通算33日目

平成17年3月24日 (木) 曇り一時小雨・雹

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ふるさと旅館 〜 内子町 〜 小田町 ふじや旅館 


 7:00大洲「ふるさと旅館」出発
5kmほど歩いて五十崎(いかざき)駅近くから歩き専用の遍路道に入る。
細い道は全体にぬかるみ杖の先で硬そうな所を探りながら進んだ。
この山中のへんろ道にはへんろ札がない。
遍路の本によれば「山の中では20m〜30m毎に札が吊ってある」それを頼りに歩けとあるのに・・・去年徳島県由岐町で変だと思いながら山の中へ入って行き一山越えた苦い経験がある。
途中で道を間違えたのでは・・・?と心配になって来た、「石津」さんは間違いない筈だと云うので進んだが、もし自分一人だったら恐らく疑心暗鬼になり引き返したであろう。
それからしばらく歩いてゆく内にひょっこり遍路札を見つけた何か嬉しい感激にも似た気持ちになった。


低い峠を下りたところに地図どおり野球場もあった、内子高校の生徒20人ほどが思い思いに練習をしていた、我々が近づくと先生・生徒が一斉に大きな声で「こんにちは〜!」気持ちの良い挨拶をしてくれた。
なんという躾の良い素直ないい生徒達だ!
この言葉の接待が重い足を軽くし背中を押してくれるありがたい事だ。
内子高校野球場

ベンチでしばらく休憩して・・・「練習、がんばって下さ〜い さようなら!」と言えば「お気をつけて〜!」
ああ いい一期一会だった。

野球場を下ったところの池では白鳥が数羽とあひるがのんびり泳いでいた。
街中へ入り「内子座」の矢印があったが通り過ぎた、これは失敗だった見学しておけば良かった。
内子座は道後温泉本館と並ぶ愛媛県を代表する木造大建築物だったのに。

町外れの道の駅「フレッシュパーク からり」で巻すしと大福餅を買い途中のバス停で食べていたら旭川の娘が入ってきた、大福餅一つ接待。
話を聞けばあのぬかるんだへんろ札のない道を通り抜け内子座も300円払って見学して来ましたと言う・・・すごい!

やがて一緒に歩き始めたが娘は歩幅は狭いがピッチが早いどんどん小さくなってやがて見えなくなった。
桝木橋から大瀬町に入り大江健三郎(ノーベル賞作家)さんの生家を見て行くことにした。通りに面した大きな家で掃除も行き届いていた現在は親戚の人が住んでいるらしい。
旭川市の娘さん・石津さん

冷たい小雨が雹に変わり突風が吹き荒れだした歩いていても押し戻されるくらい風が強い、菅笠を飛ばされ深い小田川の河原へ消えていった。
両手がすごく冷たい、杖を持った右手は合羽の袖口から水が伝って入り肘の辺りまで濡れている足も痛い早く宿へ着かないかなあ。

3時過ぎ「ふじや旅館」に着いた、古い旅館だ。
二階へ通されたが廊下は ギシギシ 音がし揺れる、廊下の戸袋は破れ、窓2枚壊れたのだろう外したまま、冷たい風が廊下を吹きぬける・・・寒い寒い。
部屋は3畳の控えの間(電灯なし)その奥が6畳、小さな石油ファンヒーターが一つあるが小さ過ぎて何時間つけていても16度以上には上がらなかった(朝は13度までしか・・・)
大江健三郎さん生家



沢山着て正面に座り手をかざし擦り合わさなければ暖かくならない、昔の火鉢の頃を思い出した。でも自宅のほうはしっかりした建物で暖かそう。

宿に着いた直後向かいの菓子店の「よもぎカステラ」が美味しいと言うので買いに行って郵便局から自宅等へ送った。
局員が泊り先を聞いた後最近出来た民宿など数軒教えてくれた・・・若しかしたら「今度泊まるときは・・・」のサインだったのだろうか ひどい宿に泊まったものだ。

   歩行距離 27km    歩数 45850歩

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弁当 530
カステラ 3,310
郵送料 2,200
ふじや旅館 7,500
本日計 8,030
累 計 334,923

カステラ・送料合計に含まず