十方山 紅葉輝く


標高 1319m  難易度 ☆☆     登り100分 下り80分   広島県
倉敷からの距離    207Km        登頂日 ’99/11/14    ガイドブック 

駐車場(登山口)8:15−8:20分岐−8:39合流−8:44谷筋渡り−8:55尾根−9:10五合目−9:15鞍部−9:34前方開ける−9:46遭難の碑−9:54山頂10:10−10:15遭難の碑−10:36鞍部−10:40五合目−11:03分岐−11:14主ルート=11:19瀬戸の滝=11:23主ルート合流点−11:31分岐合流−11:34駐車場 

登山 
 十方山(じっぽうざん1319m)は アルペンガイド「中国・四国の山」を初めとして幾つかのガイドブックに紹介されている山で期待が持てる 二つ星の山
 いきなりの急登である これは大変と思ったが 数分で分岐へ 瀬戸滝は帰路に寄る事が好ましいと記載があり 分岐を十方山にとる 比較的楽な登り 20分程で瀬戸滝からのルートと合流する

 合流してからしばらくの谷筋のルートの紅葉が素晴らしい その紅葉は尾根筋に出るまで続く 太陽に照らされている部分が光の帯になっている 太陽が登るのと高度をかせぐのと両方が相まって光りの帯に近づいてゆくが あと少しの所がもどかしい 尾根に出、ついに光のただ中に立つ 尾根の両サイドに輝く紅葉の帯 素晴らしい光景だ 先に歩いていた人も立ち止まり 光輝く紅葉を堪能している 美しいですねと美しさを共有する感嘆の言葉が自然に出る

 尾根からは太陽を背にしてなだらかな尾根道を登ってゆく 鮮やかな紅葉は次第に消え 木の葉をすっかり落葉した樹林の合間を抜けてゆく

 小さなピークの手前が五合目 ピークを右に巻くようにして降りてゆく 足元にはイワカガミが群生してとガイドブックに記載があるとおりイワカガミの肉厚の葉が一面に生えている 花咲く春はきっと素晴らしい光景が待っていよう

 若干のアップダウンがあるが勾配は大した事は無い まだあのピークを越え更にその先と足が弾む 鞍部を越え ピークを過ぎてゆくと前方が開け山頂が見えてくる 前面に笹原が広がる 遭難の碑がありそこに人が休んでいた そこが山頂かと思ったが 山頂はそこから更に10分程登る

 十方山と記載した標識があり 展望は思うがまま しかし 恐羅漢山や砥石郷山方面はすぐ近くのピークに隠れ見えない とんがったピークが見える どうやら安芸(吉和)冠山のようだ その他の山々は似たような感じでなかなか同定が出来ない

 山頂では私を入れ3名 それぞれ単独登山 一人の方はシシガ谷から登ってきた 内黒峠には三段峡のところで林道を迂回するルートを教えて貰ったとの事 登ってきたルートからは恐羅漢山が良く見えた由 紅葉は特にコメントが無かったので特筆する所は無かったようだ もう一人は私と同じルート 駐車場にもう一台車があったが誰とも出会わなかったと 前日はどこ その前の金曜日は雨と風の中三瓶山に登ったとあちこちを尋ねている様子

 もう一山尋ねたいのでとお先に失礼する 往路を戻る 次から次ぎと登ってくる人と出会う 登る時に追い抜いた人とも出会い挨拶を交わす 五合目付近であとどの位かかるか聞かれた ここまで2時間半かけて登ってきたとの事 半分は登ってきたからと励ます また,子供連れもいた ルートにそう難しい所がないから大丈夫とは思うが 山頂まで相当時間がかかるだろう

 瀬戸滝へ分岐を降りる 比較的急勾配 このルートの紅葉も素晴らしい 紅葉樹林の中に入ってしまうので全体を俯瞰するのと少し趣が異なる 素晴らしいと思って撮った写真が何枚かあるが訴えるものがどこか茫漠として焦点が定まっていない 紅葉の光の中に入ってしまい 上手く構図を設定する事が出来なかった でもきれいであった

 分岐を降りると 瀬戸滝へ行くルートに出る 滝音がするので音のする方向に進む 滝が見えてくるがルート上からは良く見えない 滝壺の方に降りてゆく人がいたのでその後を追う なかなか険しいルートで一人であったら降りるルートか判別出来たか疑問 先に行く人はどんどん降りていったが 私は全貌が見える段階で写真を撮り戻る 落差47mとの事でなかなか見事 囂々という滝音も相当なもの 紅葉に飾られていると更に良いのだが

 滝を見て戻る 登る時,滝を先に見るルートを選んでいたら 十方山への登山ルートを見つける事が出来たか心配である 案内標識などに気が付かなかったし 取り付き点に赤いテープが巻いてあった 降りてきたから判るものの初めてではどこが登りか判断に迷ったと思う

 駐車場に降りたのが11時半 5時間のルートをなんとか3時間でカバー出来た もう一山尋ねよう


アプローチ
 山陽自動車道〜中国自動車道 吉和から県道296を行くと右手に駐車出来るスペースがあり左手に登山道の標識がある 207Km 

 当日は益田を出発 吉和に出るのにどのルートを選んだら良いか迷ったが距離的に近そうだしルート途中にもみじマークがあり紅葉も期待された事から国道488経由を選んだ 十方山登山は所要5時間と記載 時間があれば安芸冠山を狙いたい 7時頃から登り12時に降り 次ぎの山へと目論む

 朝6時まだ暗い中,益田を出発 気温が相当下がっていよう車の窓が曇る 国道9号を走り 488を左折する 次第に明るくなり周辺の景観が判別出来るようになる 匹見川沿いは素晴らしい景観 車を止めて写真を撮る 心配していた道路事情もまあまあと思っていたらここからが難所 すれ違い不能 大型車通行止めと記載がある ここに入る少し手前に戸河内方面への県道分岐があったが 県道の状況はわからない ここまで走ってきたので国道9号まで引き返す訳にゆかない そのまま難所を走る

 裏匹見峡は地図にもみじマークがあった所 難所ではあるが紅葉が素晴らしい 道路が紅葉のトンネルになっている 早朝で明るさが足りないがそれでも感動を与える 道は山をどんどん登ってゆく 左手は谷 谷と対面するように岩峰が聳える 鈴ヶ岳810mのようだ 谷筋に広がる紅葉,岩峰には紅葉した木々が絶壁に取り付き彩りを加えている カメラをセットして景観を撮影している人に出会った

 太陽が次第に顔を出す 太陽に照らされた山肌は輝き 照らされていない山は暗い 暗さが明るさを引き立てる 山は相当に冷え込んでいる 霜で草は白くなり 霧氷で覆われた樹木まで現れる 別の世界に飛び込んでしまった感じである

 難所は20Kmほどあったのだろうか やっとの思いで国道184に出る 吉和に向けて走り 県道296戸河内の標識に従って左折 2車線の道路でこのまま走れるかと思ったらすぐに1車線となり対向車に留意しながら進む 登山口を見つけられるか心配であったが すでに5台程駐車しており十方山登山道の標識を見て一安心 なんと 2時間余りを要してしまった 益田から79Km