情報あれこれ(コンピュータ関係)
6.パワーアップについて その1


 ここでは,私がこれまでに挑戦してみた,各種のパワーアップ手段と,その結果についてまとめてあります。

注意

 タイトルが赤文字で表記されているものは,メーカー保証外の 改造行為 にあたります。
 このページは,それらの改造を推奨するものではありません。また,改造の成功を保証するものでもありません。
 この記事を参考として改造に挑戦される場合,あくまでも個人責任として行って下さい。


PC−9801RA21のクロックアップ

 まずは基本事項。ベースクロックについて。
 CPUを始めとして,コンピュータ内部の各部品は,ベースクロックと呼ばれる一定周波数の信号でタイミングを取りながら動作をしています。
 そこで,このベースクロックを規定のものよりも高速なもの(より高い周波数のもの)にすることで,全体の動作を高速にするのが「クロックアップ」と呼ばれる「改造」です。
 基本的には,ベースクロックを生成している水晶発振子を交換するのですが,コンピュータ全体の動作の基準タイミングが変わるわけですから,一筋縄ではいかないことも事実です。

 さて,具体的手順ですが,スペースの都合もあるので,適宜省略しています。
:本体の分解。
 本体カバーを開けた後,順次分解していきます。
:水晶振動子の取り外し。
 中学校の技術+α 程度のハンダごての取り扱いができれば大丈夫……かな?
:水晶振動子の交換。
:本体組み立て。

「結果」
 さて,その結果ですが……実は見事に失敗しました(笑)
 残念ながら,私のRA21では,クロックアップした状態では動作しませんでした。どうも,マシン自体が余り余力のあるものではなかったようです。
 一緒に挑戦した友人は確か20MHz=>24MHzのクロックアップに成功していましたが。

「補足」
 当時,技術評論社発行の月刊誌「ざべ(The BASIC)」には各種のPC−98改造記事が掲載されていましたが,後日その中にPC−9801RA21のクロックアップの記事が掲載されていました。
 それによると,RA21の場合,水晶振動子1つの取り替えで済むような簡単なものではなかったようです。
 また,その記事の改造例は,ハードウェアの改造(マザーボード上の配線を1ヵ所切断)が必要だったため,挑戦せずに終わりました。


PC−9801RA21のCPU換装
  i386DX=>Cx−486DLC

 現在でこそ,性能向上のためにCPUの換装は当たり前に行われているものの,私がこれを行った当時は,メモリやハードディスク,拡張ボードの増設はともかくとして,元からついているパーツの 換装 などは考えられない状況でした。
 まして,CPUなどは……。
 時代は32ビットCPUのi386DX,SXがハイエンドとしてある程度普及して,ようやくi486SXを搭載したパソコンが登場したばかりの頃。
 そんな中にどういった経緯でCyrix社がCx−486DLC/SLCを登場させたのかについては,実は未だに知らないままなのですが,そんな私がこれを入手したのは友人からの1本の電話でした。
「i386DXとピン互換,つまり,そのまま載せ変えのできる,内部はi486SX相当のCPUが手に入るから,一緒に買わんか?」
 値段を聞いて(幾らだったかは既に覚えていませんが),即決した覚えがあります。

 交換の具体的手順は……非常に簡単です。
:本体カバーを開けて,元からついているCPU(i386DX)を取り外す。
:Cx−486DLCを取り付けて,カバーを元に戻す。

 これだけです。
 CPUの取り外し,取り付けそのものも,ZIFソケットなので,非常に簡単です。
 が,実はソフトウェア的には,もう一つ手順が必要です。
 i386とi486のアーキテクチャにおける最大の違いがCPUキャッシュの追加であり,それに合わせてCx−486DLCにも1KBのCPUキャッシュが搭載されていましたが(i486は8KB),i386用のマザーボードではそんなものをコントロールできるはずもないので,そのCPUキャッシュをコントロールするためのユーティリティの導入が必要でした。
 初期にはCx−486DLCと同時に入手したものを使用していましたが,メルコのRAMボード付属のユーティリティ「MELWARE」がキャッシュコントロール機能を搭載してからは,専らそっちを使うようになりました。

「結果」
 という程のものは実はありません。そもそも『i386DXと交換してそのまま動作できる』ということがセールスポイントだったわけですから,トラブルもありませんでした。
 当時ハマっていたフリーソフトウェアのゲームで,動作スピードがそれなりに上がっていた記憶があります。
 それ以外では,CPUパワーが必要となるようなことをそんなにやっていなかったせいもあって,どの程度高速になったか,という具体的な感じはあまりなかったように思います。ワープロが主な使い道でしたから。


PC−9821Xa7/C8のCPU換装
  Pentium−75MHz=>HK6−MX233(K6−175MHz)

 メインマシン以外で,Pentiumマシンがとにかく1台欲しいという個人的事情から,中古で入手したXa7ですが,完全にノーマルの状態で,WindowsNTをメインで使うには少々荷が重い状態でした。CPUがPentium75MHzなのはともかく,メモリが8MBでは……。
 メモリに関しては,流用可能なメモリが32MBあったので,それを流用してなんとかごまかしてはいたものの,そうなると今度はCPUパワーの不足も目につくようになって……。
 そんなおり,メインマシン(Xt13)のパワーアップの関係で,メルコ製のCPUアクセラレータが空いたので,それを取り付けることにしました。
 まぁ,問題と言えば,マシン紹介のページにも書いてあるように,本体,使用OSともに対応表に記載されていないということでしょう(笑)
 が,Xaの前に使用していたXt13でもそれは同じなので(爆笑),無視。

注:このCPUアクセラレータはベースクロックの3.5倍動作のものなので,ベースクロックが66MHzのマシンでは233MHz動作になりますが,Xa7のベースクロックが50MHzなので,175MHz動作になっています。

「手順」
:本体カバーを開け,内蔵ハードディスクを取り外す。
:ヒートシンクを外し,CPUを取り外す。
:CPUアクセラレータをソケットに取り付ける。
:CPUアクセラレータの電源ケーブルをhdd用電源ケーブルに接続する。
:金具で,CPU,CPUファンを固定。
:内蔵ハードディスクを戻し,本体カバーを取り付ける。

 ハードウェア的にはこれで終了です。
 後は,CPUキャッシュのコントローラーをOSに組み込むだけです。
 i486以降のCPUは全てCPUキャッシュを持っているので,Xa7のマザーボードもPentiumのCPUキャッシュを制御できるようにはなっているのですが,K6シリーズはPentium系とはキャッシュの制御方法が異なるため,専用のコントローラーを組み込む必要が有ります。
 Xt13では,MS−DOS,Windows95(当時)で,K6.SYSを使用していましたが,Xa7ではOSがWindowsNTということもあって,Write Allocate Monitor IIを選びました。

「結果」
 変更前後での詳細(ベンチマークによる性能比較)はこちらをごらん下さい。
 大ざっぱに言えば,CPU周りの能力は3倍程度になりました。
 大分動作が軽くなったという感じです。
 正式対応外の本体,OSで稼動させているわけですが,トラブルはほとんど発生していません。夏場に何度か熱暴走らしきものを経験しましたが,本体の設置の仕方を変えたら(スペースの都合で縦置きにしていたものを,普通に横置きにした),見事に(?)収まりました。
 が,最近またトラブル発生。特定のアプリケーションが,長時間使用していると不正な動作をするようになってしまいました。
 キャッシュコントローラー(Write Allocate Monitor II)を解除したところ,安定したのでこれからはずっとこのままでしょう。ベンチマークの数値の変化はともかく,実用上はそんなに変化(低下)はしてないので……。


PX−9821Xa7/C8のベースクロック変更
  50MHz=>66MHz

 実は上のCPU換装に関連してのことになります。このパワーアップは。
 Xaに使用したCPUアクセラレータは,元がベースクロック66MHzのマシン用で,搭載されているCPU(K6)も233MHzのものです。しかし,Xa7のベースクロックが50MHzのため,175MHzでしか動作していませんでした。
 ところが……実はこのXa7というマシンは,ベースクロックの変更に関しては,実に簡単なマシンだったのです。
 Xa7と同時期に発売されたマシンに,Xa9,Xa10というのがありました。それぞれ,CPUがPentiumの90MHz(ベースクロック60MHz),100MHz(ベースクロック66MHz)です。
 型番が同じシリーズだけに,共通点も多い……どころではありません。マザーボードが全く同じだったのです。
 製品では,ジャンパーピンでベースクロックを変更して,(相応のCPUを搭載して)別の製品として販売されていたのです。
 言い換えれば,CPUを用意して,ジャンパーピンでベースクロックを変更してやれば,Xa7をXa10相当にすることが可能だったのです。当時のパソコン関係の雑誌(特にPC−98をメインに据えていたもの)では,手順の詳細が掲載され,それを参考にして多くの人がこれに挑戦し,実に簡単に成功していたと聞いています。
 まぁ,それを知っていたというのも,このマシン(Xa7)を購入した理由の一つではあるのですが。

「手順」
 これまた,非常に簡単です。資料さえあれば(笑)
:本体カバーを開け,内蔵ハードディスク,フロッピーディスク,光学ドライブを取り外す。
:ジャンパーピン設定。
:本体の組み立て。

「結果」
 気を付けていれば,電源投入後のメモリカウントが早くなっていることで,成功を確認できます。
 無難なのはベンチマークなどで確認することですね。こちらをどうぞ。
 それ以後の状況は上に同じです。

「補足」
 後日,Xa7の更なるパワーアップの結果,全体のバランスの問題か,ベースクロック66MHzの状態では不安定になったので,ベースクロックを60MHzにダウンしました。
 そのため,CPUアクセラレータ(HK6−MX233)の動作クロックは210MHzとなっています。


PC−9821Xa7/C8のCPU換装
  HK6−MX233(K6) => PK−MII300/98(MII)

 純粋に,好奇心からのものです。これは。
 Cyrixというメーカーの名前そのものはPC−9801RA21のCPU換装のときに初めて耳にして以来,一応「知っている」と言う部類には入っていましたが,積極的に追いかける必然性がなかったこともあって,ここ数年はまったく情報をもっていませんでした。
 せいぜい,雑誌で記事を見掛けたら「ああ,そう」という程度で(笑)
 そんな極わずかな情報の中にあって,若干記憶に残っていたこともあって,まぁ,衝動買いですね。これは。
 現在Xa7で使っているK6とどのくらい性能が違うのかという興味は勿論あったからこそ買ったんですが……。

「手順」
 実は,Pentium → HK6−MX233の換装の時と,まったく一緒です。
:本体カバーを開け,内蔵ハードディスクを取り外す。
:ゲタの電源を取り外す。
:金具を外し,HK6−MX233を取り外す。
:PK−MII300/98をソケットに取り付ける。
:金具で固定。
:ゲタの電源ケーブルをHDD用電源ケーブルに接続する。
:内蔵ハードディスクを戻し,本体カバーを取り付ける。

「その他」
 実を言えば,このCPUアクセラレータに使用されている,Cyrix社のMIIというCPUは,Pentium系やK6系とCPUキャッシュの制御に若干の違いがあって,中でも最大の問題となるのが,「640KB〜1MBのアドレス空間の扱い」。
 この領域は,MS−DOSにおけるVRAM領域や,システムが使用するROMアドレス(SCSIやらIDEなど)が集まっている領域で,Pentium系やK6系では,標準でキャッシュしない設定になっているのですが,MIIではこの領域もキャッシュ対象となっているため,SafeモードやMS−DOSなどでは不具合が多発する……のだそうです。
 そのため,その領域をキャッシュ対象から除外するためのツールを組み込む必要があるのですが……今回はこれが問題になりました。
 何故なら……今回購入したPK−MII300/98は……なんとジャンク扱い。
 当然,附属品はなし!
 まぁ,あちこち調べて,『同じCPUを使用している別メーカーのツールが使用できる』という情報をキャッチしたのですが,それも実は,「MS−DOS6,Windows95/98用」ということで,Xa7のOSであるWindowsNT4では無理の様子。
 まぁ,Windows95/98のSafeモードもMS−DOSも,インストールしていない = 使用しないのだからいいとしよう。という無茶な決断で使用しましたが…………現在まで,まったく問題はおきていません(笑)
 そもそも,導入直後に,NT4を起動する前にフロッピーからMS−DOSを起動して,あれこれ遊んでみたんですが,その段階でも問題は起きていなかったりします。
 もしかすると……メーカーがその辺の調整を組み込んで製品にしていたのかもしれないですね。

「結果」
 変更前後での詳細(ベンチマークによる性能比較)はこちらをごらん下さい。
 一言で言って,ほとんど変わっていません(笑)。
 まぁ……そもそもがジャンク品をダメもとで買って来たものですし……。


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