情報あれこれ(コンピュータ関係)
V200リアパネル加工
・事の始まり
まぁ,要は以前(2006年 1月29日)にも「最近の出来事」に書いたとおり,PC−9821V200の電源ユニットが破損したこと。
電解コンデンサの経年劣化が原因……と思われます。
……実際,弾けとんでいるのも電解コンデンサだし。
これを機会にV200を引退させてもよかったんですが,コイツにインストールされているMS−DOS V6.2と,OS/2 Warp V4の環境は捨てがたいものがありますので(Windows2000もインストールしていますが,そちらはXPで十分代替がききますから),SLEP発動です。
注:SLEP(Service Life Extension Program)運用寿命延長計画
初期の性能を維持するための保守整備ではなく,運用上の寿命を大幅に延ばす(つまりは性能を向上させる)ために行う大規模改修が本来の意味。
・製品の選択
交換前の電源ユニットの容量が250Wだったのは当時の状況からすると妥当なところなのですが,現在ではさすがにそこまで少ない容量の電源ユニットは逆に見つけにくいでしょう。
PC−98シリーズではありますが,このV200の場合は搭載されている電源は基本的にATX電源そのものです。PC−98シリーズではサービスコンセントを1口持っているものが大半で(ディスプレイの接続を前提にしていたと思われます),V200もそうでしたので,その意味では専用電源と言えなくもありませんが,実用上は単なるATX電源で構わないので,その中から選択します。
ただ,専用ゆえに電源ケーブルの接続コネクタやサービスコンセントの配置に合わせてリアパネルが加工されているので,電源ユニット側の電源ケーブルの接続コネクタなどの配置によってはそのままでは搭載できません。
今回使用したのは「DR−B350」ですが,やはりそのままではまともに搭載できません(容積的には本体内に収まりますが,ネジなどで固定できない)。
・使用工具
電動ドリル
軸付き砥石
センタポンチ
やすり(金属加工用の細身のもの)
ペンチ
金鋸
注:センタポンチ
板金に穴を開けるとき,そのままドリルをあてると,回転によって刃がすべり,位置がずれるので,穴を開ける位置(穴の中心)をへこませておく。そのために使用する工具。
釘などで代用してもよい……ハズ。
・作業手順
0:事前の動作確認
いや,電源ユニット以外もやられていたら余計問題なので……。
取り敢えず今回は問題なし。
ということで,作業開始です。
1:本体の分解
ドリルで穴を開けたり,金鋸でリアパネルを切ったり,やすりをかけたりという作業を,そのままやるのは作業性と言う意味で問題があります。
更に,そんな作業で出た切り屑が何処かに入りこんで基盤をショートさせたら……一巻の終わりです。
なので,本体を分解して,ケースだけにしておきます。
幸い(?),PC−98シリーズの分解整備は何度となくやっているので,分解は問題なし。です。
2:穴開け
そのまま金属用の糸のこで切り抜いてもいいのですが,切断する量が多い(切断する長さが長い)ので,作業時間の短縮等も考慮して,まず何ヶ所かに穴を開けます。
まぁ,そうでなくても切断加工をする場合,方向転換部(切り抜いた後,角になる部分)などに穴を開けておくのは,基本的なテクニックですので。
今回の場合はこんな感じです。

3:切り取り
金鋸などで,穴を繋ぐような形で切り取ります。
……実際は,途中まで切ったら,ペンチで折り取りましたが(笑)
こんな感じに↓

また,上側は穴を開けるほどの幅がないので,そのまま折り取ることに。
4:やすりがけ
当然ながら,折り取った後はガタガタですから,やすりがけをします。
やすりで粗く削った後,軸付き砥石(ドリルに取り付け,回転させて研磨する)でバリとり,仕上げをします。
仕上がりはこんな感じです↓

5:確認,修正
当然と言うか何と言うか,厳密な測定をして作業を始めているわけではないので,当然ズレはあります。
なので,現物を合わせてみて,足りない部分を削ります。
6:加工完了
最終的な仕上がりはこんな感じです。

7:仕上げ
仕上げとして,加工部分に防錆処理をしておきました。
残っていた銀色の塗料(スプレー式のもの)を少しばかり塗っただけですが。
そうそう触る部分でもないので,そんなに気にする必要はないとは思いますけどね。まぁ,気分の問題です。
8:動作確認
組み上げて動作確認を行います。
勿論(?)問題なし。
ということで,V200,戦列復帰です。