着物リメイク
約50年ほど昔の話である。ちょうど団塊の世代が結婚適齢期を迎えていた頃のこと
その頃は、結婚するにあたって、新婦側は嫁入り道具として
「〈婚礼家具3点セット〉とか〈婚礼家具4点セット〉とかを準備すべし」という、不文律のようなものがあった
和ダンス・洋服ダンス・整理ダンス・下駄箱・ドレッサーなどをセットにしたものであった
それぞれの家具の引き出しは、当然ながら《カラ》ではない。中身をしっかり詰め込んで持って行く
嫁ぎ先では、お道具と中身を近所の人たちにご披露するという風習もあった
今では大問題になりそうなことが普通にまかり通っていた(ありえへん!!)
問題は和ダンスである。着付けもロクにできない嫁さんが
タンスにいっぱいの着物・・喪服から訪問着・小紋・普段着まで・・を持って行った
その後、時代の変化は早かった
入・卒業式には着物、お葬式には着物の喪服という風習は、あっという間になくなってしまった
「ハレ」の日ですらそうなのだから「ケ」(普段)の日などに着物を着る若い女性などいなくなった
和ダンスの中には、仕付けがかかったままの着物が出番のないまま眠っていた
大枚はたいて買いそろえた正絹の着物、虫干ししてはしまい、虫干ししてはしまいだった
着物は眺めるために用意したのか、目の保養か
子育てを終え、仕事もリタイアした頃から、この着物を何とかしなければと思うようになった
着るのにはもう派手になっていたし、何より着ていくところがなかった
〈どうしよう~〉と思っていた時、婦人雑誌「いきいき」で着物リメイクの記事を見た
簡単に、手縫いででもできる着物リメイクのお手本が掲載されていた
図書館に行くと、その種の本が書架にたくさん並んでいた
それらの本を参考にして、少しずつ手持ちの着物や譲り受けた着物をリメイクしていった
ちょうどへバーデン結節がひどくなり、パッチワーク続けるかどうか思案していた頃だった
渡りに船とばかり、パッチワークから着物リメイクへ舵を切った
上物の着物にハサミを入れるのを、ためらう気持ちがなかったわけではないが
着物も、タンスの肥やしになるよりは、形を変えてでも日の目を見た方がうれしかろうと
思い切ってジョギジョギと切り刻んでいった
素人が作ったものだから、多少というよりは、かなり雑な仕上がりになったが、今でも時折着ている
正絹は軽いし暖かい。着心地抜群である。着物としては着てあげられなかったが、それで許してもらっている
〈ゴミとして処分されるのは、あまりにも勿体ない〉から作り直した着物
どんなものに変身したのか、見てやってください
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