情報あれこれ(コンピュータ関係)
7.パワーアップについて その2


 ここでは,私がこれまでに挑戦してみた,各種のパワーアップ手段と,その結果についてまとめてあります。

注意

 タイトルが赤文字で表記されているものは,メーカー保証外の 改造行為 にあたります。
 このページは,それらの改造を推奨するものではありません。また,改造の成功を保証するものでもありません。
 この記事を参考として改造に挑戦される場合,あくまでも個人責任として行って下さい。


PC−9821Xt13の内蔵ハードディスクの換装
  1.2GB=>3.2GB

 このマシンの発売当時(95年7月)には,最大級の容量だった1.2GBのハードディスクですが,近年のハードディスクの大容量化と低価格化,それ以上にアプリケーションの肥大化で空き容量の不足が現実味をおびてきたところで,換装に踏み切ることにしました。
 実を言えば,このXtシリーズは,オンボードでSCSIボード(Adaptecの2940相当品)を搭載している上に,ハードディスク専用ベイを2つ内部に持っているので,そちらでの増設でもよかったのですが(実際,この時既に,1ドライブ増設していた),なによりWindows95システムドライブの拡張がメインだったので,内蔵ディスクの交換を選択しました。
 ただ,全く問題がなかったわけではなく,対応ドライブの入手が一番の問題でした。
 当時既にPC−98シリーズの,PC/AT互換機への歩み寄りは始まっていましたが,それでも独自規格の部分も数多く残っており,E−IDEのコントローラーはその最たるものの一つで,大容量のドライブが次々と登場する中で4.3GB以下のドライブしか認識しないという制限があったため,4.3GB以下のドライブをさがしもとめて,某所にて中古で3.2GBのドライブを入手しました。
 ハードディスクという機械的動作(しかも基本的に長期間連続動作)をさせるパーツで,中古品という事に対する不安もないではありませんでしたが,新品の在庫状況やら値段などの諸条件を考えて踏み切りました。

「手順」
:ドライブの仮接続
 内蔵CD−ROMドライブを取り外し,そこへ接続(E−IDEのドライブの増設用スペースがないための措置)。
 ケーブルは,CD−ROMドライブのもの(セカンダリ)をそのまま使用。
:ドライブの初期化(フォーマット)
Windows95;diskinit.exeでドライブの管理情報を修正(低レベルフォーマット)後,fdisk.exeで領域確保。その後,Windows上から初期化。
MS−DOS;FORMAT.EXEで初期化,システム転送。
:ファイルのコピー。
 Windowsの場合;スワップファイル(A:\WINDOWS\WIN386.SWP)以外をコピー。
 MS−DOSの場合;COMMAND.COM,MSDOS.SYS,IO.SYS,DBLSPACE.BIN以外をコピー。
:古いハードディスクと新しいハードディスクの付け替え。

「結果」
 手順的には(細部はさておき)この通りで全く問題はないのですが,実は今回の場合は[2:初期化]の段階でつまりました。
 ハードディスクを一切認識してくれなかったんですねぇ……これが。
 本体諸共に店に持ち込んで確認してもらったところ,いわゆる「相性問題」ということが発覚して,同等の製品と交換してもらえました(しかも新品)。結果的に,中古製品であるがゆえの寿命の心配がなくなったのでOKということで。
 それさえ解決してしまうと,後は問題なく終了しました(DOS,Windowsとも)。
 ドライブの容量増加に伴って,データ転送レートの方も早くなりました(明らかに体感できるほどではなく,ベンチマークの数値上だけですが)。


・PC−9821Xt13のビデオカード換装
本体標準(PC-9821X-B03/03L いわゆるMillennium相当品)=>アイ・オー・データ製GA−PII8/PCI

 今回利用したビデオカードは,PC−9821に正式に対応している製品です。従って,その意味では「改造」でもなんでもないのですが,手段的に少々普通ではなかったので掲載しています。

「手順」
 というほどのものでもありませんが……。
:Windows95/NT上で,古いビデオカードを使用しない設定にする。
:本体カバーを開け,標準で搭載されているビデオカードを取り外す
:GA−PII8/PCIを,もともとビデオカードが取り付けられていたスロットに取り付ける
:ビデオカードのRGB出力を,本体のRGB−inに接続。
:本体カバーを取り付ける。
:OSを起動して,ドライバをインストールする。

「補足」
 PC−9821Xt13は,カタログスペック上はPCIスロットが『2本』という事になっていますが,PCIのバスそのものは『4本』装備しています。
 そのうち1本はオンボードSCSI−IIインターフェースに使用されています。2本が「PCIスロット」となっており,残る1本は「ウィンドウアクセラレータボード専用スロット」という名称で呼ばれており,ここに本体標準のビデオカード(Millennium相当品)が搭載されています。
 しかし……名称がそうとは言っても,使用されているのはPCIのビデオカードだし,本体に付属している「PCIセットアップディスク」では,PCIバスとしてカウントされているから,ここにPCIのビデオカードを増設することもできるハズ!
 ということで,このスロットに新しいビデオカードを取り付けることにしました。

「結果」
 結果を簡単に言えば,成功もしたけれど,失敗もした。ということになります。
 Windows95では無事に動作しました。専用スロットに増設したことに起因するトラブルは一切発生しませんでした。
 しかし……。
 WindowsNT4.0では,ドライバのインストール直後にハングアップしてしまい,全く使い物になりませんでした。
 このトラブルに関しては,小手先の細工は一切通用せず,ビデオカードをカタログ上でもPCIスロットとしてカウントされているスロットに付け替えるまで何をどうやってもダメでした。
 そもそも,「ウィンドウアクセラレータ専用スロット」という名称は伊達ではなく,幾つかの機能が省略されている(らしい)ということを後から知りました。


PC−9821Xt13のPCIバス拡張ボードのIRQシェアリング

 PCIバス以前の拡張スロットでは,割り込み処理を行うものについてはボード1枚ごとに異なる割り込みレベル(INT 又は IRQと言う)を割り当てる必要がありました。もし,複数のボードに同じ割り込みレベルを設定すると,本体が正常に起動しないとか,一件正常に起動したように見えてその拡張ボードの機能を使おうとするとハングアップするなどのトラブルが起きていました(因みに,この様な症状を「コンフリクト」と呼びます)。
 ただ,本体で既に幾つかを使用しているため,ユーザーが利用できる(拡張ボードで使用できる)割り込みレベルは限られていました。
 ところが,最近のPCIバスでは,複数のボードで同じ割り込みレベルを共用する(IRQシェアリングと言います)ことができるようになりました。
 が,やっぱり条件はあります。PCIバスの規格にも古いのから新しいものまでバージョンがあり(新しい製品が新しい規格に基づいているのは言うまでもない),リビジョン2.1以降という制限があります。1996年頃以降の製品であれば問題はない……らしいです。
 が,PC−9821シリーズの場合……多少事情が違うそうで,例えばこのPC−9821Xt13はPCIバスのリビジョンは2.0ですが,このIRQシェアリングが,何の問題もなく行えるそうで……。
 実際問題として,割り込みレベルの割り当てに悩んでいたこともあり,早速とびつきました。
 ただ,当然ながらメーカー(NEC)はこれができると言うことを公言はしていないようです。マニュアルでも見た覚えはありませんので。

「手順」
 本体購入時に付属している「PCIセットアップディスク」を使用します。
 あらかじめ,実行用ディスクを作成します。MS−DOSまたは,Windows95/98の起動ディスクを新規に作成して,その中に適当なディレクトリを作成して,PCIセットアップディスクのファイルをコピーします。
:実行用ディスクでPCを起動する。
:PCIセットアップ(PCISETUP.EXE)を起動する。
:割り込みレベルの共有を行うボードを選び,割り込みレベルの項目を設定する。
:データを保存して終了。
:ディスクを抜いてPCを再起動する。

「結果」
 現在までのところ,実用上では一切問題が発生していません。
 唯一起こったマイナートラブルとして,Windows98SEの新規インストールの際に,IRQシェアリングを行った状態ではビデオカードのドライバがインストールできなかったという事があります。
 ですから,実際に作業をするにはOSのインストール,拡張ボードのドライバ組み込みが完了してから,という必要があります。
 なお,ドライバの更新の場合には問題はありません。

 この機能により,現在の割り込みレベルの使用状況は次の様になっています。
割り込みレベル使用している機能
 0オンボードSCSI
ウィンドウアクセラレータ
 1LANボード
 2MIDIインターフェース
 3内蔵ハードディスクコントローラ
41MATE−X PCM音源
42フロッピーディスクコントローラ
 586音源ボード
 6マウス
 まぁ……要するに,利用可能な割り込みレベルは全て使いつくしているという状況です。笑うしかないですね。

「補足」
 割り込みレベルの表記には,PC−98シリーズで利用されているINT表記と,PC/AT互換機で利用されているIRQ表記があります。
 PC/AT互換機で利用されているIRQ表記の中で,PC本体が利用していないものを抜き出して,それに番号をふりなおしたものがINT表記です。両者の関係は以下の通りです。
    INT 0 = IRQ 3
    INT 1 = IRQ 5
    INT 2 = IRQ 6
    INT 3 = IRQ 9
    INT41= IRQ10
    INT42= IRQ11
    INT 5 = IRQ12
    INT 6 = IRQ13

「補足2」
 2001年1月13日に,UIDE−66を導入しました。
 それに伴って,内蔵ハードディスクコントローラーは切り放したため,現在INT3は「UIDE−66」が使用しています。


PC−9821Xt13のCPU換装
  Pentium−133MHz=>HK6−MX233(K6−233MHz)
                  K6−2−400MHz
                  PK−HX400/98(K6−III−400MHz)

 メインマシンとして,ビジネスアプリケーションやらゲームやら,あるいは趣味のツールまで様々なソフトウェアをインストールして多用しているXt13ですが,ビジネス系アプリケーションはともかくとして,興味本位で手を出している3D関係のアプリケーション(3Dマイホームデザイナー,Bryce)を使う上では高速なCPUへの要求は凄まじいものがあります。
 ことメモリに関しては,かなり早い頃から増設をしていたこともあって,さほど問題となってはいなかったのですが(処理の内容によっては,一足先にCPUのアップグレードを成功させていた友人のXt13よりも反応が軽快だった),そうは言ってもCPUが非力なことには変わりなく,思い切って友人と2人でK6系CPUへの換装を行いました。

「手順」
:本体の分解。
 本体カバーに始まり,内蔵SCSI−HDD,ケーブル,HDDファンなど,CPUと内蔵SCSI−HDDベイ回りを空けます。
:CPU取り外し。
 ファン固定金具を外してファンを取り外し,CPUを取り外す。
:ゲタにCPU(K6−2/III),ファンを取り付ける。
:CPUキットをソケットに取り付ける。
:ゲタの電源ケーブルをHDD用電源ケーブルに接続。
:この段階でキーボード,ディスプレイのみをつないで起動チェック。
:問題がなければ元通り組み上げる。

「結果」
 実は,Xt13のCPU換装は一度ではなく挑戦しています。
 最初が,MELCO製HK6−MX233(K6−233MHz)。
 2度目がアイ・オー・データ製PK−HX400/98(K6−III−400MHz)。
 3度目がPowerLeap製のゲタ(PL−J98 Plus!)とK6−2。
 4度目が同じくPwoerLeap製ゲタ(PL−K6−III/98)とK6−2。
 結果は無茶苦茶なものになりました(笑)

 まず,「HK6」で無事に成功。続く「PK−HX」が惨敗。販売店で交換してもらってもダメ。
 ダメなら仕方ないとばかりに「HK6」に戻したところ……ある時を境に不具合発生。
 それならと「PL−J98+K6−2」に挑戦……しかしダメ。
 ところが,どうもゲタが調子が悪い様子……。ただ,大阪日本橋で購入してからそうと気づくまでに時間がかかりすぎ,交換不可。
 それならとばかりに新しいゲタ(PL−K6−III)との組み合わせで挑戦……してもやはり失敗。

 ……と思っていたら,ここでXt13にトラブル発生。
 その結果が……なんとマザーボード交換!
 どうも,CPU換装の失敗の原因がマザーボードの破損(?)だったらしく……。そうとなれば今度こそ大丈夫なのでは,という期待の元にゲタ(PL−K6−III)+K6−2で挑戦したところ,見事に成功しました。


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