草の根ハシラ

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12.31.tue 

 さて大晦日。いま現在、2002年もあと……7時間と20分ってところです。ここのところ時の経つのがなんだかとても早く、この一年もまさにあっという間に過ぎ去ってしまいました。みなさんはいかがだったでしょうか。
 「草の根エンスー日記」でいうと、この一年でvol.04〜10の計7話を公開してきました。それに「わが愛しのベレット」の全3話を入れれば10話分。途中、更新がかなり滞った時期もありましたが、自分としてはまあ上々のペースかなと思ってます。来年は……うん、来年も同じぐらいのペースでぼつぼつ公開していければいいなと考えてます。いやほんと、考えるだけは考えてます。実際どうなるかは気分次第ってとこで……。
 といったようにマイペースでテキトーにやってる「草の根エンスー日記」にアクセスしてくださったみなさまには深く感謝いたします。インターネットにサイトと呼ばれるものがいったいいくつあるのかわかりませんが、その星の数ほどのサイトの中から「草の根エンスー日記」を見つけ、訪れ、そして読んでいただいたというのは、ほんとうにありがたいことです。あらためてありがとうございます。

 今日はミジェットのオイル交換をしました。去年の7月にミジェットを復活させて以来、じつはオイル交換はずっとショップまかせだったので、自分の手でやったのはかなり久しぶり。たいしていい銘柄のオイルではないけど、エンジンフィールがしっとりと落ち着いていい感じになり、うららかな空に誘われて、これまた久しぶりにオープンドライブを楽しんだりしてみました。ここ数年ずいぶんとくたびれてきたわがミジェットではありますが、来年もまたこの2座式幌型車(27歳)とともにぼちぼち歩んでいきたいものです。

 2003年がみなさんにとって、すばらしい一年でありますように。
 来年もよろしくお願いします。


12.29.sun 

 大掃除の買い出しにホームセンターへ出向いたところ、ペットコーナーにやたらと人だかりが。何事かとのぞいてみると、みなチワワの前にかじりついて「かわい〜い!」の連呼。例の消費者金融のCMでブームに火がつき、チワワがここ最近人気急上昇というのはホントの話らしい。実際、今年後半のペット売り上げ第1位はチワワだとか。
 という前知識とともに「どれどれ」とぼくものぞき込む。で、のけぞった。
「さ、さ、38万円!?」
 2種類売られているチワワのひとつにつけられている値段だ。もう一方のは32万円。どっしぇー。ブーム便乗で高値つけおってからに……と商人根性をかいま見た気分になったが、しかしよくよく考えると「これでいいのかも」と、ふと思った。

 CM見る → チワワかわい〜い → 子ども、その気になる(もしくは親父、その気になる)→ 衝動買いする → やがて飽きる、もてあます → 捨てる、もしくは飼い方がぞんざいになる → チワワ不幸

 という図式がよぎったからだ。同じ図式はかつてのハスキー犬、レトリバー犬、そしてダックス犬のブームで繰り返されているので、今回もそんなことになるような気がして、あのCMを見るたび正直いってあまりいい気はしてなかった。だから、おいそれと衝動買いできないような値段がついているのは、ある意味チワワにとっていいことなのかもしれない、と思ったのだ。そもそもチワワってキャンキャン系(鳴き声ね)で気性が激しくて飼いにくい種。「それでも飼いたい」と思って手にする飼い主なら、たぶんほんとうにかわいがって一緒に暮らしてくれそうな気がするし(あ、流行りモンはとりあえず買っとけの金持ちもいるか……)。


12.25.wed 

 ある本を久しぶりに読んだ。20代なかばで初めて読んで以来、折にふれて何度か読み返してきた本であり、たぶんこれからも読み返すことになるはずの本だ。そのテーマはあまりに深く、あまりに永遠。読み終わっても「うん、そうだよな」と軽々しく得心した気にはなれず、ただそこで語られてきた人々の心のうつろいにあてどのない思いをただめぐらせてしまう。哀しいのでもなく、切なくもない。喜びもなく、怒りもない。あてどのない思いはどこかにたどりつくことなく、心の奥底に深く沈んでいき、それがまたふいに浮き上がってきたとき、またその本を読み返したくなる。そんな本だ。

 ……って、いったいなんの本だかわからねーってとこですね。べつにこの時期を狙って読みはじめたわけじゃないけど、結果的にこの時期、この日に読むのにふさわしかったのかな、なんてことも思ってみたり。
 まあわけのわかんない話だけど、どうせこのコーナーは“モノローグ”。他愛のない独り言ってことでご勘弁を。


12.18.wed 

 最近「モッズヘア」なるシャンプーのテレビCMにMG Bが登場している。ひょっとしたら「シャンプー」とかでなく「ヘアコンディショナー」などと言ったほうがそれっぽいのかもしれないが、シャンプーはシャンプーだしパンツではなくズボンなのだ文句あっか!
 それはともかくMG B。くだんのCMでは主人公(?)の女性が乗る車として真っ赤なMG Bが登場している。コクピットからはじまり、前面からの俯瞰アングル、お尻のアップとかなりの露出度でブラウン管に映し出されるので、「あっ、これMG Bじゃん!」とお気づきになった方も多いんじゃないだろうか。
 このCMにかぎらず、ここ最近(といっても1〜2年のスパンだけど)MGがCMに登場する機会はけっこうあるような気がする。ちょい前はJ-PHONEの写メールのCMにもMG Bが出てたし、その前は化粧品のCMにもスプリジェット系が出てたはずだ(MGかヒーレーかは不明だけど)。あとローカルCMにはなるけど、瀬戸大橋の与島パーキングエリアのCMでギャル2名が乗ってたのは黄色のMGミジェット1500だったりする。
 テレビのブラウン管に自分が乗ってる車が映るのは、そこはかとなくうれしいものだ。とくにミジェットなんていう、普段は「コノ車ナニ?」的反応を返される車だとなおさらである。たとえミジェットそのものでなくても、たとえば今回のシャンプーのCMのように兄弟車が登場するだけでも心トキメいてしまう。エンスーな車というのは、エンスーな人々の間では有名でも、一般社会では日陰の存在。あくまでマイノリティであって、マジョリティではありえないのだ。それがテレビなどというにぎにぎしい舞台に登場した日には「おまえも出世したのう」などと田舎のおっかさんみたいにハンカチ握りしめたくなってしまうのである。

 ──とCMネタを書いてきてふと素朴な疑問が浮かんできた。ミジェットのテレビCMなんてものは当時あったんだろうか? あったとしたら、やっぱ大村昆が生CMで車名を連呼して……ってそりゃダイハツのMidgetか。

 おっと、『ターミネーター3 RISE OF THE MACHINES』の最新予告編が公開されているじゃーないですか。前情報通り女性型ターミネーターが登場してます。「シュワちゃん、アクションは大丈夫かいな?」という不安も、最先端のVFXでとりあえず迫力あるシーン連発。本人はあんまり動かなくてもなんとか大丈夫っぽい。全米公開は来年7月2日だそうな。日本公開も夏シーズンにあわせて、たぶん同じ頃でしょう。予告編の最後は……やっぱきたか、あの決めゼリフ。


12.15.sun 

 今日は朝からいい天気(じつは昼前に起きたんだけど)。支度を整え、久々にバイク(GSX-R400)を目覚めさせる。夕暮れまでのミニツーリングと決めて、とくに目的地も決めずに走り出した。
 せわしない町を通り抜けて南下、鷲羽山のワインディングロードに入る。全長17kmほどある、元有料道路である鷲羽山スカイラインは中・低速メインの風光明媚な峠道だ。久しぶりのワインディング、時々現れる走り屋連中におっかなびっくり君化しつつものんびりと走り抜ける。
 そのまま児島の町に降り、通り抜け、王子が岳の国道430号へ。右手のガードレールの向こうは瀬戸内海。こぢんまりとした砂浜に、カレイ狙いの竿が並ぶ。多島美と称される箱庭的風景には、タンカーから小さな漁船まで大小さまざまな船影がおだやかに浮かんでいる。小春日和の陽ざしにキラキラと輝く水面を眺めつつ国道30号へ。
 信号待ちでふとメーターを見やると、ちょうど「30000」。このGSX-Rを買ったときは、まだ「19500」ぐらいだったか、と思い出す。2年で1万km、まあこんなもんかな?
 流れのいい国道30号でグンとスロットルをあおって距離を稼ぎ、交通量が増えはじめたあたりで国道2号バイパスへ。ほどよく流れる車の流れなかを泳ぐように東へ向かい、岡山ブルーラインへ入る。
 料金所でチケットを受け取ると、道は開けた平野をズドンとまっすぐに抜けている。低い高架道が、とうに稲刈りの終わった田園の中をひたすら東へ延びる。低い山並みと、広い空。大陸的なこの風景が好きで、ぼくはGSX-Rで何度もこの道を走ったっけ。
 10kmほどそんな風景が続くと、やがて眼前に山並みが迫ってくる。道は登り坂となり、山岳路へと変わる。右へ左へ、中・高速のコーナーが現れては消え、そしてまたズドンとまっすぐに延びる。アップダウンが大きなうねりで訪れ、さっきまでの大陸的な走りはどこへやら、シフトワークと体重移動が楽しくなる。
 一本松展望台で一服し、再びGSX-Rに火を入れる。ブルーラインをさらに東へと走り、片上湾を大きく跨ぐ片上大橋を越える。はるか眼下、備前の海にカキ養殖筏がいくつも整然と浮かび、小さなクレーンを積んだ漁船が行き交っている。ちょうどカキの水揚げ時期だ。
 橋を越えると備前IC。ここでブルーラインを降り、国道250号へ入る。ここからは西へ向かい、家路へのUターンがはじまる。雑多な交通が入り交じり、うねうねとペースの遅いクルージングが続く。最後は渋滞をスリ抜け、赤穂線の鉄橋をくぐると国道2号にぶつかる。左へバンクすると、やや傾きかけた陽がまっすぐ前からさしこんでくる。行楽帰りの車の流れに混じって、のろのろと西へ向かう。自販機前で止まり、かじかんできた手を缶コーヒーであたためる。
 その後は再び国道2号バイパスへ。一気にペースがあがり、6速でほどよくクルージング。ヴオーンとなめらかな抵抗を送ってくるインラインフォーのエンジン、そしてデュアルエグソーストから弾き出される甲高いノート。シフトペダルが嫌なクリック感を送ってくる。そろそろオイル交換の時期だったことを思い出す。
 ちょうど空になりかけていたタンクにレギュラーガソリンを満タンになるまで入れ、午後4時、自宅にGSX-Rが滑り込んだ。出発時の思惑通り、夕暮れ前に帰ってくることができた。
 イグニッションをオフにし、グローブを外してヘルメットをとる。
「ああ、今日も生きて帰ってくることができた……」
 どんなに短いツーリングでも、家に帰ってくるたびそんな思いがよぎる。今日も無事に帰ってきた。ありがとう、GSX-R。
 まだキンキンと放熱しているGSX-Rに、そっとカバーをかけ、いつものようにシートのあたりをポンと叩いた。

 こうしてGSX-R400との最後のツーリングは終わった。

 来月、車検がくるGSX-R。でもそれがGSX-Rとぼくとの、ひとまずのお別れのときだ。

 27歳で自動二輪免許取得。遅咲きのライダーになるんだろう。'87RG250ガンマ、'89GSX-R400R、'83RG250ガンマ、そして1年半のブランクの後、'88GSX-R400を手に入れた。奇しくもスズキばっかり、しかもカリカリのレーサーレプリカばっかり4台のマシンを乗り継いできた。誰かのもとに嫁いでいったマシンもいた。自爆事故で廃車にしてしまったマシンもいた。クラッチがいかれて修理費が捻出できず、バイク屋に引き取られていったマシンもいた。
 最後に跨った'88GSX-R400。これでいったんぼくのライディング歴は終わる。このままもう乗らないのか、またいつか乗る日がくるのか、それはいまのところわからない。
 だけど、とりあえず──

 おつかれさん、そしてありがとう、GSX-R。


12.9.mon 

 風邪が流行っているらしい。「流行」と名のつくものにはとんと縁のないぼくだけど、今回の流行は見事にキャッチ、久しぶりに風邪をひいてしまった。熱、ノド、鼻、頭痛と4つの症状がいっぺんにやってきて、あと腹痛がくれば風邪のフルコースのできあがりになっていたところだ。いやしかし久しぶりだよな風邪ひくなんてゲホゲホなんて思ってたけど、よくよく考えれば去年も一度風邪をひいている。そういやこういうのって月に一度とか週に一度なるもんじゃないし、ひけばたいていそれは「久しぶり」になるんだよな、なんてことを熱っぽい頭でぼんやり考えてみたりした。
 
 『スターウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃』のDVDを観た。ロードショー時に映画館ですでに観ているので2度目の鑑賞になる。全編CG(コンピュータ・グラフィックス)バリバリだとは知ってたけど、特典映像のメイキングによると、てっきり実写だと思ってた俳優の演技がじつはCGだったり、逆にてっきりCGだと思ってたものがじつは模型だったりして、「そうやったんか!」「へー」とびっくりするやら感心するやら。とくに俳優の演技のいくつかがCGで作られたものだという点が時代の流れを感じてしまう。と同時に、つい何年か前に製作された『バットマン』シリーズでのCG騒動を思い出した。
 その劇中、バットマンが高層ビルから華麗に舞いながら飛び降りるというシーンがある。カメラアングルからしてもスタントマンを使った実写は無理だということで早々にフルCGで作られたこのシーン、飛び降りたバットマンはクルクルと舞いながら一気に急降下し、その後スタッと着地して歩き出すことになってたのだが、この時点でハリウッドの俳優組合から猛抗議が起きたそうな。俳優組合の言い分はこうだ。
「飛び降りるシーンをCGで作るのはいい。それはもともと俳優が演じるシーンではないから。しかし着地して歩き出すのはいただけない。なぜなら『歩く』というのは俳優の“演技”の領域だからだ。俳優の仕事をCGが奪ってしまうのを見過ごすわけにはいかぬ!」
 俳優組合は、歩き出すバットマンのCGを見て「やばい」と焦ったということで、つまりそれだけCGの出来映えがよく、「CGに仕事(演技)奪われたらオマンマ食い上げだぜ!」と危機感を覚えたようなのだ。
 結局この抗議は受け入れられ、歩き出すはずのシーンは「着地と同時に道路を突き破って地下に転落」というシークエンスに置き換えられた。もちろん転落するバットマンも、その後立ち上がったバットマンも俳優が演じている。歩く“演技”をするCGバットマンはボツになったわけだ。
 それから数年。『スターウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃』ではCGで作られたユアン・マクレガーやヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・リーが堂々たる演技を披露している。演じているのは本人でも着ている服はCG、上半身CGで下半身俳優とかいうハイブリッドなパターンもある。どこが実物でどこがCGなのか、それをぜんぶ見分けられる人はたぶんいないんじゃないだろうか。ちなみに1カ所だけCGネタばらし(反転させてお読み下さい)。
惑星カミーノの発着場で賞金稼ぎジャンゴ・フェットと闘うオビ=ワン・ケノービ、腕にワイヤーを巻かれるところから引きずられていく一連のシーンのオビ=ワンはCG。もちろんジャンゴ・フェットも。いやはや……。


 本編どころか、この雑草モノローグさえ更新がままならない現状。物事には優先順位があるけど、いま現在、エンスー日記の更新は優先順位的に下位にランクされていて、結局いろんなことが先延ばしになってしまってます。vol.10、あと一息で公開のところまできて足踏み状態。あしからず御了承ください。しかしvol.09の公開って7月だったんだなあ……。ちょっと更新サボリすぎ。反省……。




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