立烏帽子山・池の段



立烏帽子山 1299m 池の段 1280m
難易度 ☆☆    登り78分 縦走14分 下り71分   広島県
倉敷からの距離    138Km        登頂日 2022/11/10   ガイドブック  写真 動画

六ノ原7:16−7:44展望園地7:45−7:50合流−8:35立烏帽子駐車場8:36−8:57立烏帽子山9:03−9:13鞍部−9:17池の段9:18−9:40越原越−9:59_1.7Km−10:20合流−10:29六ノ原

登山 
 今日は立烏帽子山(たてえぼしやま1299m)から池の段(いけのだん1280m)を訪ねる
 登山支度をして出発する 曇り空のようで陽射しは得られず、紅葉した木々も色がくすんでいる 車で走ってきた方へ戻るようにして少し進み 公園の左手からキャンプ場に向かう幅広のルートを行く 花は冬支度 何とか花の形をとどめているシロヨメナを見つける 落ち葉が幾層にも重なっている まだ色づいた木々の下を歩いて行く 陽射しが得られないので鮮やかさが得られないものの落ち着いた秋を味わう事が出来る 分岐を左に折れ 砂利道の幅広いルートを登って行く 

 ルートは樹林の中 紅葉した木々の中を行く ブナが多く黄色が主体だ 少し登ると展望園地への分岐がある 今日も展望園地経由とする

 緩やかな登りのルート 花や実らしいものは見られない 足を伸ばしウオーキングを楽しむ 樹林から抜け 景観が広がる 園地斜面の草は刈られ整備されており花は見当たらない 展望園地に出る 園地から毛無山 伊良谷山 牛曳山と六の原を取り巻く山並みを展望出来る

 展望を一望してルートを行く 少し下り 直登ルートとの合流点から立烏帽子駐車場へ向かう ここまで幅広のルートだったが、狭くなり且つ土の道となる ここも落ち葉が降り積もっており それなりの雰囲気がある ほぼ平坦なルート ぐいぐいと足を伸ばし、歩きを楽しむ 落ち葉に隠れるようにしているツルリンドウ*(*は実を意味する)を見つけた 落ち葉を取り除きカメラに収める 宝物を見つけた感じで嬉しい

 ブナの大きな樹のあるところに出る ここも好きなところ この辺りはユキザサ*が見られるスポット 周辺を見回しながらルートを行く なかなか見つからないなと思っているところで見つける事が出来た ツルシキミの花芽ならびにその赤い実もすぐ近くで見つける事が出来た 
 
 樹間に立烏帽子山が見えてきて良さそうだがガスが出ているようで判別しにくい 進むに従いガスが濃くなる 立烏帽子駐車場に出る ここまで車で来れるのだが、今日は一台も見られない 駐車場に入ってすぐ右手に新しく 比婆山のブナ純林*1) と書いた説明板が設置されていた 令和2年10月とある 隣に大きな 古事記への路*2) とした案内図がある 劣化して文字の判別が難しかったがネットを調べ 文字起こしをした 参考にしたサイトはこちら 尚、休憩小屋があるがロープが張り巡らされ利用出来ないようだった
 
 休憩小屋の裏手のルートを行く 入ったところに 天然記念物 ブナ純林 と書いた案内がある 分岐を左にとりジグザグにルートを登って行く 山頂まで0.5kmとの事 ガスは益々濃くなる 少し離れたところは全くわからない 花は無く趣のあるブナを楽しみながら登って行く ルートにちょっとした岩壁の登りがある それを過ぎないと山頂に行けない 次を曲がったところかなと思う事を繰り返しながら登って行き ちょっとした登りに出る 足場を選び階段を登るようにして登って行く 今度は大きなブナの倒木 これはと思ったが潜り抜ける余裕があり支障なく抜ける そして立烏帽子山頂に出る

 山頂には標識があるだけで展望は得られない このガスでは池の段での眺望は望めない 山頂標識のところで記念写真を撮る事とする 麦茶を飲みながら撮影の準備をする 何気なく周辺を見たら 何かの実 何の実かわからないがカメラに収める 帰宅してネット検索 画像検索はレンズ機能で検索画像を絞り込める機能がつき、検索精度はさらに向上したように思う 幾つか似た写真を示してくれる サルスベリ*と良く似ていた

 立烏帽子山山頂を少し池の段へ向けて進む 池の段へ向かう縦走路は展望が開け、花も多く 楽しみなルート されど今日はガスで全く山容は伺えない タニウツギ* コマユミ*を見つけながらルートを降りて行く 時折コルが顔を見せてくれる 左から右にガスが流れ 見える部分が広がったり狭まったり 見えなくなったりする 隠れているものが見えるというのは 何故か特別の待遇を受けたような感じになる 

 コルに出て そこから池の段へ登る コルには駐車場からも直接来る事が出来る ガスで様子が把握し難いがどなたもおられないようだ 

 コルから池の段山頂へのルートは いつもなら花と戯れるようにしてカメラに収めたり 花を見つけて寄り道したりして登るのだが 今日は花はなく 淡々と登り数分で山頂に 山頂にはどなたもおられない 視界は全くきかない 近くのケルンすら見えない 風があり寒い すぐに下山する

 下山は越原越を経由して六の原へ向かう 途中 男性お二人とすれ違い挨拶を交わす 越原越から公園センターへ降りて行く 標識に2.5kmとある 緩やかな下り テンポ良く降りて行く キバナアキギリ*が群生しているところを抜け 木橋を渡ると1.7km地点に出る そこから自動車が走れる程の道幅となる ガスが消えて青空が見えてきた 花が期待される ノコンギク ヨシノアザミ オトコエシ シロヨメナ ゴマナ*に出会う ゴマナ*の綿毛は美しい これも知らなかったもの ネットで調べてわかった 今度は色どり鮮やかな木々が出迎えてくれた 

 紅葉を楽しみながらルートを行く 渓流(六の原川)沿いの紅葉もいい 草芝の広場に出る手前に 鉄穴流しの洗場跡*3) と書いた案内板があった これまで気づかなかった 草芝の広場に沿ったルートにも 六の原製鉄場跡*4) と書いた説明もあった こちらは平成30年(2018年)との事なので前回訪ねた2016年には無かったもの 昭和45年に広島県民の森が造成され、その時に遺跡が発見されたとの事 草芝の広場を過ぎ 六の原川を渡ったところ(公園センターの斜め前)にも 比婆山周辺の文化財案内*5) も設置されていた これは平成29年3月との事 先月この前を歩いたのだが渓流に気をとられていたのか気づかなかった 駐車場は車が増えていた 車載温度は13℃だった

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*1)国天然記念物 比婆山のブナ純林
昭和35年7月15日指定
庄原市天然記念物 比婆山のイチイ群
昭和43年6月10日指定
平成29年8月18日追加指定
 比婆山のブナ純林は下層植生にクロモジが密生するブナークロモジ型の森林です。
 日本のブナ林は下層植生の違いから日本海型と太平洋型の二つの型に分けることができますが、比婆山のブナ林はハウチワカエデ・エソユズリハ・ハイイヌガヤなどがよく見られる日本海型と、コハウチワカエデ・タンナサワフタギ・オオカメノキなどが多い太平洋型の植物が入り混じった珍しいブナ林です。日本列島のブナ林の性格を調べていく上で大変重要な森林です。

 イチイはイチイ科イチイ属の樹高15−20mに達する常緑の高木です。日本では北海道−九州に分布していますが、暑さに弱いことから西日本での分布は標高の高いところに限定されています。
 比婆山のイチイ群は伊邪那美命(いざなみのみこと)の御陵と伝承されている比婆山の峰に群生し、幹回り3m以上
のもの1本、lm以上のもの94本などがブナ林の中にあることが、平成28年度の調査で確認されています。また、比婆山の西城町側だけではなく、比和町側にもイチイ群の存在が確認されていることから、庄原市天然記念物として平成29年度にその範囲を追加指定しました。
令和2年10月 庄原市教育委員会
 

*2)全体案内図
古事記への路
「故(かれ)、其(そ)の神(かむ)避(さ)りましし伊邪那美神(いざなみのかみ)は、出雲國(いずものくに)と伯伎國(ははきのくに)との堺(さかい)の比婆之山(ひばのやま)に葬(はぶ)りき」
 日本最古の「古事記」に、国生みの神・伊邪那美命を葬ったと記されている比婆山は、古くから信仰の山として遠く島根県、鳥取県、岡山県などからも参拝者が訪れ、さまざまな産物や文かが往来した交流の地でもあります。
 県道比婆山公園線が通る熊野・比婆山一帯は、神眠る山にふさわしく、古事記にちなんだ伝説をはじめとする独特の文化や歴史が今も息づいています。
 古事記への路は、美しい自然の中でくつろぎながら日本文化の源流ともいえる神話の世界をたどる道。道沿いのサインを目印に、「古事記への路」を歩いてください。
 

*3)鉄穴流しの洗場跡
広島県史跡 六の原製鉄場跡
昭和46年7月30日指定
 この洗場跡は、鉄穴(かんな)流しの方法によって山砂鉄を採る作業工程の最後の作業場にあたるところで5つの池(砂鉄採取施設)で構成されています。これらの池が、2本の流れから成っているのは、交互に使ったり、また同時に使ってより多くの砂鉄を採ったためです。
平成2年3月
 

*4)広島県史跡 六の原製鉄場跡
指定年月日 昭和46年7月30日
所 在 地 庄原市西城町油木字川奥乙5156番2他
 比婆山連峰の周辺では、古来よりたたら製鉄が盛んに行われてきた。江戸時代には「当群第一の産業、諸民これによりて生活するもの甚だ多し」(『芸藩通志』・文政8年)というほどで、いつの頃からか「東城西城黒鉄(くろがね)ところ」と謳われてきた。
 ひろしま県民の森が造成されていた昭和45年、その工事中に発見されたのがこの遺跡である。砂鉄の採取から製鉄までの一連の遺構が残されており、なおかつ近世から近代にかけて操業していたことが分かる史料的裏付けのある製鉄遺跡として注目された。
 遺跡の大部分は保護のために埋め戻され、金屋子(かなやご)神社付近の芝生の地中にある。しかし、砂鉄採取の最終工程の施設である洗池(あらいけ)は保存状態が良かったこともあり、現在も砂鉄が採取可能な状態で保存整備されている。
平成30年3月 庄原市教育委員会
 

*5)比婆山周辺の文化財案内
 和銅5年(712)に記された日本最古の歴史書である古事記に「故(かれ)、其(そ)の神(かむ)避(さ)りましし伊邪那美神(いざなみのかみ)は、出雲國(いずものくに)と伯伎國(ははきのくに)との堺(さかい)の比婆之山(ひばのやま)に葬(はぶ)りき」とあります。ここに記された比婆山の所在地については諸説ありますが、当地の比婆山御陵も候補地のひとつであり、遥拝所である熊野神社とともに古くから篤い信仰を集めてきました。このような背景から、熊野神社から竜王山(りゅうおうざん)を経て御陵に至るまでの一帯が「比婆山伝説地」として昭和16年に広島県史跡に指定されました。・
 そして、岡辺には貴重な文化財が数多く所在じています。 県民の森の造成時に発見された、江戸時代終わり頃のたたら製鉄遺跡である「六の原製鉄場跡」は県史跡に指定され、その一部は実際に砂鉄が採取可能な状態で保存されています。また、中国山地西部の清冽な渓流にのみ生息するイワナの亜種『ゴギ』(県・市天然記念物)の姿も見ることができます。
 他にも、御陵山頂部を覆う豊かなづナの森は「比婆山の純林」として国の天然記念物に、そのプナ林内に点在するイチイは「比婆山のイチイ群」として庄原市の天然記念物にそれぞれ指定されています。また、熊野神社境内に林立する巨杉群は「熊野神社の老杉」とて県の天然記念物に指定されています。
 さらに、日本有数の巨樹である「熊野の大トチ」(国天然記念物)などもあります。
平成29年3月庄原市教育委員会


アプローチ
 今日も暗い中、倉敷を出発 車載温度10℃ 酒津から高梁川に沿って走り川辺橋 総社大橋と抜ける 豪渓泰橋8℃を確認 180号へ左折し高梁川に沿って北上する 井倉7℃ 新見6℃と10℃を切る温度となってきた 新見の市街地に入った辺りから明るくなってくる 市街地を抜け三叉路で180号と別れ182号へ左折し東条へ向かう 新見トンネルを抜ける 前回同様山はガスで覆われている 車は次第にガスに入る 道の駅鯉ケ窪付近が前回同様一番濃いようだ、今回は前回よりは前方の見通しがきいた 東条で314に乗り北上して行く 市街地に入るとガスは薄くなるものの、東条トンネルを抜けても青空とはならなかった 小奴可では前方に猫山を見る事が出来た 備後落合3℃を確認し183と合流 すぐに別れそのまま314を北上する トンネルを二つ抜け比婆山温泉のところを県民の森の案内に従い左折 次のT字路を右折して道なりに走ると広島県民の森 六の原駐車場に出る ここに車を置かせて頂く 車載温度は4℃ 183を庄原の方から走ってきて、私の前を走っておられた車もここを目指しておられ、たようで、登山支度をされていた