9日目
03年4月23日(水)曇り一時雨

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   龍山荘 〜 22番 平等寺 〜 田井の浜荘(由岐町)


6:45 三人で龍山荘出発 山の中の道28号線を歩く、右上は照葉樹林、左下は竹林その下には谷川が流れていた。
道のずっと先に何かあろ・・・近づくにつれはっきり見えてきた、狸だった狸が車に轢かれて死んでいたのだ。
私は云った「石津さん我々はへんろだ、これは弘法大師が我々をお試しになっているのではないか?結果によってはお前達に来世などないッ!!なんて事に・・・」。
「僧正せめて道の端にでも寄せたい所ですがこの金剛杖を血で汚してはお大師様に申し訳ない 馬鹿者ッ!そこえ直れッ!なんて事に・・・」。
ごもっとも、じゃあ・・・パス。

阿瀬比町の三叉路から平等寺まで全長5km山越えのへんろ道に入った、若いお坊さんの夫婦へんろ、主人が細い道端で尻を着いている。
「どうしました足を痛めましたか? 「いえ・わらじの紐を・・・」。
衣をまといわらじ履きで・・・凄いやはり仏に仕える者は意気込みが違う、若奥さんはジーンズにスニーカーだったが。
主人は今回で6回目だと云っていた、奥さんは初めての様だった、若しかしたらこれが新婚旅行?・・・なんて一瞬思った。
ところで「さっきの狸、お坊さんと我々の時間差は長くても10分・・・でもあった・・・来世は大丈夫のようで!」。

1.5km登った大根峠手前でお坊さん夫婦に追い越された、若奥さんが少しビッコを引いている「大丈夫ですか?」 はい! 少し行くと若いお坊さんはわらじの紐を調整していた。上り下りに合わせ絞めたり緩めたりしなければならないのだろうか、何しろ裸足に紐をがんじがらめに縛り付けている様に見えた、ゴロゴロ石の山道・・・ちょっとつまづいただけでも指から血が噴きだすであろうに・・・。
お坊さんへんろにも沢山会ったしかし わらじ履きを見たのは今日が初めてだ。
彼はきっと素晴らしい立派なお坊さん いや僧正になるであろう。

平等寺までは後3.5km少し薄暗い感じはするが歩きやすいへんろ道をどんどん下る、竹の子や 衣まといて 平等寺、坊主岩と云うのはあちこちで見たが竹の子が坊主に見えたのは今日が初めてであった。

石津さん 平等寺へんろ道 武永さんはこの人と 手入が良い


22番 平等寺10時着、武永さんはここで別の女性と国道を通り23番へ行きたいと云う。
我々は遠回りになるが由岐海岸の景色を見てから行く事にした。
月夜お水大師を過ぎ大型車の通れない山道を行く、藪の手入れがいいと感心したり、おびただしい量の家庭廃棄物の不法投棄を見て憤慨したりしながら行くうちに霧雨になった。
国道55号に入り福井トンネル手前で雨脚が強くなった丁度いい具合に真新しい小さなへんろ休憩所、ここで昼食にしよう龍山荘で作ってもらったおにぎりを頬張る。

石津さんは休憩所の柱に吊り下げてあったノートを見て僧正 「昨日朝から何も食べていません今日ここで始めてバナナ一本いただきましたって書いてありますぞ」。
考えられない、一体どう云うへんろなのだろう???

修行の為の托鉢へんろ?3万円持って出たへんろが帰ったときは5万円になっていたなんて本で読んだ事あるけど。

雨が強くなったり弱くなったりする中を由岐町の 民宿田井の浜荘に無事着いた3時過ぎであった、足が痛い。
トンネル越え由岐町へ


        歩行距離    20km
        歩  数  31,580歩  

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龍山荘宿泊料   7,300
コーラ 110
缶ビール 300
本日計 7,710
累 計 73,790