伊良谷山〜毛無山〜烏帽子山 縦走


伊良谷山 1149m 毛無山 1144m 烏帽子山 1225m
難易度 ☆     登り50分 縦走90分 下り65分   広島県
倉敷からの距離    139Km        登頂日 ’99/09/26    ガイドブック 

六の原駐車場10:45−11:02滝−11:10アト1Km−11:31伊良谷山鞍部−11:37伊良谷山−12:08毛無山12:38−12:50分岐−12:55ききょが丘−13:02出雲峠13:10−13:20渓流−13:23アト1Km−13:37烏帽子山13:50−13:55分岐−14:07合流−14:20八合目−14:28七合目−14:48合流−14:54駐車場

登山 
 伊良谷山(いらだにやま1149m)毛無山(けなしやま1144m)烏帽子山(えぼしやま1225m) いずれも比婆郡西城町の山 ききょうが丘のキキョウに期待して訪ねる

 県民の森公園センターに立ち寄り案内図を入手 六の原には何回か訪ねたが ここを訪ねるのは初めて 六の原周辺地図など3種類のリーフレットがあり役に立つ 大浴場もあり入浴料は400円 紅葉の時期を訪ねたところ10月中〜下旬との事

 これまで幾つかルートを登っている 伊良谷山に直接登るルートはまだ登っていないのでそのルートを登り 毛無山〜ききょうが丘〜出雲峠に出る 余裕があれば烏帽子山に足を伸ばし ブナ林コースを降りる事に

 六の原の大きな案内図の右手に伊良谷山2.8Kmの標識がある そこが登山口だ 標識に従って登ってゆくとキャンプ場の工事とかで迂回路が準備されており そちらを行く 珍しい花を見つけた ヤマボクチらしい キク科アザミ属との事 調べた本と撮影した葉が少し違うので間違っているかも知れない ユキザサが赤い実をつけている 花の時より目立つ

 迂回路を通り抜け登山道に入る 整備された道で しかも勾配がなだらか 道幅も広い 子供を連れて手を引きながらでも登ってゆける 落葉樹林で紅葉が期待される 台風によるものだろう クリ ドングリ ヤマボウシなどの木の実が散乱している ドングリも色々な種類がある ミヤマアキノキリンソウ アキチョウジが所々に顔を出す やがて左手前方に滝が見えてくるがそう迫力は無い

 あと1Km地点を過ぎた辺りにシャクナゲの群生が見られた 花の季節が期待される シャクナゲの木の足元にシキミが実を付けていた そう言えば亀ヶ岳では蝉の鳴き声が聞こえたがここでは全く聞こえない 小鳥が時折澄んだ声でチッチと鳴く 木漏れ日がさし 風が吹くと 木漏れ日もゆれる 同時に心地よい風が通り抜ける 勾配がゆるやかで足取りも軽い キバナアキギリ ゴマナ オオカニコウモリが顔を出す

 鞍部に出る 牛曳山からの縦走ルートと合流する 道幅が少し狭くなるが 難しい所は無い 急に色々な花が顔を出し メモ書きがいそがしくなる ヤマラッキョウ ミヤマアキノキリンソウ ツルリンドウ ツリガネニンジン センブリ ナデシコ ワレモコウと続く センブリは咲き始めた所のようだ ナデシコはもう艶やかさが失われている

 伊良谷山山頂に出る 比婆連峰を前面に見る事が出来る 大山も遠望出来る筈だが今日はその姿を確認出来ない

 伊良谷山から毛無山の尾根道も花が続く ツリガネニンジン ミヤマアキノキリンソウが次から次ぎと顔を出す ヒキオコシ ツルニンジン ヤマラッキョウ サワフタギ ヤマボウシ ウメバチソウ マツムシソウ シラヤマギク オオカニコウモリ ゴマナ ユキザサの実 キュウシュウコゴメグサなど サワフタギ ヤマボウシは木の実である 特徴があるのでなんとかわかる

 毛無山山頂は広い草原となっており あちらこちらで昼食休憩をとっている 数えて見ると20名もいた 広々しているのでそれほどの人数とは思えない ここに寝ころんで昼寝をするのも良いかも知れない ユウスゲが咲いていた場所はその面影を何も残していない 周辺を見回すとマツムシソウが幾つか咲いていた もう勢いが無い リンドウを見つけた 一花やっと開いた所である

 地図を出し山座同定を行う 猿政山の右手奥に見えるのがどうやら三瓶山のようだ大万木山も見える

 毛無山を出雲峠目指して降りる 途中にききょうが丘がある コルの辺りが分岐になっており 六の原からのルートと繋がっている 分岐のすぐ手前で タンナトリカブトの群落に出会った 一つの枝に数十の花をつけ実に見事 調べると同じような花で サンヨウブシと言うのがある 同じ属であるが 前者は毒があり後者は毒が無いとの事 葉の状態で見分ける由 写真を確認し 葉の切り込みが深いのでタンナトリカブトのようだ 同じような花でも微妙な違いがある

 さて待望のききょうが丘 花の姿は全く見られない キキョウが咲き乱れている状況を頭に描いてきたのだが 実に残念 9/19には上蒜山でキキョウに出会っている 昨日は亀ヶ岳で出会った 今日は期待していたのに

 咲いていないものは致し方ない 出雲峠に降りる 95/9/15初めて出雲峠を訪ね マツムシソウの群落に目を奪われた記憶がよみがえる ききょうが丘から降りてくるとその場所を通らないので 出雲峠から毛無山に通じる別のルートを少しゆくと 草原が広がる そこで出会えたのはマツムシソウの花の最後の状態 勢いは無く 色合いも薄い 周辺の草は伸び 残念ながら記憶の残像を映し出すには随分とかけ離れていた

 出雲峠周辺は花が豊富であるが 店じまいに入っている ミヤマアキノキリンソウ ツリガネニンジン マツムシソウ フシグロセンノウと花には出会えたが勢いが無い ギボウシは花が終わり実をつけている

 まだ時間があるので烏帽子山を目指す 桧の樹林の中を登ってゆく こちらの登りもさほどきつい所は無い 小鳥の声がときおり聞こえてくる 降りてくる人 登ってゆく人に何人も出会う

 烏帽子山山頂まで一息 山頂は結構広い 烏帽子岩 条溝岩と特徴のある岩があるので見ておくと良い 条溝岩はこれまで気が付かなかった 烏帽子岩から見る猿政山などは角度が微妙に違い面白い 周辺には ツリガネニンジン ミヤマアキノキリンソウ ヤマラッキョウ ツルリンドウ マツムシソウと花が咲いている

 烏帽子山から比婆山の御陵を目指し 分岐をブナ林の方向に進む 初めてであれば比婆山に向かったら良い 比婆山は登った事があるのでブナ林ルートを行く ブナ林はブナ特有の落ち着きがあり好きだ ここのブナ林はブナの純林であり天然記念物とリーフレットに記載がある なかなか美しい 足元には ユキザサの実があちこちでルビー色をたたえている スイイチスイイチ チリリリリと澄んだ小鳥の鳴き声が聞こえてくる 文字で鳴き声を表現するのは随分と難しい 文字にした途端 違ったひびきになる

 驚いた ブナの大木が倒れている まだ倒れて間がないようだ 先日の台風の為だろう ルートをふさいでいるので根っこを迂回する 斜面にルートを切り開き迂回する

 比婆山からの下山路と合流する ヒノキの樹林を抜ける 樹林が切れ立烏帽子山 池の段が前面に現れてくる 見覚えのある光景だ またヒノキの樹林に入る 降りてゆくと次第に花が顔を出す アキチョウジ アザミ ミヤマアキノキリンソウ サンインヒキオコシ シシウド アケボノソウ キバナアキギリなど 花が顔を出してくるともう下山口は間近

 広い道に出 渓流沿いを駐車場に向かう 渓流は美しい 渓流沿いにもみじがあり紅葉が期待される 数人の方がキャンパスをセットし絵を書いていた 左手には草原が広がる 六の原の一番美しいところだ


アプローチ
 登山口は広島県民の森の六の原から 180新見〜182東城〜314と進む 県民の森の標識に従い進んでゆくと六の原駐車場に出る