立烏帽子山・池の段



立烏帽子山 1299m 池の段 1280m
難易度 ☆☆    登り114分 縦走25分 下り84分  広島県
倉敷からの距離    138Km        登頂日 2025/10/23   ガイドブック  写真 動画

六ノ原7:45−8:14展望園地8:17−8:22合流−9:12立烏帽子駐車場9:17−9:47立烏帽子山9:55−10:11鞍部−10:20池の段10:29−10:58越原越−11:19_1.7Km−11:42合流−11:53六ノ原

登山 
 今日は立烏帽子山(たてえぼしやま1299m)から池の段(いけのだん1280m)を訪ねる 
 登山支度をしていると隣の車の男性がセンターの方から来られて登山支度を始めたので、挨拶を交わす 私と同じルートを行き、縦走する計画との事 私は縦走はきついので越原越で降りるといいお先に出発する 陽射しがまぶしい 車で走ってきた方へ戻るようにして少し進み センターの左手からキャンプ場に向かう幅広のルートを行く シロヨメナ イタドリが最後の姿を示している ノブキ*(*は実を意味する)が顔を見せるがぐっと数を減らしている どんどんと冬に向かっている 立烏帽子駐車場への案内を見て左に折れ 砂利道の幅広いルートを登って行く 

 ルートは樹林の中 少し登ったところに展望園地への分岐がある 今日も展望園地経由とする あれ! 丸太の階段になっている 前回訪ねた時(2024/5/14)の写真と比べ更新されている事を確認する しかし、今回は大変登り難い 丸太の上にバランス良く立つのが結構難しい 若い人ならポンポンポンと登ってしまうのだろうが・・・

 緩やかな登りのルート ヤマアジサイ* コアジサイ*が顔を見せてくれたが花は見られない 気温も寒からず暑からずで丁度良い ジグザグにルートを登り丸太の階段から20分程登ると樹林から抜ける 陽が射し込む 展望園地の斜面を左に巻くようにしてルートを行く 園地に出たところ男性お一人がおられ挨拶を交わす またすぐ後から駐車場でお隣だった男性が登ってこられ 期せずして3名 いい天気で気持ちいいですねと挨拶を交わす ここからは毛無山 伊良谷山 牛曳山と六の原を取り巻く山並みを展望出来る あそこに雲がかかっているところに大山がちらっと見えますと教えて戴く それぞれがそれぞれの形で休まれる 私はお先にとすぐ次へ向かう

 ルートは少し下り 直登ルートとの合流点から立烏帽子駐車場へ向かう ここからはルート幅が狭くなり且つ土の道となる ほぼ平坦なルート 歩きを楽しむ 紅葉に出会えないかと期待してきたが、その気になってみれば少し色が変わってきてるかなとも見れるが赤や黄色からは程遠い 昨日辺りから冷え込みが厳しくなってきたから、紅葉もそろそろスタートするだろう
 
 気温も丁度良く 体調もそれに応じて乗っており 久しぶりにぐんぐんと歩いた だが、その影響が出て足が重くなる 幸いルートは実が期待されそう ゆっくりと探すには丁度良い 後からスタートされたお二人には道を譲って先に行っていただく
 
 ブナの大きな木にきのこがびっしり 先に行かれた方が写真を撮られておられたので伺うと ツキヨタケと言って猛毒ですよ 夜には青白く光るのですよ と教えて戴く 夜青白く光っている様子を想像してみると、何か異様な感じがする きのこにはいろいろと出会うが判別が難しそうなので触れないようにしている
 
 この辺りはユキザサが見られる筈とルート右手に注目しながらルートを行く 赤い実を見つけた、喜んでカメラの収める 近くにツルシキミ*も顔を出していた 幾つかその後もユキザサ*が顔を見せてくれた ブナの大木の樹の形もいい やがてルートは鋭角に右にカーブする ここを曲がるとあとは立烏帽子駐車場へ一直線 右手前方の樹間に立烏帽子山が見えてきて 立烏帽子駐車場広場に出る
 
 駐車場には六ノ原の駐車場でお隣におられた男性が休んでおられたが私が着くとすぐに出発された ツキヨタケを教えてくれた方はおられなかった 駐車している車は無かった 駐車場に入ってすぐ右手に比婆山のブナ純林*1) と書いた説明板が設置されている 隣に大きな 古事記への路*2) とした案内図がある その奥に休憩小屋があるが相変わらずロープが張り巡らされた状態 トイレも設置されている 麦茶で喉を潤し出発する
 
 休憩小屋の裏手のルートを行く 入ったところにコマユミ*の実が 赤い特徴ある実 その隣にはリョウブ*の地味な実 ルートを少し行くと分岐がある 分岐を左にとりジグザグにルートを登って行く 山頂まで0.5kmとの事 足元に注意しながらルートを登って行く コアジサイ* ヤマアジサイ*がルート脇に顔を出す 赤い実を見つけられないか右手谷側を時々見てはルートを行く 足元に注意が必要なのでそうじっくり見ているわけにゆかない ツルリンドウ* フウリンウメモドキ* ガマズミ*を見つける事が出来た いずれも離れたところなのでズームで撮る なんとか撮れた 
 
 ルートを行く ルートにちょっとした岩の登りがある 足場を選び四つん這い状態になり登って行く そこを越えると山頂は近い おや! 大山だ 右手樹間にくっきりと見える でも手前の樹が邪魔をして大山にピントが行かない 少し登っては確認しやっと1枚パチリ 池の段に出ると何の苦労もなく大山を見る事が出来たが これはなんとかポイントを探して撮った1枚だ そしてルートを行く 山頂に出る直前 左手に竜王山の長い尾根を展望できる そして山頂に出る

 山頂には標識があるだけで展望は得られない 麦茶休憩をして、池の段を目指す アキノキリンソウが1輪花の姿を留めているのを見つけた コマユミ*がいくつも顔を見せてくれた ホツツジ* ガマズミ*も見つけたが リンドウに代表される秋の花には出会えなかった ルートからの眺望は良く 竜王山から福田頭 そして池の段への縦走路を伺う事が出来る ルートは刈られた笹がルートを覆うようにしており足元が見えない 足元を確認しながら降りるのは随分気苦労がいる

 コルに出るが花の様子は見られない ここにはイワショウブが咲く イワショウブの実でも見つけられないかと登っていったが残念ながら見つけられないまま山頂に出る
 
 池の段山頂からは360度の景観を楽しめる 吾妻山 その先に猿政山 右に転じ比婆山 烏帽子山 毛無山 伊良谷山 牛曳山 立烏帽子山 竜王山 福田頭といずれも訪ねた事がある山並だ 立烏帽子山の左手には大山が肉眼でもうかがえる 山頂広場にはどなたもおらず、独り占め状態 大山と立烏帽子山を背に記念写真を撮る
 
 池の段の尾根には花の気配が見られないのでそちらには寄らず下山する 

 下山は越原越を経由して六の原へ向かう 草原の斜面、岩がごろごろしている 足元に注意しながら降りる そうだここを入ったところでイワショウブに出会った事を思い出し横道に入る 正解! イワショウブの実に出会う事が出来た そしてルートに出る 出たところにもイワショウブ*が顔を見せてくれた 今度はウメバチソウ*これも嬉しい 三ケ上で出会ったヒカゲノカズラが近くにいた 思いがけない出会いを喜びルートを降り、樹林に入る
 
 樹林に入るとごろごろした岩は無くなり歩きやすくなる ルート脇の実を探す ここでもコマユミ*が顔を出す タンナサワフタギ* サワフタギ*が顔を見せる 花では違いがわからないが実となると全く違う エメラルドブルーは実にいい色だ
 
 何人かとすれ違い、挨拶を交わしながらルートを降りて行く 越原越に出る すぐ先の分岐を公園センターに降りて行く ここは常緑樹の樹林だ 足元に水が出ているところもある 渓流を渡るところで3名の学生風の方が何かやっている 伺うとゴギの生態調査をしているとの事 ご苦労様と言って別れたがすぐ先の1.7km地点の広場に車が一台駐車 河川調査 愛媛大学理学部と書いた紙がリアウインドウに貼ってあった ゴギは聞き間違えかなと思ってネットで調べると 「中国地方の渓流に生息するイワナの仲間で、「幻の魚」とも呼ばれる希少な魚」との記載があった
 
 1.7km地点からはルート幅が広くなる 草芝のところが多く 心地よい下りを楽しむ ちょっと変わった草を見つけたので写真に撮りGoogleLensに聞いたらフユノハナワラビが候補に出た 写真がはっきりしないのが残念だ キンミズヒキ アキノキリンソウ ゴマナが顔を見せ カマツカ* キブシ*も見つける事が出来たそして草芝の広場に出る
 
 草芝の広場に出る直前に 鉄穴流しの洗場跡*3) と書いた案内板があり 草芝の広場に沿ったルートにも 六の原製鉄場跡*4) と書いた説明がある 更に 草芝の広場を過ぎ 六の原川を渡った公園センターの斜め前にも 比婆山周辺の文化財案内*5) が設置されていた

 この間ルートではマツムシソウ ブタナ ナナカマド* ナツツバキ* ミズキ* アセビの花芽などを見つけた 駐車場は大部増えていた お隣の車はまだあった 車載温度は15℃を示していた
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*1)国天然記念物 比婆山のブナ純林
昭和35年7月15日指定
庄原市天然記念物 比婆山のイチイ群
昭和43年6月10日指定
平成29年8月18日追加指定
 比婆山のブナ純林は下層植生にクロモジが密生するブナークロモジ型の森林です。
 日本のブナ林は下層植生の違いから日本海型と太平洋型の二つの型に分けることができますが、比婆山のブナ林はハウチワカエデ・エソユズリハ・ハイイヌガヤなどがよく見られる日本海型と、コハウチワカエデ・タンナサワフタギ・オオカメノキなどが多い太平洋型の植物が入り混じった珍しいブナ林です。日本列島のブナ林の性格を調べていく上で大変重要な森林です。

 イチイはイチイ科イチイ属の樹高15−20mに達する常緑の高木です。日本では北海道−九州に分布していますが、暑さに弱いことから西日本での分布は標高の高いところに限定されています。
 比婆山のイチイ群は伊邪那美命(いざなみのみこと)の御陵と伝承されている比婆山の峰に群生し、幹回り3m以上
のもの1本、lm以上のもの94本などがブナ林の中にあることが、平成28年度の調査で確認されています。また、比婆山の西城町側だけではなく、比和町側にもイチイ群の存在が確認されていることから、庄原市天然記念物として平成29年度にその範囲を追加指定しました。
令和2年10月 庄原市教育委員会
 

*2)全体案内図
古事記への路
「故(かれ)、其(そ)の神(かむ)避(さ)りましし伊邪那美神(いざなみのかみ)は、出雲國(いずものくに)と伯伎國(ははきのくに)との堺(さかい)の比婆之山(ひばのやま)に葬(はぶ)りき」
 日本最古の「古事記」に、国生みの神・伊邪那美命を葬ったと記されている比婆山は、古くから信仰の山として遠く島根県、鳥取県、岡山県などからも参拝者が訪れ、さまざまな産物や文かが往来した交流の地でもあります。
 県道比婆山公園線が通る熊野・比婆山一帯は、神眠る山にふさわしく、古事記にちなんだ伝説をはじめとする独特の文化や歴史が今も息づいています。
 古事記への路は、美しい自然の中でくつろぎながら日本文化の源流ともいえる神話の世界をたどる道。道沿いのサインを目印に、「古事記への路」を歩いてください。
 

*3)鉄穴流しの洗場跡
広島県史跡 六の原製鉄場跡
昭和46年7月30日指定
 この洗場跡は、鉄穴(かんな)流しの方法によって山砂鉄を採る作業工程の最後の作業場にあたるところで5つの池(砂鉄採取施設)で構成されています。これらの池が、2本の流れから成っているのは、交互に使ったり、また同時に使ってより多くの砂鉄を採ったためです。
平成2年3月
 

*4)広島県史跡 六の原製鉄場跡
指定年月日 昭和46年7月30日
所 在 地 庄原市西城町油木字川奥乙5156番2他
 比婆山連峰の周辺では、古来よりたたら製鉄が盛んに行われてきた。江戸時代には「当群第一の産業、諸民これによりて生活するもの甚だ多し」(『芸藩通志』・文政8年)というほどで、いつの頃からか「東城西城黒鉄(くろがね)ところ」と謳われてきた。
 ひろしま県民の森が造成されていた昭和45年、その工事中に発見されたのがこの遺跡である。砂鉄の採取から製鉄までの一連の遺構が残されており、なおかつ近世から近代にかけて操業していたことが分かる史料的裏付けのある製鉄遺跡として注目された。
 遺跡の大部分は保護のために埋め戻され、金屋子(かなやご)神社付近の芝生の地中にある。しかし、砂鉄採取の最終工程の施設である洗池(あらいけ)は保存状態が良かったこともあり、現在も砂鉄が採取可能な状態で保存整備されている。
平成30年3月 庄原市教育委員会
 

*5)比婆山周辺の文化財案内
 和銅5年(712)に記された日本最古の歴史書である古事記に「故(かれ)、其(そ)の神(かむ)避(さ)りましし伊邪那美神(いざなみのかみ)は、出雲國(いずものくに)と伯伎國(ははきのくに)との堺(さかい)の比婆之山(ひばのやま)に葬(はぶ)りき」とあります。ここに記された比婆山の所在地については諸説ありますが、当地の比婆山御陵も候補地のひとつであり、遥拝所である熊野神社とともに古くから篤い信仰を集めてきました。このような背景から、熊野神社から竜王山(りゅうおうざん)を経て御陵に至るまでの一帯が「比婆山伝説地」として昭和16年に広島県史跡に指定されました。・
 そして、岡辺には貴重な文化財が数多く所在じています。 県民の森の造成時に発見された、江戸時代終わり頃のたたら製鉄遺跡である「六の原製鉄場跡」は県史跡に指定され、その一部は実際に砂鉄が採取可能な状態で保存されています。また、中国山地西部の清冽な渓流にのみ生息するイワナの亜種『ゴギ』(県・市天然記念物)の姿も見ることができます。
 他にも、御陵山頂部を覆う豊かなづナの森は「比婆山の純林」として国の天然記念物に、そのプナ林内に点在するイチイは「比婆山のイチイ群」として庄原市の天然記念物にそれぞれ指定されています。また、熊野神社境内に林立する巨杉群は「熊野神社の老杉」とて県の天然記念物に指定されています。
 さらに、日本有数の巨樹である「熊野の大トチ」(国天然記念物)などもあります。
平成29年3月庄原市教育委員会


アプローチ
 まだ暗い時間に倉敷を出発 車載温度11℃ 昨日から急に冷え込んだ 酒津から高梁川に沿って走り川辺橋 総社大橋と抜ける 豪渓泰橋9℃ 180号へ左折し高梁川に沿って北上する 井倉(温度表示が消えていた)新見(8℃)と走る 新見市街地を抜け三叉路で180号と別れ182号へ左折し東条へ向かう 新見トンネルを抜ける 道の駅鯉ケ窪付近は霧が出ていた 東条で314に乗り北上する ここも珍しく霧 だが小奴可に出ると霧は消え、青空が広がる 猫山が正面にくっきり見える 山並みを楽しみながら車を走らす 備後落合で183と合流 すぐに別れそのまま314を北上する トンネルを二つ抜け比婆山温泉のところを県民の森の案内に従い左折 次のT字路を右折して道なりに走ると広島県民の森 六ノ原駐車場に出る すでに3台駐車 その横に駐車させて頂く 車載温度は8℃