情報あれこれ(コンピュータ関係)
液晶ディスプレイ導入


お断り

 このページは私自身がCRTディスプレイから液晶ディスプレイへの買い換えに際してどの様なポイントで機種を選定していったかを,誰かの参考にでもなればとまとめたものです。
 あくまで,「私個人の選定基準によるもの」ですので,万人に通用するものではないと思います。
 その点に留意して御覧下さい。



・事の始まり

 要は,これまで数年間使用して来たCRTディスプレイ(Iiyama製A901H)の不調が顕在化したところからです。
 プツンという感じで(実際そんな音がする)画面が一瞬暗くなり,また元に戻る。という症状が不定期に発生するようになりました。2006年の6月頃の事です。
 数時間使用していても問題ない日もあれば,1時間のうちに2〜3回発生する日もあり,そろそろヤバイかな,と思い始めたのが6月の後半。
 そこで改めて考えてみると……もしかして7〜8年は使ってたかな?
 というところから,修理よりも買い換えを検討し始めました。

・新機種選定のポイント

 言い換えれば,どんな機能が欲しいか。です。
:アナログ2系統の入力
 接続するPCが多いので,これは外せません。
:PC−98への対応
 固有解像度640×400の水平同期周波数24.8kHzへの対応までは難しいとしても,せめて31.5kHzでの対応は欲しいです。
:画面サイズ
 19インチからの買い換えなので,同等以上は欲しいです。どこまで上を見るかは値段との相談で。
:CRT,液晶
 こだわりは特にないが,使用している解像度の範囲がかなり広い(種類が多い)ので,CRTの方が望ましい。
 液晶の場合,本体指定解像度以外への対応が懸念材料。

 という状況でチェックを始めましたが,その時点で店によってはディスプレイ単品での扱いをしていないとか,扱っている店でも事実上液晶がほとんどという有様。
 さらに,CRT製品にしてもせいぜい17インチまでしかない。ということから,ターゲットを液晶に変更して,改めてポイントを設定しなおすことに。

:アナログ2系統の入力
 同上
:PC−98への対応
 同上
:低い解像度の表示機能
 例えば19インチ1280×1024の製品に1024×768の信号を入力したときどうなるか。です。
 私の場合使用している解像度の範囲がそれなりに多種に渡ることもあり,正直ポイントとしては外せません。
(1) アスペクト比が崩れても画面全体に拡大。
(2) アスペクト比を固定したまま拡大。
(3) 拡大せずに画面中央部に表示。
 の3パターンができればベスト。最低限,(2)までは対応して欲しい。
:サイズ,解像度
 19インチ以上。1280×1024か,1600×1200か。
 アスペクト比固定の拡大モードがあるのなら,1280×1024の製品の方がPC−98の表示時に拡大率が整数倍となるのでドットのエッジは綺麗ではないかと期待。

・各メーカー,機種毎の比較

 液晶ディスプレイということでチェックを始めたとき,最初にチェックしたメーカーはアイ・オー・データ機器です。
 理由は,PC−98シリーズへの対応がカタログで明記されているからです。
 が……アナログ2系統入力ができない,常時画面全体に拡大表示(アスペクト比無視)ということで,マイナスポイントの方が大きく,落選決定。
 そのほか,Buffalo,プリンストン,BenQ,グリーンハウス,コレガ,三菱電機,NECなど多くのメーカーの製品をカタログまたはWeb上でチェックしたのですが……簡単には行きませんでした。

・カタログを入手できており,Webサイトをその補足にしたメーカー
 アイ・オー・データ機器,Buffalo,プリンストン,BenQ,グリーンハウス,コレガ,EIZO(ナナオ)

・カタログは入手できず,Webサイトの情報のみでチェックしたメーカー
 三菱電機,TOTOKU(東京特殊電線),シャープ,ソニー,ロジテック,NEC

・選定の課程(条件にあった点,合わなかった点)

・その1:アナログ2系統への対応

 カタログで「2系統入力対応」とあっても,アナログ1系統とデジタル1系統で2系統という製品が大半です。
 デジタル端子の中にはアナログ信号の入力も考慮されたDVI−I端子もありますが,現行製品の大半がデジタル専用のDVI−D端子となっています。
 結果,アナログ2系統の入力ができない製品が大半なので,それらは全て落選です。この条件だけで全滅したメーカーも少なくありません。実は。

・その2:PC−98への対応

 PC−9801の水平同期周波数24.8kHzへの対応状況がわかりやすく明記されているのはアイ・オー・データ機器のみです(注:PC−98に対応していない製品もあるが,それはそれで明記されている)。
 その他のメーカーの場合,個別にカタログのスペック欄をよく読めば,24.8kHzが対応に入っている製品も幾つか見つけられます。
 これを,31.5kHzにまで条件を緩めれば,その数は意外と多くの製品がクリアします。
 が……PC−98シリーズを接続しても大丈夫,という記述があるかどうかはまた別問題です。
 一部メーカーのWebではFAQなどでプリセットの一覧の中に対応が見つけられるなど対応していないわけではないことが分かりました。
 ただ,購入した後にやってみてダメだった。では困るので,カタログなりメーカーWebサイトなりで,何等かの形で対応が確認できなかった機種は落選としました。
 PC−98の現状を考えれば,一般的条件でないことは承知していますが,利用している人間としては外せません。

・その3:低い解像度の表示

(1) アスペクト比が崩れても,とにかく画面全体へ拡大
 これは全ての機種がもっている機能です。無条件でこれしかできない機種も少なくありません。
(2) アスペクト比を保って拡大
 せめてこれは欲しかったのですが,意外と数がありません。
(3) 拡大なしで表示
 同上。
 この点に関しては,EIZO(ナナオ),三菱電機の製品で(2),(3)の機能を有している製品があることが分かりました。
 ただ,EIZO製品では機種毎に(1)のみ,(1)〜(3)全て対応などの情報がカタログ,Web上双方で明記されていたのですが,三菱電機製品では「機種によって対応している機能に違いがある」と表記はされていましたが,具体的にどの機種がどの機能に対応しているかが,明確に確認できませんでした。


 なお,これらのチェックの初期段階で,同じように買い換えを検討している人から,「スペック的にはよさそうな製品があるけどどうですか」とのメールを戴きました。
 実は,今回導入した製品は最終的にソレになったんですが(笑)
 他にも,アスペクト比固定拡大表示の機能などについて,情報を戴きました。

最終結論

 調べがついた範囲内で,要求条件をクリアしたのはEIZOの一部製品(S2410W−R,S2100,S2000,L997−R)だけでした。
 その後,画面サイズと値段との比較からS2000を選択しました。
 上述の選定ポイント4からすると,19インチ1280×1024の製品をと考えていたのですが,メーカー通販サイトの価格表示で他が10万円を越える価格の中,唯一10万円を下回っているのが決め手となり,FlexScan S2000に決定です。

 ←コレです

・S2000の各機能の使用評価

注意
 個人的感想という方が正確です。
 雑誌のプレビュー記事のような厳密なものではありません。

*アナログ2系統入力

 D−sub側,DVI−I側ともに大きな問題はなし。というより,これで何かトラブルが起きているようならその方が問題でしょう。
 カタログに掲載されている機能が使えなければ,それは初期不良というものではないでしょうか。
 入力の切り換えボタンが独立して装備されているので,切り換えも非常に楽です(以前のA901HはボタンをOSDメニューから切り換えるため,6回ボタンを操作する必要があったため,余計に楽に感じます)。

*デジタル入力

 メインマシンのビデオカード(Millennium G550)にはデジタル端子が装備されていますが,事実上必要性がないのでテストは省略。
 今後気が向いたらアナログ接続との違いをやってみるかも。

*PC−98への対応

 640×400,水平同期周波数24.8kHz,31.5kHzともに微調整なしの初期状態でも表示は可能。
 ただし,画面の左右部分が若干途切れるなどの問題があるので,調整が必要。本体のオートアジャスト(自動調整)でほぼ問題なし。
 ただ,画質面ではやや難あり。
 24.8kHzの場合,画面の左から1/4〜1/2の領域でにじみが目立ちます。

 滲 
 み 
 な 
 し 
 滲 
 み 
 あ 
 り 
 滲 
 み 
 な 
 し 
 滲 
 み 
 な 
 し 

 ざっとこんな(↑)感じで。
 左から右へと文字を追っていくと,画面中央部辺り(滲みが目立つ辺りと,中央部を過ぎて滲みがほぼなくなる境あたり)でかなり違和感があります。
 31.5kHzの場合はかなり改善されます。
 特定領域で滲みが発生するのではなく,幾つかのラインで発生しているという状況です。滲みに気付かないわけではないが,ほとんど気にならないレベルです。
 それを除けば大きな問題はなし。
 拡大なしで表示させるとさすがに小さ過ぎて見にくいので,アスペクト比拡大で固定して使用しています。

*低い解像度の拡大表示

その1:フルスクリーン拡大(アスペクト比無視で画面全体に拡大)
 800×600のような整数倍に拡大される場合以外であっても,ドットの滲み感はほとんど気になりません。
 逆に,800×600の場合には,ドットが1600×1200の2倍(面積比4倍)になるので,逆にドットが目立つような印象を受けることもあります。但し,表示させる画面によって印象は大きく異なります。
 PC−98シリーズの640×400の場合,もともとのアスペクト比が4:3ではないので,若干縦方向に引き伸ばされた表示になります。ただ,その場で比較すれば確かに分かりますが,最初からそれだけ見た場合,ぱっと分かるほど大きなものではありません。

その2:アスペクト比固定の拡大
 元からアスペクト比4:3の解像度(1280×960,1024×768など)に関してはその1と同じなので省略。
 実質,PC−98の640×400に関してのみのことになりますが,それに関しては前述の通り水平同期周波数24.8kHzで画面の一部で滲みが目立ちますが,それ以外は特に気になる点はありません。

その3:ノーマル表示(拡大なしでディスプレイ中央部に表示)
 解像度によって一部ラインに滲みが感じられるものもありますが,全体として大きな破綻はありません。
 それよりも,実際の大きさが小さい方が見にくい要因としては大きいですね。特にPC−98の640×400は(笑)

*オートアジャスト

 アナログ入力の場合に,ドットの同期クロックや位相などを自動調整する機能です。
 1600×1200以外の解像度で使用する場合には,事実上この機能での調整が必要です。
 但し,私の使用環境の場合,同じ解像度でもビデオカード,OSが違う組み合わせが複数台接続されているので,余計ややこしいのかも。
 1024×768については,V200のWindows2000,OS/2,サーバのWindows2000と2機3パターンの接続となっているので,V200で調整した後にサーバに切り換えると再調整が必要だったりします。

*ScreenManager Pro for LCD

 PC本体と液晶ディスプレイをUSBケーブルで接続して,ディスプレイの各種調整をPC上から行うものです。
 あらかじめアプリケーション毎に画面の調整を割り当てておいて自動的に切り換えるなど,機能的に悪くはないとは思いますが,自分がそれを使おうと思うかどうかはまた別。ということで,インストールしていません。
 というか……そもそもアプリケーション毎に画面の調整(輝度,コントラストなど)を調整するほど細かい神経していませんし(笑)

画面の位置調整

 上下位置の調整,上下角,左右角の調整もストレスなく行えます。
 上下位置の移動はスムーズで,そうでありながら手を止めた位置できちんと止まってくれます。

 ただ,ローテーション機構(画面を右周りに90度回転させることが可能。縦向きの表示にはビデオカード側の対応が必要)があるせいか,画面を限界まで下げた状態でも机表面との間には14cmほどの空間があります。
 ちなみに,その状態でディスプレイを縦方向に回転させると,机表面との間隔は9cmほどになります。
 一番下まで下げた状態でもディスプレイが机に接触することなく横←→縦の回転ができるのはそれはそれでいいのですが,個人的にはそれよりももう4〜5cm下まで下げられるようになっていてほしかったかな。

*液晶ならではの問題点?

 CRTディスプレイの場合,画面の中央部に表示領域があり,その周囲に何も表示されない領域が若干存在しています。
 勿論,液晶ディスプレイでも表示領域の周囲には僅かながら何も表示されない領域がありますが,その広さはCRTに比べると非常に狭くなっています。
 その為,端の部分の表示がやや見にくいというのが実感。
 特にCRTしかない時代の産物であるPC−98のMS−DOSのアプリケーションによっては,周囲の何も表示されない領域がある程度存在するという前提で,かなり端まで表示がされているように見えるものも幾つか散見されます。
 Windows,OS/2のようなGUI環境であれば,ウィンドウを適宜中央へ移動させれば気にならないのですが,PC−98のMS−DOSではアプリケーションによってはかなり気になる場面があるのも事実です。


 最終更新日:2007年12月29日

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