プラエトーリウム=ソムヌスのお正月(後始末篇)

§後書き,補足,言い訳,取り繕い……とも言う(かもしれない)

ガイダンス
作者より



ガイダンス

 この話では主人公(糾)のゲーム本編中における妙に雑学博士な部分を少し誇張気味に表現するためなどの目的で,故意に一般的ではない表現を使っている部分がありますので,ここでその辺を取りまとめて補足などしておきます。


第1話関連
・正月飾り,門松について
 文中での事は基本的に作者の経験に由来します。
「飾りは男が作るもの」,「30日までに飾る。大晦日になってから出すのは『一夜飾り』と言ってよくない」,「飾る場所によって基本的な形状が違う」など,これまでに家族(特に母親)から毎年のように言われて来ました。
 ただ,そもそもこのお飾り自体が地域によっての違いも大きいので,日本全国で通用するかどうかは保証できませんが。

・垂手(しで)
 注連縄(しめなわ)や玉串(たまぐし)についている,菱形が繋がっているように見える和紙(通常白色)で作った飾りのこと。


第2話関連
・孟宗竹(もうそうちく)
 原産は中国で,日本に入って来たのは200年以上前。日本で最も大きくなる竹。高さ25メートル,直径20センチメートルになるものもあるとか。


第3話関連
・半殺し
 対象となるものを叩く,あるいは押して潰すこと全般を「ころす」と表現することがあり,そこから生まれた表現と思われる。
 作者は比較的昔から耳にして来たが,地方独自の表現なのかもしれない。


第6話関連
・アビ・ア・ラ・フランセーズ
 フィンが糾の為に用意した正装。ルイ14世頃から18世紀末までのヨーロッパ貴族男性の正装とされていたもの。

・白藍(しらあい)
 薄い(=染めた回数の少ない)藍色。つまりは緑み掛った水色の薄いもの。

・青磁(せいじ)色
 焼き物の青磁のような淡い灰みの緑色。

・紫根(しこん)色
 いわゆる紫色。「ムラサキ」という植物の「根」で染めた色なので,この表記。
 日常よく耳にするのは紫紺(しこん)色で,こちらは紺色の濃い色なので,青紫系。

・茄子紺(なすこん)
 名前の通り,野菜の茄子の実のような暗い紫色。

・謂わぬ色(いわぬいろ)
 一般的には梔子(くちなし)色。植物のクチナシで染めた色。「クチナシ」→「口無し」→「謂わぬ」とかけての表現。
 少しオレンジの混じった黄色。

・黄蘗(きはだ)色
 植物のキハダで染めた色で,鮮やかな黄色。

・杜若(かきつばた)色
 植物のカキツバタの花の色だが,実物よりも赤みの強い紫をさす。

・鬱金(うこん)色
 カレーや沢庵漬けの色づけに使う香辛料,ターメリック(鬱金)の根で染めた赤みがかった黄色。

・曙染(あけぼのぞめ)
 裾の部分を白く残し,その上を紅や紫,藍などで次第に濃くぼかしながら染めていく模様染め。


第7話関連
・お年玉
 子供や使用人に,新年を祝っておくる贈り物。「年玉」は「年の賜物(たまもの)」の意。


第8話関連
・羽子(はご)
 羽子板でつく「羽根」のこと。

・追い羽根(おいばね)
 厳密には二人以上で,羽子をついて遊ぶものだが,一般的には「羽根つき」と同義。


 今回参考とした資料は次の通りです。

旺文社「学芸百科事典」初版第6訂版
新紀元社『コスチューム−中世衣装カタログ− Truth In Fantasy 53』
光琳出版『色々な色(色の名前)』
Gakken/スリー・エー・システムズ『グランド辞スパ』現代新国語辞典



作者から

 これまで殆ど創作しかやったことのなかった人間なんですが……ここまで壮大な2次創作は殆ど初めてです。
 まぁ,キャラクターの個性がはっきりしていたので比較的動かしやすかった分ラクだったような気はします。

 残念だったのは
・このはをまったく登場させられなかった。
・書き始めにあらすじを考えるだけで手一杯になってしまって,クリスマス篇がまったく書けなかった。
・何となくしり切れとんぼで終わってしまってる。
・マージエンド後をイメージした割には,マージとのラブラブなシーンが殆どなかった。
というところですか。

 特にクリスマス篇は……せっかく糾から皆へのクリスマスプレゼント(ハンカチにイニシャルの刺しゅう。それぞれ色違い)も考えたのに……。
 ではあるんですが,このペースで書きたいネタを全部突っ込んでいたらどれだけの分量になっていたのか,少し怖い気もしますが……。
 まぁ,その意味ではこのくらいでよかったのかも知れません。

 それでは,ここまでお付き合い頂きまして,有難うございました。
ナーラー・ヤナ拝



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