大山 魅惑の雪山

標高 1711m    難易度 ☆☆    登り142分 下り54分  鳥取県
倉敷からの距離   151Km        登頂日 2003/03/26  ガイドブック  写真 音訳日記削除

駐車場10:35−10:37夏山登山口−10:49一合目10:54−11:06ニ合目−11:07_1000m−11:22三合目−11:41五合目−11:59六合目12:02−12:41八合目−13:05山頂13:33−13:43八合目−13:58六合目−14:05五合目−14:20一合目−14:25夏山登山口14:27−14:29駐車場

登山
 種々の情報から大山(だいせん1711m)登山が可能だと判断しあこがれの大山雪山登山をおこなった


 大山の雪山は六合目から八合目にかけての斜面は雪に覆われるとさぞかし急な斜面となるだろうし 斜面はアイスバンのように凍りつき滑りやすいのではないか ピッケルの使い方やそれなりの知識が無いと無理だろうと自分なりに判断していた ところが先日泉山で偶然出会ったKさんから 山本さんは何故大山に登らないのですか?大山は必ず誰か登山しておりルートもしっかりしている 泉山より余程登り易いですよ なかには運動靴のようなもので登ってくる人もいるほど と伺った そうかそれならなんとか登れるかも知れない あとはアプローチだな

 そう思っていた矢先、会社生活の時に同じ職場にいたUさんからつい先日大山に登ったと素晴らしい写真を送って戴いた アプローチの状況を尋ねるとノーマルタイヤでも大丈夫との情報を得る すぐに天気予報を調べ情報を戴いた翌日の今日大山に登ることとした



 前置きはこの程度として、登山をしよう 駐車場から大山循環道を歩き夏山登山道入口から入る 登山口から雪である 多くの人に踏まれ固くなっている いずれアイゼンを履く必要があるから早目に履いておこうと一合目の標識のところでアイゼンを履く 私のは6本爪 どこの山でだか忘れたが大山に登るなら6本爪のアイゼンが必要だなという話を聞き購入したもの

 ブナ林の中を登って行く 夏山では樹木で視界が限られていたが今は雪の世界で樹木の葉やブッシュに遮られる事なく良く見渡す事が出来る 雄大なブナ林を見渡しながら登ってゆく 雪面から伸び出す樹木 太陽光線によりシルエットが雪面に影を落とす 春が近づいている為だろうか小鳥の声も聞こえて来る ルートには足跡がいくつもついており、今日のものと思われる新しい足跡を追ってゆく 踏まれていない所は雪が柔らかく足がとられる

 一合目の標柱は半分ほど雪に埋もれている二合目は更に深く埋もれている その内埋もれてしまうのだろうなと思いながら登ってゆく 二合目を過ぎ標高1000mの標識のところで降りて来られる女性の方と出会う 9時頃から登り降りて来られたと挨拶を交わす 女性の方の素早い降り方を拝見すると相当な力をお持ちの方と拝見した

 左手前方の樹間から三鈷峰が見えてくる 冠雪した岩肌は登ってくる人を拒むような厳しさを見せている 登ってゆくに従い全貌が見えてくる また高度が変わる事により見え方も少しずつ変化してくるのも面白い

 四合目の標柱は気付かぬまま五合目に 五合目を過ぎるとブナの樹林は無くなり背の低い潅木が所々に顔を出している程度で全面雪の世界 左手下は元谷 元谷への下山口の標識と思われるものがあるがそこにあるのは雪の急斜面のみ 登山届に下山は元谷と書いたのがあり そうか元谷に降りるのも一つの選択種だなと思っていたがこの斜面ではいささかひるんでしまう

 見事な大山北壁の景観が前面に見えてくる 夏山では六合目の避難小屋で初めてその景観を楽しむ事が出来るものが随分下から楽しめる 北壁の景観が見えるものだからもう避難小屋まで来たのかな それにしても避難小屋はどうしたのだろうと思いながら登ってきた次第

 六合目に着く 避難小屋は出入り口をわずか残し雪の中 ここで、写真を撮っていると男性の方が下山して来られた この先の雪の状態を伺い ここの状態とあまり変わらないと伺い安心する 登山者の事を伺うと10名程登っているとの事であった

 六合目から傾斜は幾分急になる 雪は硬くも無く柔らかくもなく歩き易い 一歩一歩足元を確保しながら登る 雪面がアイスバン状態で無いので滑るという心配は無い今度は女性の方が降りて来られた お一人ですか すごいですねと敬意を込めて挨拶する 更に傾斜は急になってくるがルートは階段状に踏み固められておりそこを追っていれば恐くない

 急な斜面のところで男性の方と出会う この方もお一人 朝登ったが山頂はガスがかかり視界が利かなかったがなんとか晴れて見えるようになった でも遠景はきかないと話してくれた 初めての登山で6本爪ですが大丈夫でしょうかと伺う 朝はここはガチガチのアイスバン状態だった 今はもうくさっているが 登る時は登れるけど降りる時が恐いね でもくさっているから大丈夫だ 四本爪でも登って行く人がいるから 降りる時はかかとを良く踏み込んで爪をきかすと良い ここから滑っても右は元谷にトラバースして降りて行く人もいる位だし 左は急だからそちらには注意して まあ大丈夫だから と注意と励ましをして戴いた 雪がくさっているという表現を始めて聞いた

 この辺りの雪の状態を見ると所々深い穴のようなものがある 局部的に雪が解けている 深さは随分深いように見える こんな所にズボーとはまってしまったら大事だなと近づかないようにするが2ヶ所程 両側が落ち込んでいる所を通るところがあり迂回するのも大変だし 恐々通り抜けた次第

 八合目だろうか標柱の頭は判別できるが合は識別出来なかったがここまで登ると傾斜は緩くなる ここで3名のグループと挨拶しすれ違う 男性2名女性1名であった 登ってきたルートや北壁の景観が素晴らしい そしてダイセンキャラボクの群生地に出る 木道は一部木の面が出ている アイゼンの爪で傷が沢山ついている 雪面は木道と同じレベルにあり足跡もついているのでそちらを追う ここでまた3名の男性グループとすれ違う

 山頂は近いのだが結構時間がかかる 疲れが溜まっているのか足は重い 山頂小屋が見えてきて左の方に人影が見える 人影のいる方に廻る 5名の男性グループだ 湯を沸かし昼食らしい スキーやスノーボードを持ってきている 伺うと滑って降りるとの事 小屋の2階が雪面に出ておりここから出入り出来るとの事 だが中は真っ暗だと話を伺った その足で山頂に出る 山頂の石碑は埋もれてわからない

 山頂に立つと真っ白に輝く剣ヶ峰が飛び込んでくる 雲一つなくすっきりとした雄姿を見せてくれる 縦走路も美しい その先の三鈷峰や烏ヶ山も見渡す事が出来る リュックを置き カメラを持って弥山三角点に向けて尾根を歩く 北壁の景観が角度が変わる事により変わる 雪が落ち岩肌が現れている所は異様だ 尾根道は歩き易い 足跡もついているので恐い事は無い 三角点の所に立つと剣ヶ峰が正面に聳える ため息が出るような美しさだ 縦走する人がいるのか足跡のようなものが見える

 記念写真を撮り山頂に戻る 風も無く暖か 昼食ととっていると5名のパーテイーの3名がスキーを履いたり スノーボードを履いて山頂に登ってくる うわーすっげーと景観を見て感嘆の声をあげる 南の斜面を見て これを滑ったら面白いだろうな だけど戻れそうもないなと話している この斜面でも滑れるの?と聞くと ええと答える 雪崩は起きそうもなさそうだがと話していた 帰りは元谷に滑って降りるとの事 私には歩いて降りるのかとここまで登ったのに勿体ないというような口振りだった

 皆準備が出来たようで一斉に滑って降りてゆく あっと言う間に見えなくなってしまった さぞかし気持ちいいことだろう 誰もいなくなり淋しくなった 私も降りる事としよう

 登ってきたルートを戻る 下山は楽だ すぐに九合目に出る 右下を見ると先に滑り降りた連中が思い思いにシュプールを描き元谷に降りている 転倒している人もいた 彼らにとっては格好の遊び場なのだなと後ろ姿を追う 九合目を過ぎると傾斜がきつくなる 教わったようにかかとに力を入れ足元を確保しながら降りてゆく 雪がくさっていると言うのか柔らかいのでスリップする心配はしなかった むしろ雪面が急に陥没するような事が無いか心配しながら降りた 空中の楼閣のような場所は力がかからないよう降りていった 一度右足の雪が抜けた 素早く体重を左足に移し事無きを得た

 六合目まで降りると降りるペースもわかり順調に飛ばす 途中で3名のパーテイーを二組とも追い抜いてしまった 三合目、二合目の標柱は気付かなかった 夏山登山道でアイゼンを外し駐車場に降りる そこで元谷に降りた5名のパーテイーと出会う 彼らから無事降りてきましたと挨拶を受ける 充分堪能したお顔であった



 帰路は舛水ヶ原経由で溝口に降りた 舛水ヶ原は雪がほとんど無くなっていた

アプローチ
 今日は朝の犬の散歩を取りやめいつもより早目に出発したが生憎出勤時間と重なり高梁川沿いの新幹線と交差する辺りから渋滞 川辺橋までの約3.5Kmを14分かかってやっと抜ける

 川辺橋を抜ければ車の流れは良くなる 総社から180に乗り北上する 今日は全国的に高気圧が張り出し鳥取で17℃の最高気温との予報 4月上旬から中旬なみの気候との予報だが高梁に近づくとガスが出て高梁市街の気温表示は4℃と寒々しい 新見では6℃と太陽が昇り ガスが晴れるに従って気温が上昇してくる

 千屋付近はまだ道路工事をやっており片側交互通行の部分もあった ここに来ても道路脇の雪はすっかり消えている 明地峠のトンネルも片側通行であり入口で信号規制をしている 峠までくると道路脇に雪が散見するが車の走行には全く支障が無い

 明地峠のトンネルを抜ける 大山の雄姿が飛び込んで来るのを期待したがもやがかかり何も見えない 峠を降り日野川沿いを走るが烏ヶ山の姿を確認出来ない

 大山までは通常は溝口から舛水ヶ原に行き大山循環道で大山寺に行くのだが 大山循環道をノーマルタイヤで走れるか心配だったので少し迂回し岸本から大山の案内に従って右折し県道24に向かい、大山寺に行く 高度をあげてゆくと道路脇に雪が見られるようになってはきたが路面はノーマルタイヤで何ら支障なく大山寺の駐車場へ

 駐車料金は冬料金1000円と聞いていたが410円と言われ随分と得した気持ち 聞いてみるとスキーのリフトが動いている期間は冬料金で連休最後の23日まで動いていたとの事