情報あれこれ(コンピュータ関係)
Windows2000上でのDOSソフト動作設定


注意

・この記事は,主に私個人の為の覚え書きです。
・PC−9821シリーズ上の,Windows2000Professionalでの場合です。PC/AT互換機の場合も適用できるという保証はありません。
・なお,設定にはMS−DOSでのデバイスドライバ組み込みに関する知識が必要になります。



・そもそもの切っ掛け

 要はメインマシンであったPC−9821Xt13の不調です。
 DOS環境の移行というか移植は,各アプリ単体では簡単に完了したものの(ほとんどファイルコピー程度),それらの複合技となると……難あり。と。
 具体的にはMIDI環境ですね。
 S−MPU/PC(MIDIインターフェース)の取り付け,各種MIDIソフトの動作までは良かったのですが,一部ゲームからMIDIが正常に認識できないとか,常駐MIDIプレーヤーが特定のアプリケーションとの組み合わせで不具合を出すとか……。
 特に後者です。
 メインのワープロソフトでハングアップされては……。
 ってなわけで,Windows上に逃げられないかな。と。
 少々レスポンスが悪くなるのは……まぁ,元が軽いから許容範囲ではないかと判断して,やってみました。

・手順(概要)

 手順のおおよその流れはこんな感じです。

1:アプリケーションインストール,動作チェック
2:起動用バッチファイル作製
3:個別初期化ファイル作製
4:動作設定ファイル(PIF)作製
5:PIF設定
6:動作チェック


・手順(詳細)

1:アプリケーションインストール,動作チェック
  Windows2000のコマンドプロンプトからインストールプログラムを実行する。というのも一つの方法ですが,今回はWindows2000とは別パーティションにインストールしてあるMS−DOS用の領域に既にインストール済みですので,インストール手順そのものは事実上省略。と。
 この段階で,コマンドプロンプトから動作するかどうかを確認しておきます。
 Windows9x系と違い,ウィンドウ動作は無理らしいとこの時点で判明。
 フルスクリーンでなら全く問題はない。
 ただし,この時点では日本語入力FEPが組み込めていないので,実用にはなりません。

2:起動用バッチファイル作製
  まぁ……普通はアプリケーションの実行ファイルに対して直接設定をすればOKと思えるんですが,今回わざわざ作製したのには幾つかの理由があります。
・ワープロ(松v6)で使用するマウスドライバがコマンド型である。
・本体のHDDへの複数OSのインストール状況から,MS−DOS起動時と,Windows2000起動時で,MS−DOSドライブ(つまり,アプリをインストールしてあるドライブ)のドライブ名が変わる。そのため,標準で設定してある日本語入力IMEの辞書パス(CONFIG.SYSとは独立して,アプリケーションで設定可能である),データファイルの保存パスが変わってしまう。
例:日本語入力IMEの辞書パスは,MS−DOSを起動したときはA:¥MTTK38だが,Windows2000を起動したときにはB:¥MTTK38となってしまう。

 特に,2つ目の問題については,次の様な対処方法を取る関係上,バッチファイルの方が楽だったので,作製しました。大した手間ではないですし。
・松v6の場合
 松は,ファンクションキー,ショートカットキー」への機能の割り当て,画面表示の配色,日本語入力FEP(松茸)の辞書パスに至るまでを,テキスト形式の設定ファイルに指定できるので,Windows環境用のものを作製して,起動時にオプション指定することで対応。
,桐v5の場合
 松とは違って,環境設定ファイルはバイナリデータであり,しかも起動時に指定することができないので,実行ファイルへのオプションとして,辞書パス,データファイルパスを指定。

 なお,バッチファイルとしておくことで,DOSアプリケーションの起動前,終了直後にPAUSEコマンドをいれて,一時停止させて,エラーメッセージなどを確認することもできます。

3:個別初期化ファイル作製
  日本語入力FEPを組み込む場合,Windows9xでは定義ファイル(CONFIG.SYSと同じ書式で,日本語入力FEP関連のデバイスドライバ類のみを記述したもの)を,ADDDRVコマンドで組み込めばよかったのですが,Windows2000ではそれが使えません。
 その代わりとして,アプリケーション専用のAUTOEXEC.BATと,CONFIG.SYSを作製しておいて,それを使用するように設定します。
 但し,ファイル名はAUTOEXEC.BAT,CONFIG.SYSである必要はありません。
 今回は,アプリケーションごとに作製して,次のように拡張子で区別することにしました。
『松v6』用:AUTOEXEC.MTU ,CONFIG.MTU
『桐v5』用:AUTOEXEC.KRI ,CONFIG.KRI
 ただし……今回は同じ中身ですが(笑)

4:動作設定ファイル(PIF)作製
  Windows9x系であれば,[2]で作製した起動用のバッチファイルを右クリックして,「プロパティ」を開けば,必ず動作設定ファイル(PIF)が作製されていたのですが,Windows2000ではどうもその辺りの扱いが代わっているようで,作製されませんでした。
 そこで,MS−DOSアプリケーションの実行ファイルに対して,右クリック→「プロパティ」とすることで,作製します。
 私の場合,Windows上でDOSアプリケーションを動作させるための設定ファイル類は,アプリケーションのインストール先ではなく,専用のフォルダに集約していますので,そちらに移動させておきます。

5:PIF設定
  設定ファイルを右クリック→「プロパティ」として,設定を開始します。
(1) プログラムタブ
 コマンドライン(L)に[2]で作製した起動用バッチファイルを指定。
 終了時にウィンドウを閉じる(X)をチェック。


(2) 詳細設定(A)ボタン
 プログラムタブで,[詳細設定]ボタンをクリックすると,「Windows の PIF 設定」ダイアログボックスが表示されるので,[3]で作製したAUTOEXECとCONFIGをフルパスで指定します。
初期化ファイルの指定

(3) メモリタブ
 コンベンショナルメモリ合計(T) 640
 EMSメモリ,XMSメモリに適宜設定。今回は,松v6,桐v5共に3072を設定。
メモリタブの設定

(4) 画面タブ
 使い方を全画面表示(F)に。
画面タブの設定

 今回の設定は以上です。
 トラブルが起きれば,適宜変更します。

6:動作チェック
  起動用バッチファイルを起動して,問題がないかどうか確認します。
 今回のところは,この設定で問題なく動作しています。


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