通算36日目

平成17年3月27日 (日) 晴れ

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一里木〜三坂峠〜46番 浄瑠璃寺〜47番 八坂寺〜48番 西林寺〜たかの子温泉



 一里木7:00出発 国道33号線を7.4km歩いて三坂峠越え遍路道に入った、国道33号が出来るまでは松山と久万を結ぶ唯一の道であった。
三坂峠(H710m)は
 「三坂越えすりゃ 雪降りかかり 戻りゃつまこが泣きかかる」とうたわれたほどの馬子泣かせの峠で土佐街道最大の難所であったという。
久万から松山までの7里馬子は一昼夜かけて往復したそうである。

このような石ころだらけの狭くて急な坂道は牛馬に車を引かせる事も出来なかったであろう、馬に背負わすか人が背負うか・・・私は8kgのリュックが重すぎて途中で荷物を送り返した、昔の人の苦労を思うときつくづくいい時代に生まれて来て良かったと思う。


我々が下る途中、重そうなリュックを背負った遍路に追い越された、リュックは18kgあると言う昨夜は近くの通夜堂に泊まったと云いながらどんどん下りて行った。
しばらく行くと東屋で先ほどのへんろが休んでいた、頭は丸坊主にしたばかりのようだ青々としている・トレーナーもリュックも靴も真新しい、数日前に来たものとばかり思って尋ねたら・・・
6年前からエンドレスで回り続けているという、彼は53歳だそうだ、理由を聞いて上げたほうが良いのかどうか迷った・・・が、それ以上聞けなかった聞いても彼を励まし力づけてこの場を立ち去る言葉が見つからないと思えたからだ・・・家は?子供は?奥さんは?ご両親は?・・・あまりにも悲しすぎる話のような気がしたので、彼も敢えて話さなかった。
しかし6年間も野良犬のように餌を探しながら四国を歩き続ける、生きる為とは云いながらこれから先も歩く、歩いたからといって必ず貰える当てはない、つらい事であろう。

猪の出る棚田


めったに人の通らない深い山の中、東屋の前を若い女遍路が一人早足で通り過ぎて行った、その時ふと思った娘さんあんたは運がいい。

「石津」さんは饅頭、私はアンパンを接待して彼を残して発った、あとで接待はお金にすればよかったとちょっと後悔した。

46番 浄瑠璃寺、47番 八坂寺、48番 西林寺を打ち
4時前に松山市郊外の鷹ノ子温泉ホテル着。
ここの温泉は実に素晴らしい手のひらで体を撫でる・・・手と体の間に何かがある感じそれはソフトで分厚い膜と表現していいのか、或いは母の胎内にいる感じだとか。
肌がぬるぬるしていても空気に触れるとそうでもない実に不思議な湯だ。

夕食のとき長野の転勤兄ちゃんに会った、肩が痛くて動かないと云って左手を首から下げた布で吊っていた。
明日医者へ行ってここでもう一泊すれば直ぐ直る脱臼してしているのだぜひ医者へ・・・と「石津」さんは言っていた。

    歩行距離 24.8km   歩数 39720歩

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納経料 900
うどん 1,420
乾燥機3/26 100
たかの子温泉 9,000
本日計 11,420
累 計 364,203