしいパフォーマンスをもったあの試作車に、リーチ氏はロータリーエンジンの未来を見いだしていた。さっそくヨーロッパのフォード首脳陣のもとへ飛ぶリーチ氏。策はなかった。しかしやるべきことは理解していた。ヨーロッパからアメリカへ飛行機で移動中の首脳陣に張りつき、リーチ氏は説得を試みた。飛行機がアメリカの地に降り立つ直前、両者は固く握手を交わしていた。
 すでにレシプロエンジン搭載で開発がスタートしていた新型車の企画開発室に、上層部から計画変更の連絡が入った。
「この車のエンジンはロータリーでやってくれ」
 寝耳に水の知らせに誰もが半信半疑だった。マツダ全社に社内メールが飛び交った。件名は「ロータリー復活」。

 それから数年──。
 2001年秋、東京モーターショーのマツダブースで、一台の車を覆っていたベールが観衆の眼前で取り払われた。現れたのは黄色いスポーツカーだった。「RX-8」と名づけられていた。
 壇上にのぼったマツダ社長は、誇らしげに語った。
「ようやくみなさんにお見せすることができました。我々はこの車の市販を決定しました。ロータリーエンジンはマツダの遺産です。と同時に、マツダの未来そのものでもあるのです」
 一度はロータリーエンジンを見限った首脳陣の口から発せられたこの言葉を、技術者たちはどんな思いで聞いたのか。

 うららかな春の陽気につつまれた三次のテストコース。6年前、オンボロのロードスター改試作車が走ったコースだ。あの時、リーチ氏が操る試作車を固唾をのんで見守っていた技術者たちが、いままたここにいた。
 森の中からロータリー独特の甲高いエグゾーストノートが近づいてくる。黄色いRX-8の姿が視界に飛び込み、風のように走り抜けた。それを見送る技術者たちの顔には、あたたかな笑みがあった。



※ロータリーエンジンとマツダ
 燃料爆発によるピストンの上下運動を回転運動に変換するレシプロエンジンに対し、まゆ型の燃焼室内でおむすび型のロータリーを燃料爆発により回転させて回転運動を発生させるエンジン。アイディア自体は19世紀末に登場。その後1959年、西ドイツ(当時)のフェリックス・バンケル博士によって、俗にいうバンケル型ロータリーエンジンの試作、作動に成功。小型軽量ながら高出力を発するロータリーエンジンは、内燃機関の新たなる希望として注目される。さっそく世界中の自動車メーカーが技術提携を申し出たが、開発の困難さ、実用性の低さ、数々の構造的欠点など諸問題が噴出し、メーカーは開発から次々と手を引いていった。
 最後に残ったのは極東の小規模メーカー、東洋工業(現マツダ)。マツダはロータリーエンジンの開発に社運を賭け、その高い技術力と執念によりロータリーエンジンの改善と実用化に挑戦。市販車に次々と搭載し、世界で唯一のロータリーエンジン開発/生産/実用化メーカーとなる。1991年にはロータリーエンジン搭載車で、ル・マン24時間耐久レース優勝の栄光に輝く。
 ロータリーエンジンはいまだ未成熟で、数々の課題を抱えている。2002年現在、ロータリーエンジンはマツダRX-7に搭載されるのみだが、2003年春に発売されるRX-8への搭載が正式に決定している。


7.20.sat 

 今日が海の日で祭日であることを思い出したのはつい昨日。「チャーンス」とばかりに超特急でvol.09を仕上げた。この日を逃すと更新がだいぶ先になっちゃうし。しかし休みの日はいつもそうであるように、今日も目が覚めると昼過ぎ……。いや、午後3時だから正しくは夕方前だ。14時間も寝てしまった……。なんか時間の無駄使いしてるような気がするなあ。

 「ロボット開発の行く末」みたいな番組をテレビで観る。いま現在のロボット開発は、人間型のヒューマノイドと機能に特化して人間形状にこだわらないメカノイドという2つの流れがあるという。現場への早期導入という現実を重視すれば、やっぱりメカノイド志向が優先されるんだろうけど、人はいつの時代も人間型ロボットへの夢を抱いているもの。ヒューマノイド型の開発もまた並行して進んでいくんだろう。そしてまた、人類が描く究極のロボット像もまた、限りなく人間に近いヒューマノイドなんだと思う。このままいけばいつか人間そっくりのロボットは実現するかもしれない。でも、ただの鉄と油の塊である車にさえ愛情に近い感情を抱いてしまう人間は、人間そっくりの姿のロボットにもきっと愛情を抱いてしまうはず。死んだ息子に似せたロボット/アトムを造り、それを愛しつつも最後は捨ててしまう天馬博士。本当の息子が生き返ったからといって、子ども代わりに一緒に暮らしていたデイビットを森に捨てる母モニカ(映画『A.I.』)。こんな悲劇もまた現実になってしまう時代がくるんだろうか。ロボットに感情と心(たとえそれが0と1のデジタルで算出される擬似であっても)まで与えようと躍起になっているいまのヒューマノイド開発に、そんな不安をちょっと抱いてしまった。


7.19.fri 

 先日、新型ミニ(クーパーモデル)にやっと乗ることができた。以前何度か運転したことがある先代ミニの感覚を思い出しながら、エンジンからシャシーまで何もかもが刷新された新型ミニが、さてどんな車になっているのか興味津々の試乗だった。
 結論からいうと「新型ミニはやっぱりミニだけど、やっぱりミニではない」。「どないやねん」なコメントだけど、実際そう感じたのだ。
 メカニカル的に先代から引き継いだ箇所はほとんどない新型ミニ。だけど運転しながら「あー、これはやっぱりミニなんだなあ」と思う点がいくつか見つかった。
 天地の幅が狭いフロントウィンドウからの眺め、ダッシュの中央に壁掛け時計みたいにドデーンと埋め込まれたセンターメーター(スピードメーター)、わだちや段差でヒョコヒョコと跳ねる足回り、尻の下から伝わる“軽い重低音”のエグゾーストノート──そういった細かいディテールには先代ミニとのリンクが残っているように感じれらたのだ。
 ただし先代とのリンクはこの程度のもの。だいたい想像はついてたけど、先代との相違点のほうが数としては圧倒的に多い。普通の角度でダッシュから生えるステアリング、コクコクと手首の返しだけで決まりそうなシフトノブ、アクセルの踏みはじめから「フォォォーン」と軽く吹け上がるエンジン、軽い踏力でギュッと効きはじめるブレーキ、タックインをほとんど感じさせない旋回性……少なくともエンジンやミッション、駆動系関連から受けるフィーリングは先代ミニとはまったく異なっていて、むしろ初代ユーノス・ロードスター(1,600cc)と似た感覚を覚えた。もちろん拡大したボディは、先代ミニとは全く異なる乗車感覚をもたらしていて、わりとどっしりしているのも大きな違いだ。
 インテリアは「これがミニ!?」的に豪華。分厚いドアを「バムン」と閉めれば、その中は適度に狭くて適度に広い。ドア上端に肱をかけて乗る姿勢がちょっとキツいほどゆとりがある。オート/マニュアルが選べるエアコンはすんごくよく効くし、エアコンをオンにしてもエンジンパワーがガクーンと落ちることはない。もちろんパワステ/パワーウィンドウ/電動ドアミラー装備。窓を閉めればラジオがボリュームを絞っても十分聞こえる。革をまじえてトリムされ、合間をツヤのあるメタリック風素材で繋いだ室内は近未来的造形にあふれている。運転席と助手席前はもちろん、両Aピラーと左右のシート表地(!)にも「SRS AIR BAG」の表記。
 こいつは確かに「21世紀を生きるべく生まれた車」なんだと思い知った。先代ミニへのオマージュは見られても、決して懐古趣味じゃない。さっきふれたメカニカル系の相違点もそうだけど、「未来を生きる」という意味で新型ミニは、これまでの過去をばっさりと切り捨てている。ミニはエンスーな車のアイドルではあるけれど、それ以前に「自動車」という工業製品。そんな合理的な精神と、それでもなお新しいミニワールドを築こうとする精神(エクステリアやインテリア)が融合した車。両者のバランスはけっこう危うく、とくにミニという車に対して思い入れが強い人にはなかなか受け入れられないかもしれない、とも感じた。

 ……とまあ、自動車評論家のコラム的に書けばこんな感じの新型ミニ。ぶっちゃけた話、ぼく自身はわりと気に入りました。試乗する以前から、「これはこれで“あり”」と考えていたけど、いざ乗ってみてもその考えはおんなじで、とてもよくできた車だと思った次第です。ミニは好きだけど、特別な思い入れはないし、なにかのはずみでミジェットのセカンドカーになったら、それはそれでけっこう楽しいんじゃないか、なんてことも考えたりした。あ、普通はミニがファーストでミジェットがセカンドになるのか、この場合は。
 さらにいえば、カブリオレ仕様が出てくれないかなあとも思う。正規ディーラーの営業マンをもってして「この車は雨漏りがひどいですから、あまりおすすめできません」とまで言わせた先代ミニのカブリオレ。いまの技術でやってくれたら、かなりいい感じのほのぼのオープンができると思うんだけど。

 新聞の映画欄にあった『スターウォーズ・エピソード2』の紹介文、なかにこんな一節が。
「青年アナキンと師匠オビ=ワン・ケノービの
美形コンビが銀河共和国の──」
 スターウォーズの解説文に「美形」などという単語が使われているのを、ぼくは初めて見た。しかも「美形」って、微妙に死語だ。


7.18.thu 

 世の中には段取り上手な人と段取り下手な人がいる。ぼくはまちがいなく後者でマイペースな人間であることは、このサイトの更新状況をみても明らかだ。とはいいつつ、おおかたの仕事がそうであるように、ぼくの仕事も「段取りよく」が求められている。根本的にマイペースな人間がなんとか段取りをつけようと四苦八苦し、どうにか仕事は回っているわけだけど、ここにきてまたそろそろテンパッてきた。どうやらお盆まではバタバタしそうな気配。エンスー日記vol.09の作成もマイペースでやってきたもんだから、いまだにダラダラと書き続けている始末。はてさて、いったいいつ公開できるやら……。エンスー日記以外にひそかに書きだめしてきた小ネタも、テキストはおおかたできてるのにページ組みは手つかずのままで公開のメド立たず。発売日にまにあうよう小説や曲を創っている作家やミュージシャンは、やっぱりプロフェッショナルなのだなあとあらためて感心してしまう。

 夏のボーナスが出た。ふぃー、これでミジェットの修理代が捻出できる……。額はともかく、このご時世に支給されただけでも感謝しないと。ところでボーナスの使い道、人それぞれである。ぼくより2つほど年下の後輩は「ボーナスで健康食品を買うぞ!」と息巻いている。働き者の彼はいつも残業残業また残業の毎日で少々疲れ気味なうえ、うれしはずかしの新婚さん。ふだんからドリンク剤一気飲みして「フー……」などとタメ息ついてるぐらいだから、ボーナスで健康食品というのも納得できる。しかし健康志向もほどほどにしないと。ふだんから「なんか眼が血走ってるなー」と心配してたら、とうとう仕事中に鼻血がタラーリ。
「いや、これぐらいがちょうどいいんス、ハハハハハ!」
 彼は笑い飛ばして今日もドリンク一気飲み。なにがそこまで君を駆り立てる!? 

 ついさっき「健康志向」と書きながら「はて『志向』と『指向』の違いはなんだ?」とキーボードを打つ手が止まった。ちょっと前に書いた「おざなり」と「なおざり」の違いのようなもんで、使い分けがいまいちよくわかってなかったのだ。こういうときは辞書を開くべし。
【志向】=主観的に意識が何か目標に向かっていること。
【指向】=客観的に何らかの決まった性質・方向を指し示していること。
 えーっと……。
 つまり血走り眼でドリンク一気飲みの彼は「健康志向」ってことでいいのかなあ……? 日本語って難しいやーね。

 『体外受精のミスで白人の夫婦に白人と黒人の双子誕生』というニュースがちょっと前に流れた。精子か受精卵かを取り違えた可能性大だという。夫ではない、見知らぬ男性か女性の遺伝子を受け継ぐ子が産まれてしまったわけだ。「わたしは2人を等しく愛している」という母親の言葉に少しホッとしつつも、やっぱりなんだか気持ちがすっきりしない。もしぼくがその夫婦の立場なら、受け入れられるかどうか正直なところわからない。ハイテクが生んだ悲劇と、母親の愛。なにはともあれ幸せな家庭を。


7.16.tue 

 なぜミジェットに乗っているのか? なぜ他の車ではなく、ミジェットを選んだのか? もしこう問われたら「そういうタイミングだった」と答えよう。ちょうど9年前、ぼくはミジェットと暮らしはじめたわけだけど、ミジェットを買うまで、正しくは“いま乗っているミジェット”に出会うまで、ぼくはべつにミジェットが好きだったわけじゃなく、欲しいとも思ってなかった。そういう車が存在することすら危うい記憶でしかなく、むしろぼくの心はホンダ・ビートに思いっきり傾いていたわけで、まさか自分が英国生まれの旧式オープンカーに乗ることになろうとは思いもよらない23歳の初夏だったのだ。
 でもぼくはミジェットを買い、ともに走り続けて10年目に突入している。それはあの雨の日の午後、店先のガレージでミジェットに出会った瞬間からはじまった。
 あの日あの時、あの場所でミジェットに出会わなかったらどうなっていただろう。
 そんなことを、ふと考えるときがある。
 ぼくはビートを買い、いまもまだ乗り続けていたかもしれない。途中で手放し、べつの車に乗っていたかもしれない。ビートに乗っているがゆえの、なにか人生を大きく変える出来事に遭遇したかもしれない。このサイトも「草の根ビート日記」になったかもしれない。
 ミジェットに出会うのが早すぎていたら? もっと遅かったら? あるいはあの日雨にうたれていたのがミジェットではなくアルファロメオ1300GTジュニアだったとしたら? もしユーノス・ロードスターをレンタルしなかったら? そう、すべては「?」で終わる仮定の話。その答えもまた「?」であり、いまどうなっていたかを知る術はない。
 あの日あの時あの場所で、つまりあのタイミングでミジェットに出会ったからこそ、いま自分はこうしてミジェットに乗っている。タイミングが少しでもズレていたら、乗っていないかもしれない。そう考えると不思議な感覚をおぼえてしまう。
 生まれてこのかた、ぼくはぼく自身に対して何千、何万、何十万もの決断をくだしてきたはずだ。ほか弁屋でチキンカツにするかハンバーグにするかといったどうでもいいようなことから、大学はどこに進むか、仕事を辞めるかといった人生を大きく左右するようなものまで、数え切れない決断をし、選択をしてきた。その選択の結果、いまの自分がいて、こうしてミジェットに乗っている。どこかの時点で右ではなく左を選んでいたら、もしかしていまは乗っていないかもしれない。運命と決めつけるのは簡単だけど、それだけでは割り切れない“なにか”を感じてしまう今日この頃。その“なにか”がなんであるかを知るのは、たぶんぼくの人生が終わる瞬間。その瞬間まであと数十年あるはずだから、ま、あんまり深く考えず気長につきあっていこうと思う。ミジェットと。

 『スターウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃』を観た。旧3部作とのリンクがいよいよ強くなり、かつてのあの物語を知る者にとっては胸高鳴らずにはいられない作品になっていた。これから観に行く人で旧3部作を観てない人がいるなら、ぜひご覧になってから劇場へ足を運ぶことをおすすめします。知っているのと知らないのとでは、楽しみがおおいに変わるはずです。ひとまず個人的には期待以上の出来映え。詳しい感想はあえて書きません。しかしこれだけは言いたい。
「好きです、ナタリー・ポートマン……」


7.15.mon 

 掲示板にも少し書いたように、ミジェットの調子がまた下り坂。土曜日には主治医がBOSCHのオシロスコープまで導入して6時間もみっちり診断してくれたのだけど、はっきりした原因は結局つかめなかった。どうにも不可思議な症状で、誰もが首をひねるばかり。もちろんぼくに原因がわかるはずもない。しかしどうやらヘッドガスケットが抜けているのは確からしい。近々入院させます、ミジェット。
 旧い車に乗り続けるのはパワーがいる。途中でパワーが尽きて手放す人もいるけど、誰もそれを責めることはできないと思う。リッチメーンで「いや、壊れてもメルセデスがあるからね」なんてセリフを涼しい顔して言える人ならともかく、体力とお金、そしてなにより愛がなければできないことだ。乗ってる自分が「愛」なんて言葉を口にするのはちょっと面映ゆいけど、許すことが愛だとしたら、ぼくはたしかにミジェットを愛しているんだろう。そしてぼく自身もいろんな人に、いろんなことに許されているから、ミジェットに乗り続けていられるのかもしれない。すこし疲れ気味のミジェットと走りながら、そんなことをふと考えてみた。


7.8.mon 

 夜ごと幌を開けて家に帰っている。ネクタイをゆるめ、シャツの袖をまくり、ドアに肘をついて走る。湿り気のある大気は、森や田圃の匂いがする。見上げれば、重くのしかかる雲の切れ間から星がのぞいている。
 雨の季節も悪くない。


7.7.sun 

 天気予報では雨だとか言ってたような気がするけど、目が覚めればカーテンの向こうに青空が……。例によってすでに昼過ぎだったけど、そそくさとミジェットで出撃してみた。修理から戻ってきて以来、快調なようで快調でないベンベン……なミジェット。平日は朝か夜しか乗らないので、さて昼間の調子はどんなもんかと様子見も兼ねてのドライブ。
 いつものワインディングに出かけてみると、やっぱり左旋回でゴボゴボッとグズりはじめる。やっぱりな……と思ったら、何事もなくクリアできる左コーナーもある。以前は100%の確率でグズってたのに……? その足でショップに行って診てもらったところ、ちょっと意外なトラブルが見つかった。まずキャブ。新調したエアクリーナーのパッキンがちょっとゆるめで、キャブのベンチュリーがしっかり固定できてなかったらしい。ミジェットのキャブは進行方向の右側に向かって突き出ているため、左コーナーでは右へのGがかかり、ベンチュリーが外側へ緩み、そのためごく一時的に燃料供給がうまくいかず、結果的にエンジンがグズっていたようだ。右コーナーでは逆にベンチュリーは左へのGで押しつけられて安定しているので症状が出なかった。なるほどと納得してしまう原因。さっそくパッキンをちょこちょこと改善してベンチュリーをしっかり固定。これで左旋回時のグズつきは解消された。絶対フロート関係が怪しいと思ってたのに(主治医も)、まさかエアクリーナーのパッキンのゆるみが原因だったとは……。
 もうひとつ。これは街乗りレベルでもときどき起こってたエンジンのバラつき。左旋回時に起きるグズつきと症状がそっくりだったので関係があると思ってたけど、原因はじつはまったく別のところにあった。それはプラグ。ジェットを交換しようが燃調をセッティングしなおそうが、どうもエンジンが落ち着かないので「こりゃおかしい」と首をひねっていた主治医が、もしやとプラグを点検すると、1番だけが他のプラグと全然違う焼け方をしている。1番だけ他と違うというのがどうにも怪しいので、プラグを全部新品に交換してみたら、あれほど落ち着きがなかったエンジンがすんなり回転するようになったという次第。
 いやー、今回のトラブルはいろいろな意味で勉強になった。症状から単純に「○○が原因だな」と早々に決めつけていては、隠れた真の原因に気づかないままかもしれない。自分だけの素人判断だったら、プラグのトラブルには気がつかなかったろうな。そういえばプラグの点検を長いことしてなかったことも思い出し、あらためてふだんの整備の大切さを思い知らされた。すまんかったのう、ミジェット。


7.6.sat 

 個人的にこれから公開されるのが楽しみな、あるいは興味のある映画ラインナップ。

マイノリティ・レポート
 フィリップ・K・ディック原作、スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演と豪華な面子が揃った話題作。本国ではすでに公開済みで、日本では秋か年末公開予定。舞台は近未来。未来を予知できるマイノリティ(英単語の意味は『少数派』)により、これから起こる犯罪があらかじめ報告され(つまりこれがマイノリティ・レポート)、犯罪者が犯罪をおかす直前に逮捕される社会。ところが……といったストーリー(あんまり書くとネタバラシになるしね)。予告編はもう去年からネットで公開されていたので、ずいぶん前から映像の片鱗だけは目にしていた。ディック原作の映画化はなぜか失敗することが多い、主演がトム・クルーズ、といったあたりで不安な要素も隠せないけど、I.L.M.の映像技術だけでもとりあえず楽しみな1本。しかし毎回思うことだけど、トム・クルーズの笑顔はぜんぜん爽やかじゃない。いつもキレ気味で文句ばっか言ってる役が似合ってるような気がするんだけどなあ(『レインマン』のあの役がハマッてると断言してしまおう)。

サイン
 ちょっと前の雑草モノローグで紹介した、これまたSF。M・ナイト・シャマラン監督、メル・ギブソン主演。畑や草原に一夜のうちに出現するミステリーサークルは“なにか”が“なにか”をする合図……というストーリー(ぜんぜんわかんないっすね)。ま、やっぱり出てくるんでしょう、違う星の人たちが。その後どうやって物語を引っ張るのかが楽しみです。これまた予告編はだいぶ前から公開されてますが、日本公開は今年9月に決まったようです。

ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔
 ついこのまえ公開されたばかりの『ロード・オブ・ザ・リング』第2部。これから毎年1本のペースで公開される予定。つい先日、予告編がインターネットで公開されはじめました。といってもこの春やってた第1部『旅の仲間』でも、5月下旬の上映では最後にこの『The Two Towers』の長ーい予告編をおまけでつけてたから、映像自体は以前から出回っているもの。予告編を観るかぎりでは、いよいよ大河ドラマっぽく盛り上がっていくようです。本国公開は今年12月。日本公開は来年の春かな。

ハリー・ポッターと秘密の部屋
 これまたこの春公開のヒット作パート2。予告編もすでに流れてます。ハリー役の少年の成長が意外に早く、製作陣がアタフタしてるらしい。実際、予告編のハリーの声は前作よりちょっと野太くなっているみたい。最初観たときは「悪い奴が乗り移って声が変わってる」とかいうシチュエーションかと思った。原作通りならこれからまだ3部、4部、5部と続くはずだから、どっかで俳優交替しちゃうんでしょうか。とりあえず『秘密の部屋』は『賢者の石』と同じメンバーでやります。本国公開は今年11月。日本はやっぱり年末ぐらいでしょうね。

タイムマシン

 これまた去年あたりから予告編は公開済み。その予告編の第1弾(ここにあるTeaser Trailer)がやたらかっこよくて、公開を楽しみにしてた作品だ。H・G・ウェルズ原作の時間旅行物の元祖『タイムマシン』を映画化したもの。監督が撮影途中で代わって、なんでもH・G・ウェルズのお孫さんが最終的にメガホンを握ったとか。なんか裏でいろいろあったようです。作品自体はいわゆる時間旅行モノそのもので、舞台は19世紀末から近未来を経て、一気に80万年先の未来まで飛んでいくらしい。主演は『メメント』のガイ・ピアーズ。古典文学の挿し絵をそっくり造り起こしたようなタイムマシンがえらくカッチョいい。日本では7月末から公開。

THE MATRIX RELOADED
 前作公開時から公言されていた『マトリックス』の続編。共演者が飛行機事故で亡くなったりして製作が遅れ気味だったけど、いよいよ予告編が流れはじめた。本編映像をつないだ予告編では例によってキアヌ・リーブスが飛んだり跳ねたりぐるぐる回転したりしてます。前作の予告編と本編を観た多くの人たちが思った「予告編で見せすぎ」。今回はそんなことがないように祈るばかり。でもとりあえず楽しみ。公開は来年。

Reign of Fire
 詳細がまだよくわからない映画。マシュー・マコノヒー(『U-571』主役)が主演しているらしい。舞台は数十年先の近未来。荒廃した都市の上空を我が物顔で飛ぶのは巨大なドラゴン。大きな翼をはためかせ、火を吹いて街を焼きつくす巨大な生物に、人々はなんとか抵抗を試みようとする。ゴーモーション技術で出色の出来映えをみせた『ドラゴンスレイヤー』、CG技術でさらに滑らかさを増した『ドラゴンハート』、大量出現を実現化した『ダンジョン&ドラゴン』。数々のドラゴンもの映画を経て、いよいよ真打ち登場といったところになるんだろうか? 予告編でチラッチラッと映るドラゴンはかなりの出来映え。日本公開日未定。ところでこの映画とうちのMacは相性が悪いのか、予告編を観ようとするとたびたびフリーズしてしまう。なぜに?

THE HULK
 どうも最近アメリカンコミックのヒーローが活気づいてきているようだ。『X-メン』『スパイダーマン』についでの映画化は『超人ハルク』。しかし先の2本に比べて地味な映画になるのでは、という心配は拭えない。なんせ雄叫びとともに服がビリビリ破れて大暴れするだけだし。『X-メン』『スパイダーマン』はすでにパート2の製作・公開が決まってるけど、こればっかりは1作限りで終わってしまうような。ちなみに予告編、もう流れてます。日本公開日未定。

ターミネーター3 RISE OF THE MACHINES
 ついにやっちまったか、シュワルツェネガー。ここんとこ主演作がことごとくコケまくっている彼がおそらく賭けに近い意気込みで臨んだ、ご存知大ヒット作の続編。正直言って「やめておけばよかったのに」になりそうな感じ。だから楽しみというより、出来映えと反応に興味がある映画。第1作、第2作を手がけたジェームズ・キャメロンはノータッチらしい。それは賢明な選択だと思う。つい最近やっと予告編が公開されたけど、本編映像は一切なしのイメージ告知。なんでも今回は女性型のターミネーターが出るとか。低予算B級映画が思わぬヒット作に化けた『ターミネーター』、CG技術の威力を世に知らしめたアクション快作の『ターミネーター2』、さて第3作はどんな映画になるのやら……。日本公開は来年の夏予定。

Solaris
 SFとしてはかなり有名な『惑星ソラリス』の再映画化。オリジナルは1972年のロシア映画です。ぼくはそれを観てないのでなんとも言えませんが、SF映画としては古典的定番とも言えるもののようです。生きた海“ソラリス”の謎を探る科学者が遭遇したものは……てなストーリー展開。予告編もイメージっぽい作りで、まだ意味がよくわからない。でもなんか楽しみな作品。主演はどうやらジョージ・クルーニー。ジェームズ・キャメロンが製作かなんかに一枚噛んでます。公開日未定。

インディ・ジョーンズ4
 絶対ないと思ってた第4弾、いよいよほんとにやってしまうようだ。もちろん主演はハリソン・フォード。あのご老体でインディ役はさすがにキツイのでは……。監督・総指揮も例によってスピルバーグ&ルーカスのコンビ。というか、この組み合わせ以外でインディ・ジョーンズの製作はありえないから、結局は製作を渋っていたこの御三方が首をタテに振ったことで実現した“待望”の一作ということもいえそう。しかしここまでくると、ハリウッド、そろそろネタ切れが深刻になってきているようです。公開は2004年か2005年だとか。ちなみに公式サイトや予告編はまだないようですね。Yahoo! USAで「indiana jones 4」で検索するといろいろ出てくるけど、もちろん全部英語。


7.2.tue

 瀬戸大橋の通行料金引き下げを求める署名運動が、目標の100万人を突破したらしい。去年の秋から半年で集まった100万人の願い。関西以東や九州の方はピンとこないかもしれないけど、いま現在、瀬戸大橋は最短区間を往復するだけで7,800円かかる(普通車料金)。ただしこの料金は期間限定で暫定的に値段が引き下げられているもので、来年4月からは以前の料金、往復約1万円に戻ってしまう。署名運動は「瀬戸大橋の通行料金を通常の高速道路区間料金で設定すべし」と訴えている。瀬戸大橋は本州側の児島ICから四国側の坂出北ICまで、だいたい10kmぐらい。これは普通の高速道路なら700円で走れる区間だ。
 本州と四国の架け橋になるはずだった瀬戸大橋、このバカ高い料金のせいで、利用数は伸び悩んでるという。実際ぼくも、よほど急ぐ時かお金に余裕のある時(あまりないけど)しか利用しない。瀬戸大橋を渡るという行為は、ぼくにとって「ぜいたくなこと」なのだ。だから岡山から四国へ渡ろうとするときは、たいていフェリーに乗っている。岡山〜香川のフェリー航路はいまだ現役で、けっこうな利用数があるというから、いかに瀬戸大橋が活かされてないかがわかるというもの。
 さすがに700円は実現しないかもしれないけど、せめてフェリーと同額(4m未満なら2,900円/片道/宇高国道フェリー)か、ちょっと安いぐらいにしてほしいと思うのはそんなに無理な要求なんだろうか? パイプをくわえて「だいたいやね〜」のあの評論家に言わせると「本州と四国は結ばれた。これで流通が活性化しなければ地元の努力が足りないのだ」などとスットコドッコイな発言をしたらしいけど、そろそろ誰か気がつけよ、と思う。通行料金下げれば、みんなこぞって橋を利用するっつーの! 
 東京湾を横断しているあの道路も、なんかぜんぜん利用されてないというニュースを聞いたことがあるけど、日本の道路行政には「?」な部分がいっぱいだ。なんでも日本の高速道路は計画路線のまだ半分もできてないらしい。つまりこれからまだまだどんどん高速道路は建設されつづけるわけで、料金プール制にのっとって建設費を捻出する以上、高速道路料金は値上がりすることはあっても安くなることはほとんどない。ましてや無料なんて夢また夢。無料になるとしても、その頃にはたぶんぼくは生きてないだろうな。東名高速なんてとっくの昔に減価償却済んでるのに、無料になる気配ないし。それどころか第二東名なんて造ってるし……。

 思うに、地方には高速道路はやっぱり不要なのでは。たしかにあればあったで便利だけど、なければそれであきらめがつくレベルじゃないのかな。高速道路がなかった時代にもそれなりに経済は回ってたんだし、人はどんどん移動してた。よく知らないんで無責任な発言かもしれないけど、片側1車線で平日はガラガラの高速道路がズドーンと日本の田舎に通されて、周辺の経済が劇的に発展するなんてことはないと思う。本当に必要なとこだけ高速通して、地方はバイパスでいいんじゃないか(いらないバイパスもかなりあるけど)。ダムや河口堰もしかり。公共工事が発展の牽引車だったのは遠い昔のこと。みんなとっくに気がついているはずなのに、なにかがいまもなお旧い力の幻影にすがり、そこから振り落とされるお金に群がっている。哀しい構図。

 むーん、いったい今日はどうしちゃったんでしょう。みょうにおかたい話になってしまいました。ま、定食屋で新聞の記事を読みながら、こんなことをふと考えてみたのです。草の根エンスーもたまにはジャーナリスティックなまなざしで世の中を見つめているのだよ、とマンダムのポーズをとりつつ、本日はこれにて。




このページのトップへ


メール
kusanonediary@hotmail.com
バナー
copyright(C) 2001 KAZ
オクタゴン
トップ
エンスー日記
わが愛しのベレット
掲示板
リンク